聖書 — 口語訳 (1955)

伝道の書 12

概要

伝道の書12章は、この書の最後の章です。伝道者は、年老いて死が近づく前の若い日に、造り主を覚えるよう勧め、その衰えを詩的な情景で描きます。そして、いっさいは空であると繰り返し、自分の働きを語ります。結論は書全体の鍵です。神を恐れ、その命令を守りなさい。神はすべてのわざを、隠れた事までもさばかれるからです。

この章の4つの区分

  1. 1-7節悪しき日が来る前に、あなたの造り主を覚えよ
  2. 8節空の空:この書のくり返しの言葉
  3. 9-12節知者の働きと、その言葉の価値
  4. 13-14節結論:神を恐れよ。すべてはさばかれる

1あなたの若い日に、あなたの造り主を覚えよ。悪しき日がきたり、年が寄って、「わたしにはなんの楽しみもない」と言うようにならない前に、

2また日や光や、月や星の暗くならない前に、雨の後にまた雲が帰らないうちに、そのようにせよ。

3その日になると、家を守る者は震え、力ある人はかがみ、ひきこなす女は少ないために休み、窓からのぞく者の目はかすみ、

4町の門は閉ざされる。その時ひきこなす音は低くなり、人は鳥の声によって起きあがり、歌の娘たちは皆、低くされる。

5彼らはまた高いものを恐れる。恐ろしいものが道にあり、あめんどうは花咲き、いなごはその身をひきずり歩き、その欲望は衰え、人が永遠の家に行こうとするので、泣く人が、ちまたを歩きまわる。

6その後、銀のひもは切れ、金の皿は砕け、水がめは泉のかたわらで破れ、車は井戸のかたわらで砕ける。

7ちりは、もとのように土に帰り、霊はこれを授けた神に帰る。

8伝道者は言う、「空の空、いっさいは空である」と。

9さらに伝道者は知恵があるゆえに、知識を民に教えた。彼はよく考え、尋ねきわめ、あまたの箴言をまとめた。

10伝道者は麗しい言葉を得ようとつとめた。また彼は真実の言葉を正しく書きしるした。

11知者の言葉は突き棒のようであり、またよく打った釘のようなものであって、ひとりの牧者から出た言葉が集められたものである。

12わが子よ、これら以外の事にも心を用いよ。多くの書を作れば際限がない。多く学べばからだが疲れる。

13事の帰する所は、すべて言われた。すなわち、神を恐れ、その命令を守れ。これはすべての人の本分である。

14神はすべてのわざ、ならびにすべての隠れた事を善悪ともにさばかれるからである。

鍵となる聖句

1節
あなたの若い日に、あなたの造り主を覚えよ。悪しき日がきたり、年が寄って、「わたしにはなんの楽しみもない」と言うようにならない前に、

この招きは、年老いるのを待ちません。力が衰えてからではなく、元気なうちに神を覚えるのです。ここで覚えるとは、神に向かって人生の向きを定めることです。

7節
ちりは、もとのように土に帰り、霊はこれを授けた神に帰る。

ちりは土に帰り、霊はこれを授けた神に帰ります。この節は創造の物語を受けて、いのちは神から来て神に帰ることを思い起こさせます。

13節
事の帰する所は、すべて言われた。すなわち、神を恐れ、その命令を守れ。これはすべての人の本分である。

ここに、この書全体の教えの結論があります。神を恐れ、その命令を守ることです。恐れとは、信頼に満ちた敬いであり、すべてを正しい場所に置き直します。

14節
神はすべてのわざ、ならびにすべての隠れた事を善悪ともにさばかれるからである。

善も悪も、隠れた事も、神の目から逃れるものはありません。このさばきがあるからこそ、今の人生に重みがあり、私たちの行いには意味があります。

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説教が語っていること

伝道の書12章についてよくある質問

伝道の書12章13節はどういう意味ですか

この節は書全体を要約しています。神を恐れ、その命令を守ることが、すべての人の本分です。働き、楽しみ、知恵を探ったあとで、著者は、神に向かう人生だけに意味があると結論します。ここでの神への恐れは、おびえではなく、信頼に満ちた敬いです。

2節から6節の情景は何を描いていますか

年を取ることと、死が近づくことを描いています。震える家の守り手、かすんでいく目、花咲くあめんどう、切れる銀のひもなどです。一つ一つの意味については解釈が分かれますが、ちりに帰る前に体が弱っていく姿だという点では、だれもが一致しています。

なぜ若い日に造り主を覚えるのですか

時は思うより早く過ぎ、力は衰えていくからです。伝道者は、若さが悪いと言っているのではありません。楽しみがないと言う日々を待つのではなく、最も良い年月を神にささげるよう招いているのです。

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