聖書 — 口語訳 (1955)
申命記 18
概要
モーセは、レビびとの受ける分について定めます。彼らには土地がなく、主ご自身が彼らの嗣業だからです。また、周りの国々の習慣にならうことを禁じます。その代わりに神は、モーセのような預言者を起こすと約束され、人々はその預言者に聞き従わなければなりません。神の名によって語っていない者を見分ける基準も示されます。その言葉が成就しないことです。新約聖書は、約束された預言者をイエスに見ています。
この章の4つの区分
1レビびとである祭司すなわちレビの全部族はイスラエルのうちに、分も嗣業も持たない。彼らは主にささげられる火祭の物と、その他のささげ物とを食べなければならない。
2彼らはその兄弟のうちに嗣業を持たない。かつて彼らに約束されたとおり主が彼らの嗣業である。
3祭司が民から受ける分は次のとおりである。すなわち犠牲をささげる者は、牛でも、羊でも、その肩と、両方のほおと、胃とを祭司に与えなければならない。
4また穀物と、ぶどう酒と、油の初物および羊の毛の初物をも彼に与えなければならない。
5あなたの神、主がすべての部族のうちから彼を選び出して、彼とその子孫を長く主の名によって立って仕えさせられるからである。
6レビびとはイスラエルの全地のうち、どこにいる者でも、彼が宿っている町を出て、主が選ばれる場所に行くならば、
7彼は主の前に立っているすべての兄弟レビびとと同じように、その神、主の名によって仕えることができる。
8彼が食べる分は彼らと同じである。ただし彼はこのほかに父の遺産を売って獲た物を持つことができる。
9あなたの神、主が賜わる地にはいったならば、その国々の民の憎むべき事を習いおこなってはならない。
10あなたがたのうちに、自分のむすこ、娘を火に焼いてささげる者があってはならない。また占いをする者、卜者、易者、魔法使、
11呪文を唱える者、口寄せ、かんなぎ、死人に問うことをする者があってはならない。
12主はすべてこれらの事をする者を憎まれるからである。そしてこれらの憎むべき事のゆえにあなたの神、主は彼らをあなたの前から追い払われるのである。
13あなたの神、主の前にあなたは全き者でなければならない。
14あなたが追い払うかの国々の民は卜者、占いをする者に聞き従うからである。しかし、あなたには、あなたの神、主はそうする事を許されない。
15あなたの神、主はあなたのうちから、あなたの同胞のうちから、わたしのようなひとりの預言者をあなたのために起されるであろう。あなたがたは彼に聞き従わなければならない。
16これはあなたが集会の日にホレブであなたの神、主に求めたことである。すなわちあなたは『わたしが死ぬことのないようにわたしの神、主の声を二度とわたしに聞かせないでください。またこの大いなる火を二度と見させないでください』と言った。
17主はわたしに言われた、『彼らが言ったことは正しい。
18わたしは彼らの同胞のうちから、おまえのようなひとりの預言者を彼らのために起して、わたしの言葉をその口に授けよう。彼はわたしが命じることを、ことごとく彼らに告げるであろう。
19彼がわたしの名によって、わたしの言葉を語るのに、もしこれに聞き従わない者があるならば、わたしはそれを罰するであろう。
20ただし預言者が、わたしが語れと命じないことを、わたしの名によってほしいままに語り、あるいは他の神々の名によって語るならば、その預言者は殺さなければならない』。
21あなたは心のうちに『われわれは、その言葉が主の言われたものでないと、どうして知り得ようか』と言うであろう。
22もし預言者があって、主の名によって語っても、その言葉が成就せず、またその事が起らない時は、それは主が語られた言葉ではなく、その預言者がほしいままに語ったのである。その預言者を恐れるに及ばない。
鍵となる聖句
彼らはその兄弟のうちに嗣業を持たない。かつて彼らに約束されたとおり主が彼らの嗣業である。
レビびとには土地の分け前がなく、主ご自身が彼らの嗣業です。神に仕える者にとって最も大きな富は神ご自身である、という考えがここに示されています。
あなたの神、主はあなたのうちから、あなたの同胞のうちから、わたしのようなひとりの預言者をあなたのために起されるであろう。あなたがたは彼に聞き従わなければならない。
モーセは、神が同胞のうちから自分のような預言者を起こされること、そしてその預言者に聞き従わなければならないことを告げます。キリスト者はここにイエスを見ており、新約聖書の複数の箇所がこの節を指しています。
わたしは彼らの同胞のうちから、おまえのようなひとりの預言者を彼らのために起して、わたしの言葉をその口に授けよう。彼はわたしが命じることを、ことごとく彼らに告げるであろう。
神はご自分の言葉をこの預言者の口に授け、預言者は神が命じることをことごとく告げます。これが真の預言の特徴です。その言葉は預言者からではなく、神から出ているのです。
もし預言者があって、主の名によって語っても、その言葉が成就せず、またその事が起らない時は、それは主が語られた言葉ではなく、その預言者がほしいままに語ったのである。その預言者を恐れるに及ばない。
実際的な見分け方です。預言者の語ることが起こらないなら、神は語られておらず、その預言者を恐れるには及びません。基準は簡素ですが、見分ける力が求められます。
説教が語っていること
申命記18章についてよくある質問
申命記18章15節で告げられている預言者とは誰ですか
モーセは、神が自分のような預言者を起こされると告げます。ユダヤ教ではこれを預言者たちの系譜と見てきましたが、新約聖書は、特にヨハネの福音書6章や使徒行伝で、これをイエスに当てはめています。キリスト教の諸伝統はこの預言者をキリストと見る点で一致していますが、本文がまず当時のイスラエルの人々に語られていることも認めています。
申命記18章によると、偽預言者はどう見分けますか
この章は二つの基準を示します。他の神々の名によって語ること、または、主の名によって語ったことが成就しないことです。その場合、神は語っておられず、恐れる必要はありません。新約聖書は、キリストと御言葉への忠実さなど、さらに別の目安も加えています。
なぜレビびとには土地がなかったのですか
神ご自身が彼らの嗣業だったからです。聖所での奉仕にささげられた彼らは、民の供え物や初物によって生活しました。この仕組みによって、彼らは土地の仕事に追われず、神への奉仕と教えに専念することができました。
申命記 18を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。