聖書 — 口語訳 (1955)

ヘブル人への手紙 1

概要

ヘブル人への手紙は前置きなしに始まります。神は昔は預言者たちによって語られましたが、この終わりの時には御子によって語られました。著者は御子を、万物の相続者、創造者、神の栄光の輝き、神の本質の真の姿として示し、罪のきよめをなし終えて、神の右に座につかれたと語ります。続いて、聖書からの数々の引用によって、御子が御使たちにまさることを示します。御使たちは、救いを受け継ぐ人々に仕える霊です。

この章の4つの区分

  1. 1-4節神は御子によって語られた、すべてにまさる方
  2. 5-6節御使たちが拝する御子
  3. 7-12節永遠の御座、変わることのない創造者
  4. 13-14節右に座す御子と、仕える御使たち

1神は、むかしは、預言者たちにより、いろいろな時に、いろいろな方法で、先祖たちに語られたが、

2この終りの時には、御子によって、わたしたちに語られたのである。神は御子を万物の相続者と定め、また、御子によって、もろもろの世界を造られた。

3御子は神の栄光の輝きであり、神の本質の真の姿であって、その力ある言葉をもって万物を保っておられる。そして罪のきよめのわざをなし終えてから、いと高き所にいます大能者の右に、座につかれたのである。

4御子は、その受け継がれた名が御使たちの名にまさっているので、彼らよりもすぐれた者となられた。

5いったい、神は御使たちのだれに対して、「あなたこそは、わたしの子。きょう、わたしはあなたを生んだ」と言い、さらにまた、「わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となるであろう」と言われたことがあるか。

6さらにまた、神は、その長子を世界に導き入れるに当って、「神の御使たちはことごとく、彼を拝すべきである」と言われた。

7また、御使たちについては、「神は、御使たちを風とし、ご自分に仕える者たちを炎とされる」と言われているが、

8御子については、「神よ、あなたの御座は、世々限りなく続き、あなたの支配のつえは、公平のつえである。

9あなたは義を愛し、不法を憎まれた。それゆえに、神、あなたの神は、喜びのあぶらを、あなたの友に注ぐよりも多く、あなたに注がれた」と言い、

10さらに、「主よ、あなたは初めに、地の基をおすえになった。もろもろの天も、み手のわざである。

11これらのものは滅びてしまうが、あなたは、いつまでもいますかたである。すべてのものは衣のように古び、

12それらをあなたは、外套のように巻かれる。これらのものは、衣のように変るが、あなたは、いつも変ることがなく、あなたのよわいは、尽きることがない」とも言われている。

13神は、御使たちのだれに対して、「あなたの敵を、あなたの足台とするときまでは、わたしの右に座していなさい」と言われたことがあるか。

14御使たちはすべて仕える霊であって、救を受け継ぐべき人々に奉仕するため、つかわされたものではないか。

鍵となる聖句

1-2節
神は、むかしは、預言者たちにより、いろいろな時に、いろいろな方法で、先祖たちに語られたが、 この終りの時には、御子によって、わたしたちに語られたのである。神は御子を万物の相続者と定め、また、御子によって、もろもろの世界を造られた。

この箇所は、預言者たちの部分的なメッセージと、御子による神の決定的なことばを対比させます。イエスは預言者の一人ではなく、啓示の到達点です。

3節
御子は神の栄光の輝きであり、神の本質の真の姿であって、その力ある言葉をもって万物を保っておられる。そして罪のきよめのわざをなし終えてから、いと高き所にいます大能者の右に、座につかれたのである。

この節は御子を、神の栄光の輝きであり、神の本質の真の姿であって、力ある言葉をもって万物を保っておられる方と描きます。罪のきよめをなし終え、神の右に座につかれました。

4節
御子は、その受け継がれた名が御使たちの名にまさっているので、彼らよりもすぐれた者となられた。

この節は、手紙全体を貫く考えを導入します。御子はまさっておられる、ここでは御使たちにまさっておられるということです。これが手紙の導きの糸となり、のちにイエスをモーセ、祭司、いけにえと比べていきます。

14節
御使たちはすべて仕える霊であって、救を受け継ぐべき人々に奉仕するため、つかわされたものではないか。

御使たちは神に仕える霊であり、救いを受け継ぐ人々のために遣わされると示されます。彼らの役割は奉仕であり、統べ治めておられる御子とは異なります。

説教が語っていること

ヘブル人への手紙1章についてよくある質問

ヘブル人への手紙1章3節の「神の栄光の輝きであり、神の本質の真の姿」とはどういう意味ですか

この節は、御子が神の栄光を目に見えるものとし、印章の刻印が印章を写すように、神の本質をそのまま帯びておられると語っています。クリスチャンはここに、イエスを見る者は神の御性質を見るのだと読みます。さらにこの節は、御子が万物を保ち、罪のきよめをなし終えられたと付け加えています。

なぜヘブル人への手紙の著者はイエスを御使たちと比べるのですか

読者はユダヤ人の背景を持つ信者で、彼らにとって御使は律法を授けた高い存在でした。著者は数々の引用によって、御子が別の次元の方であることを示します。御子は御使たちに拝され、永遠の御座を治めておられますが、御使たちは仕える者です。

ヘブル人への手紙はだれが書いたのですか

聖書は著者の名を記していません。パウロ、バルナバ、アポロなど、何世紀にもわたり名前が挙げられてきましたが、クリスチャンの間で意見は一致していません。ただし、そのギリシア語の質の高さと、キリストのすぐれた方であることを語るメッセージの力は、だれもが認めています。

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