聖書 — 口語訳 (1955)

ペテロの第一の手紙 1

概要

ペテロは、各地に散らされ、住む土地では寄留者である信者たちに手紙を書きます。神をほめたたえます。神は信者を新しく生まれさせ、イエスの復活に基づく生ける望みを与え、朽ちることのない資産へと向かわせてくださいました。試された信仰は、火で練られた金にたとえられます。そして、信者はキリストの尊い血によって贖われたのだから、望みと聖さに生きるよう呼びかけます。章の終わりは、兄弟愛と、いつまでも残る神の言葉です。

この章の5つの区分

  1. 1-2節あいさつ:選ばれた者、寄留者、散らされた者
  2. 3-9節生ける望み、守られた資産、試される信仰
  3. 10-12節預言者たちが告げ、御使いたちも見たいと願った救い
  4. 13-21節聖なる者となれ:キリストの尊い血による贖い
  5. 22-25節熱く愛し合う、朽ちない言葉によって生まれた者

1イエス・キリストの使徒ペテロから、ポント、ガラテヤ、カパドキヤ、アジヤおよびビテニヤに離散し寄留している人たち、

2すなわち、イエス・キリストに従い、かつ、その血のそそぎを受けるために、父なる神の予知されたところによって選ばれ、御霊のきよめにあずかっている人たちへ。恵みと平安とが、あなたがたに豊かに加わるように。

3ほむべきかな、わたしたちの主イエス・キリストの父なる神。神は、その豊かなあわれみにより、イエス・キリストを死人の中からよみがえらせ、それにより、わたしたちを新たに生れさせて生ける望みをいだかせ、

4あなたがたのために天にたくわえてある、朽ちず汚れず、しぼむことのない資産を受け継ぐ者として下さったのである。

5あなたがたは、終りの時に啓示さるべき救にあずかるために、信仰により神の御力に守られているのである。

6そのことを思って、今しばらくのあいだは、さまざまな試錬で悩まねばならないかも知れないが、あなたがたは大いに喜んでいる。

7こうして、あなたがたの信仰はためされて、火で精錬されても朽ちる外はない金よりもはるかに尊いことが明らかにされ、イエス・キリストの現れるとき、さんびと栄光とほまれとに変るであろう。

8あなたがたは、イエス・キリストを見たことはないが、彼を愛している。現在、見てはいないけれども、信じて、言葉につくせない、輝きにみちた喜びにあふれている。

9それは、信仰の結果なるたましいの救を得ているからである。

10この救については、あなたがたに対する恵みのことを預言した預言者たちも、たずね求め、かつ、つぶさに調べた。

11彼らは、自分たちのうちにいますキリストの霊が、キリストの苦難とそれに続く栄光とを、あらかじめあかしした時、それは、いつの時、どんな場合をさしたのかを、調べたのである。

12そして、それらについて調べたのは、自分たちのためではなくて、あなたがたのための奉仕であることを示された。それらの事は、天からつかわされた聖霊に感じて福音をあなたがたに宣べ伝えた人々によって、今や、あなたがたに告げ知らされたのであるが、これは、御使たちも、うかがい見たいと願っている事である。

13それだから、心の腰に帯を締め、身を慎み、イエス・キリストの現れる時に与えられる恵みを、いささかも疑わずに待ち望んでいなさい。

14従順な子供として、無知であった時代の欲情に従わず、

15むしろ、あなたがたを召して下さった聖なるかたにならって、あなたがた自身も、あらゆる行いにおいて聖なる者となりなさい。

16聖書に、「わたしが聖なる者であるから、あなたがたも聖なる者になるべきである」と書いてあるからである。

17あなたがたは、人をそれぞれのしわざに応じて、公平にさばくかたを、父と呼んでいるからには、地上に宿っている間を、おそれの心をもって過ごすべきである。

18あなたがたのよく知っているとおり、あなたがたが先祖伝来の空疎な生活からあがない出されたのは、銀や金のような朽ちる物によったのではなく、

19きずも、しみもない小羊のようなキリストの尊い血によったのである。

20キリストは、天地が造られる前から、あらかじめ知られていたのであるが、この終りの時に至って、あなたがたのために現れたのである。

21あなたがたは、このキリストによって、彼を死人の中からよみがえらせて、栄光をお与えになった神を信じる者となったのであり、したがって、あなたがたの信仰と望みとは、神にかかっているのである。

22あなたがたは、真理に従うことによって、たましいをきよめ、偽りのない兄弟愛をいだくに至ったのであるから、互に心から熱く愛し合いなさい。

23あなたがたが新たに生れたのは、朽ちる種からではなく、朽ちない種から、すなわち、神の変ることのない生ける御言によったのである。

24「人はみな草のごとく、その栄華はみな草の花に似ている。草は枯れ、花は散る。

25しかし、主の言葉は、とこしえに残る」。これが、あなたがたに宣べ伝えられた御言葉である。

鍵となる聖句

3節
ほむべきかな、わたしたちの主イエス・キリストの父なる神。神は、その豊かなあわれみにより、イエス・キリストを死人の中からよみがえらせ、それにより、わたしたちを新たに生れさせて生ける望みをいだかせ、

ペテロは賛美から始めます。神は信者を新しく生まれさせ、生ける望みを与えてくださいました。それが生きているのは、イエス・キリストの復活に基づいているからです。

7節
こうして、あなたがたの信仰はためされて、火で精錬されても朽ちる外はない金よりもはるかに尊いことが明らかにされ、イエス・キリストの現れるとき、さんびと栄光とほまれとに変るであろう。

信仰の試練は、金を練る火にたとえられますが、信仰は金よりも尊いものです。ペテロは苦しみを否定せず、それに意味を与えています。

15-16節
むしろ、あなたがたを召して下さった聖なるかたにならって、あなたがた自身も、あらゆる行いにおいて聖なる者となりなさい。 聖書に、「わたしが聖なる者であるから、あなたがたも聖なる者になるべきである」と書いてあるからである。

聖さへの呼びかけは、神の性質に基づいています。神が聖なので、あなたがたも聖でありなさい。それは、見かけだけでなく、全生活にわたる行いのことです。

18-19節
あなたがたのよく知っているとおり、あなたがたが先祖伝来の空疎な生活からあがない出されたのは、銀や金のような朽ちる物によったのではなく、 きずも、しみもない小羊のようなキリストの尊い血によったのである。

贖いは、金や銀ではなく、キリストの尊い血によって払われました。この節は、信者のアイデンティティを、自分が生み出すものではなく、神が与えてくださったものの上に据えています。

23節
あなたがたが新たに生れたのは、朽ちる種からではなく、朽ちない種から、すなわち、神の変ることのない生ける御言によったのである。

信者は、朽ちない種、すなわち神の生ける言葉によって生まれました。このイメージは、次の章の、御言葉を慕い求めることについての教えを準備しています。

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説教が語っていること

ペテロの第一の手紙1章についてよくある質問

ペテロ第一1章3節の「生ける望み」とはどういう意味ですか

ペテロは、神がその大きなあわれみによって、信者を新しく生まれさせ、生ける望みを与えたと言います。この望みが生きているのは、イエスの復活に基づいており、変わりやすい状況に基づいていないからです。それは天に蓄えられた資産に向かっています。

なぜペテロは信仰を、火で試される金にたとえるのですか

金は火で精錬されますが、ペテロは、試された信仰はさらに価値があると言います。試練が悲しみをもたらすことは認めつつ、そこには目的があると断言します。イエスが現れるとき、信仰が堅固だと認められるためです。

「わたしが聖なる者であるから、あなたがたも聖なる者になるべきである」とはどういう意味ですか

ペテロはレビ記を引用しています。聖であるとは、神のために取り分けられ、すべての行いにおいて神に似ることです。この呼びかけは、恵みの確認のあとに来ます。信者は贖われたので、その応答として聖さを生きるのです。

ペテロ第一1章で、ペテロは誰に宛てて書いていますか

小アジアの複数の地方に散らされ、寄留者と呼ばれているクリスチャンたちに宛てています。彼らは試練を経験しており、ペテロは、選ばれた者としてのアイデンティティと、望みを思い起こさせて励ましています。

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