聖書 — 口語訳 (1955)
民数記 24
概要
民数記24章は、バラムの物語の結末です。バラムは、モアブの王バラクに招かれ、イスラエルをのろうために来ました。神がご自分の民を祝福しようとしておられることを悟ると、魔術を求めることをやめ、神の霊が彼に臨みます。彼はイスラエルの宿営の麗しさをたたえ、その力を告げ、あなたを祝福する者は祝福されると語ります。バラクは怒ります。バラムはさらに将来についての託宣を述べ、ヤコブから出る星を告げます。そして、それぞれ自分のところへ帰っていきます。クリスチャンはここに、メシヤの告知を読みます。
この章の5つの区分
1バラムはイスラエルを祝福することが主の心にかなうのを見たので、今度はいつものように行って魔術を求めることをせず、顔を荒野にむけ、
2目を上げて、イスラエルがそれぞれ部族にしたがって宿営しているのを見た。その時、神の霊が臨んだので、
3彼はこの託宣を述べた。「ベオルの子バラムの言葉、目を閉じた人の言葉、
4神の言葉を聞く者、全能者の幻を見る者、倒れ伏して、目の開かれた者の言葉。
5ヤコブよ、あなたの天幕は麗しい、イスラエルよ、あなたのすまいは、麗しい。
6それは遠くひろがる谷々のよう、川べの園のよう、主が植えられた沈香樹のよう、流れのほとりの香柏のようだ。
7水は彼らのかめからあふれ、彼らの種は水の潤いに育つであろう。彼らの王はアガグよりも高くなり、彼らの国はあがめられるであろう。
8神は彼らをエジプトから導き出された、彼らは野牛の角のようだ。彼らは敵なる国々の民を滅ぼし、その骨を砕き、矢をもって突き通すであろう。
9彼らは雄じしのように身をかがめ、雌じしのように伏している。だれが彼らを起しえよう。あなたを祝福する者は祝福され、あなたをのろう者はのろわれるであろう」。
10そこでバラクはバラムにむかって怒りを発し、手を打ち鳴らした。そしてバラクはバラムに言った、「敵をのろうために招いたのに、あなたはかえって三度までも彼らを祝福した。
11それで今あなたは急いで自分のところへ帰ってください。わたしはあなたを大いに優遇しようと思った。しかし、主はその優遇をあなたに得させないようにされました」。
12バラムはバラクに言った、「わたしはあなたがつかわされた使者たちに言ったではありませんか、
13『たといバラクがその家に満ちるほどの金銀をわたしに与えようとも、主の言葉を越えて心のままに善も悪も行うことはできません。わたしは主の言われることを述べるだけです』。
14わたしは今わたしの民のところへ帰って行きます。それでわたしはこの民が後の日にあなたの民にどんなことをするかをお知らせしましょう」。
15そしてこの託宣を述べた。「ベオルの子バラムの言葉、目を閉じた人の言葉。
16神の言葉を聞く者、いと高き者の知識をもつ者、全能者の幻を見、倒れ伏して、目の開かれた者の言葉。
17わたしは彼を見る、しかし今ではない。わたしは彼を望み見る、しかし近くではない。ヤコブから一つの星が出、イスラエルから一本のつえが起り、モアブのこめかみと、セツのすべての子らの脳天を撃つであろう。
18敵のエドムは領地となり、セイルもまた領地となるであろう。そしてイスラエルは勝利を得るであろう。
19権を執る者がヤコブから出、生き残った者を町から断ち滅ぼすであろう」。
20バラムはまたアマレクを望み見て、この託宣を述べた。「アマレクは諸国民のうちの最初のもの、しかし、ついに滅び去るであろう」。
21またケニびとを望み見てこの託宣を述べた。「お前のすみかは堅固だ、岩に、お前は巣をつくっている。
22しかし、カインは滅ぼされるであろう。アシュルはいつまでお前を捕虜とするであろうか」。
23彼はまたこの託宣を述べた。「ああ、神が定められた以上、だれが生き延びることができよう。
24キッテムの海岸から舟がきて、アシュルを攻めなやまし、エベルを攻めなやますであろう。そして彼もまたついに滅び去るであろう」。
25こうしてバラムは立ち上がって、自分のところへ帰っていった。バラクもまた立ち去った。
鍵となる聖句
バラムはイスラエルを祝福することが主の心にかなうのを見たので、今度はいつものように行って魔術を求めることをせず、顔を荒野にむけ、 目を上げて、イスラエルがそれぞれ部族にしたがって宿営しているのを見た。その時、神の霊が臨んだので、
バラムは、神がイスラエルを祝福することを良しとされるのを見て、占いの実践をやめます。すると神の霊が彼に臨みます。外国の占い師が、自分のものではない言葉の代弁者となるのです。
ヤコブよ、あなたの天幕は麗しい、イスラエルよ、あなたのすまいは、麗しい。
民はつい先ほど不平を言い、罪を犯したばかりなのに、イスラエルの天幕は麗しいと言われます。神は、ご自分の民を、その弱さではなく、結ばれた契約を通して見ておられます。
彼らは雄じしのように身をかがめ、雌じしのように伏している。だれが彼らを起しえよう。あなたを祝福する者は祝福され、あなたをのろう者はのろわれるであろう」。
この節は、アブラハムに与えられた約束を繰り返しています。イスラエルを祝福する者は祝福され、のろう者はのろわれる。しかもこの言葉は、のろうために雇われた人の口から語られています。
わたしは彼を見る、しかし今ではない。わたしは彼を望み見る、しかし近くではない。ヤコブから一つの星が出、イスラエルから一本のつえが起り、モアブのこめかみと、セツのすべての子らの脳天を撃つであろう。
ヤコブから星が出て、イスラエルからつえが起こります。本文は、来たるべき王を告げています。初期のクリスチャンはここにメシヤを見、伝統はこの星を、東方の博士たちの星と結びつけてきました。
この章に登場する人物
このテーマで祈る
説教が語っていること
民数記24章についてよくある質問
民数記24章17節の「ヤコブから一つの星が出」とは、だれのことですか
バラムは、ヤコブから出る星と、イスラエルから起こるつえ、つまり王を告げます。多くのユダヤ人とクリスチャンにとって、それはまずダビデであり、クリスチャンにとってはさらにメシヤであるイエス・キリストです。伝統は、この節をマタイの福音書2章で博士たちが追った星とも結びつけます。
なぜバラムはイスラエルをのろわずに祝福するのですか
モアブの王バラクは、イスラエルをのろわせるためにバラムを雇いました。しかしバラムは、神が口に置かれる言葉しか語れません。神がイスラエルを祝福しようとしておられることを悟り、魔術をやめると、神の霊が彼に臨みます。その結果は祝福となり、バラクは大いに悔しがります。
民数記24章9節の「あなたを祝福する者は祝福され」とはどういう意味ですか
この節は、創世記12章でアブラハムに与えられた約束を繰り返し、神がご自分の選ばれた民を守られることを示します。クリスチャンの読者は、この約束を、神のみわざに逆らって立たないようにとの招きと受け取りますが、物質的な祝福を自動的にもたらす規則とはしません。
民数記 24を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。