聖書 — 口語訳 (1955)

出エジプト記 1

概要

出エジプト記1章は、創世記とエジプト脱出をつなぐ章です。ヤコブの子孫七十人は増え広がり、国に満ちるほどになりました。ヨセフを知らない新しいファラオはこの民を恐れ、きびしい労働で苦しめます。しかし苦しめれば苦しめるほど、民は増えていきます。ファラオはヘブライ人の助産婦たちに、男の子を生まれたときに殺すよう命じますが、彼女たちは神を恐れて従いません。ついにファラオは、男の子をすべてナイル川に投げ込むよう命じます。解放者が現れる舞台が整ったのです。

この章の4つの区分

  1. 1-7節ヤコブの家族から大きな民へ
  2. 8-14節新しいファラオと厳しい奴隷の労働
  3. 15-21節神を恐れる助産婦たち
  4. 22節男の子を川に投げ込めという命令

1さて、ヤコブと共に、おのおのその家族を伴って、エジプトへ行ったイスラエルの子らの名は次のとおりである。

2すなわちルベン、シメオン、レビ、ユダ、

3イッサカル、ゼブルン、ベニヤミン、

4ダン、ナフタリ、ガド、アセルであった。

5ヤコブの腰から出たものは、合わせて七十人。ヨセフはすでにエジプトにいた。

6そして、ヨセフは死に、兄弟たちも、その時代の人々もみな死んだ。

7けれどもイスラエルの子孫は多くの子を生み、ますますふえ、はなはだ強くなって、国に満ちるようになった。

8ここに、ヨセフのことを知らない新しい王が、エジプトに起った。

9彼はその民に言った、「見よ、イスラエルびとなるこの民は、われわれにとって、あまりにも多く、また強すぎる。

10さあ、われわれは、抜かりなく彼らを取り扱おう。彼らが多くなり、戦いの起るとき、敵に味方して、われわれと戦い、ついにこの国から逃げ去ることのないようにしよう」。

11そこでエジプトびとは彼らの上に監督をおき、重い労役をもって彼らを苦しめた。彼らはパロのために倉庫の町ピトムとラメセスを建てた。

12しかしイスラエルの人々が苦しめられるにしたがって、いよいよふえひろがるので、彼らはイスラエルの人々のゆえに恐れをなした。

13エジプトびとはイスラエルの人々をきびしく使い、

14つらい務をもってその生活を苦しめた。すなわち、しっくいこね、れんが作り、および田畑のあらゆる務に当らせたが、そのすべての労役はきびしかった。

15またエジプトの王は、ヘブルの女のために取上げをする助産婦でひとりは名をシフラといい、他のひとりは名をプアという者にさとして、

16言った、「ヘブルの女のために助産をするとき、産み台の上を見て、もし男の子ならばそれを殺し、女の子ならば生かしておきなさい」。

17しかし助産婦たちは神をおそれ、エジプトの王が彼らに命じたようにはせず、男の子を生かしておいた。

18エジプトの王は助産婦たちを召して言った、「あなたがたはなぜこのようなことをして、男の子を生かしておいたのか」。

19助産婦たちはパロに言った、「ヘブルの女はエジプトの女とは違い、彼女たちは健やかで助産婦が行く前に産んでしまいます」。

20それで神は助産婦たちに恵みをほどこされた。そして民はふえ、非常に強くなった。

21助産婦たちは神をおそれたので、神は彼女たちの家を栄えさせられた。

22そこでパロはそのすべての民に命じて言った、「ヘブルびとに男の子が生れたならば、みなナイル川に投げこめ。しかし女の子はみな生かしておけ」。

鍵となる聖句

8節
ここに、ヨセフのことを知らない新しい王が、エジプトに起った。

ヨセフを知らない新しい王が立ちます。過去を忘れることが、抑圧への扉を開きます。本文は、その王の名前すら記していません。

12節
しかしイスラエルの人々が苦しめられるにしたがって、いよいよふえひろがるので、彼らはイスラエルの人々のゆえに恐れをなした。

民が苦しめられるほど、民は増えていきます。抑圧する者の計画は、意図とは逆の結果を生みました。多くの人は、これを神が約束に忠実であられるしるしと読みます。

17節
しかし助産婦たちは神をおそれ、エジプトの王が彼らに命じたようにはせず、男の子を生かしておいた。

助産婦たちは神を恐れ、エジプトの王が命じたとおりにはしませんでした。彼女たちの拒否は、目立たないけれども道徳的な、勇気ある行いです。

21節
助産婦たちは神をおそれたので、神は彼女たちの家を栄えさせられた。

助産婦たちが神を恐れたので、神は彼女たちの家を栄えさせられます。本文は、神を恐れることと具体的な祝福を結びつけていますが、それを自動的な規則とはしていません。

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説教が語っていること

出エジプト記1章についてよくある質問

出エジプト記1章の要約を教えてください

出エジプト記1章は、エジプトで増え広がったヤコブの民が、彼らを恐れる新しいファラオによって奴隷にされる様子を語ります。苦役にもかかわらず、民は増えていきます。助産婦たちは男の子を殺すことを拒み、ファラオは男の子を川に投げ込むよう命じます。この章は、モーセの誕生への備えとなっています。

なぜ助産婦たちはファラオに従わなかったのですか

本文は、彼女たちが神を恐れたからだと述べます。生まれたばかりの赤ちゃんを殺せという命令は、神のみこころに反すると考えたのです。彼女たちは王よりも神に従い、本文は神が彼女たちに良くしてくださったと記します。19節の彼女たちの弁明については議論がありますが、その勇気は称賛されています。

なぜ新しいファラオはイスラエル人を恐れたのですか

彼は、エジプト人よりも数が多く強い民を見て、戦争になれば敵に加わるのではないかと恐れました。8節はまた、彼がヨセフを知らなかったと述べます。つまり、ヨセフがエジプトのためにしたことを知らないか、忘れていたということです。

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