聖書 — 口語訳 (1955)
士師記 7
概要
士師記7章で、ギデオンはミデアンの軍勢を前に陣を敷きますが、神はその軍勢が多すぎるとされます。ギデオンはまず恐れている者たちを帰らせ、次に水のほとりで、三百人だけを残します。敵の陣で聞いた夢に励まされ、彼は兵を三組に分け、ラッパ、つぼ、たいまつを持たせます。合図とともに、ミデアンの陣は混乱し、同士討ちを始めます。この章は、勝利は数ではなく神から来ることを示しています。
この章の4つの区分
1さてエルバアルと呼ばれるギデオンおよび彼と共にいたすべての民は朝早く起き、ハロデの泉のほとりに陣を取った。ミデアンびとの陣は彼らの北の方にあり、モレの丘に沿って谷の中にあった。
2主はギデオンに言われた、「あなたと共におる民はあまりに多い。ゆえにわたしは彼らの手にミデアンびとをわたさない。おそらくイスラエルはわたしに向かってみずから誇り、『わたしは自身の手で自分を救ったのだ』と言うであろう。
3それゆえ、民の耳に触れ示して、『だれでも恐れおののく者は帰れ』と言いなさい」。こうしてギデオンは彼らを試みたので、民のうち帰った者は二万二千人あり、残った者は一万人であった。
4主はまたギデオンに言われた、「民はまだ多い。彼らを導いて水ぎわに下りなさい。わたしはそこで、あなたのために彼らを試みよう。わたしがあなたに告げて『この人はあなたと共に行くべきだ』と言う者は、あなたと共に行くべきである。またわたしがあなたに告げて『この人はあなたと共に行ってはならない』と言う者は、だれも行ってはならない」。
5そこでギデオンが民を導いて水ぎわに下ると、主は彼に言われた、「すべて犬のなめるように舌をもって水をなめる者はそれを別にしておきなさい。またすべてひざを折り、かがんで水を飲む者もそうしなさい」。
6そして手を口にあてて水をなめた者の数は三百人であった。残りの民はみなひざを折り、かがんで水を飲んだ。
7主はギデオンに言われた、「わたしは水をなめた三百人の者をもって、あなたがたを救い、ミデアンびとをあなたの手にわたそう。残りの民はおのおのその家に帰らせなさい」。
8そこで彼はかの三百人を留めおき、残りのイスラエルびとの手から、つぼとラッパを取り、民をおのおのその天幕に帰らせた。時にミデアンびとの陣は下の谷の中にあった。
9その夜、主はギデオンに言われた、「立てよ、下っていって敵陣に攻め入れ。わたしはそれをあなたの手にわたす。
10もしあなたが下って行くことを恐れるならば、あなたのしもべプラと共に敵陣に下っていって、
11彼らの言うところを聞け。そうすればあなたの手が強くなって、敵陣に攻め下ることができるであろう」。ギデオンがしもべプラと共に下って、敵陣にある兵隊たちの前哨地点に行ってみると、
12ミデアンびと、アマレクびとおよびすべての東方の民はいなごのように数多く谷に沿って伏していた。そのらくだは海べの砂のように多くて数えきれなかった。
13ギデオンがそこへ行ったとき、ある人がその仲間に夢を語っていた。その人は言った、「わたしは夢を見た。大麦のパン一つがミデアンの陣中にころがってきて、天幕に達し、それを打ち倒し、くつがえしたので、天幕は倒れ伏した」。
14仲間は答えて言った、「それはイスラエルの人、ヨアシの子ギデオンのつるぎにちがいない。神はミデアンとすべての軍勢を彼の手にわたされるのだ」。
15ギデオンは夢の物語とその解き明かしとを聞いたので、礼拝し、イスラエルの陣営に帰り、そして言った、「立てよ、主はミデアンの軍勢をあなたがたの手にわたされる」。
16そして彼は三百人を三組に分け、手に手にラッパと、からつぼとを取らせ、つぼの中にたいまつをともさせ、
17彼らに言った、「わたしを見て、わたしのするようにしなさい。わたしが敵陣のはずれに達したとき、あなたがたもわたしのするようにしなさい。
18わたしと共におる者がみなラッパを吹くと、あなたがたもまたすべての陣営の四方でラッパを吹き、『主のためだ、ギデオンのためだ』と言いなさい」。
19こうしてギデオンと、彼と共にいた百人の者が、中更の初めに敵陣のはずれに行ってみると、ちょうど番兵を交代した時であったので、彼らはラッパを吹き、手に携えていたつぼを打ち砕いた。
20すなわち三組の者がラッパを吹き、つぼを打ち砕き、左の手にはたいまつをとり、右の手にはラッパを持ってそれを吹き、「主のためのつるぎ、ギデオンのためのつるぎ」と叫んだ。
21そしておのおのその持ち場に立ち、敵陣を取り囲んだので、敵軍はみな走り、大声をあげて逃げ去った。
22三百人のものがラッパを吹くと、主は敵軍をしてみな互に同志打ちさせられたので、敵軍はゼレラの方、ベテシッタおよびアベルメホラの境、タバテの近くまで逃げ去った。
23イスラエルの人々はナフタリ、アセルおよび全マナセから集まってきて、ミデアンびとを追撃した。
24ギデオンは使者をあまねくエフライムの山地につかわし、「下ってきて、ミデアンびとを攻め、ベタバラに至るまでの流れを取り、またヨルダンをも取れ」と言わせた。そこでエフライムの人々はみな集まってきて、ベタバラに至るまでの流れを取り、またヨルダンをも取った。
25彼らはまたミデアンびとのふたりの君オレブとゼエブを捕え、オレブをオレブ岩のほとりで殺し、ゼエブをゼエブの酒ぶねのほとりで殺した。またミデアンびとを追撃し、オレブとゼエブの首を携えてヨルダンの向こうのギデオンのもとへ行った。
鍵となる聖句
主はギデオンに言われた、「あなたと共におる民はあまりに多い。ゆえにわたしは彼らの手にミデアンびとをわたさない。おそらくイスラエルはわたしに向かってみずから誇り、『わたしは自身の手で自分を救ったのだ』と言うであろう。
神は、軍勢を減らす理由を語られます。大きな軍勢では、勝利を自分の手柄にするかもしれないからです。人の力を減らすことで、救いが神のみわざであると認められるようにされます。
主はギデオンに言われた、「わたしは水をなめた三百人の者をもって、あなたがたを救い、ミデアンびとをあなたの手にわたそう。残りの民はおのおのその家に帰らせなさい」。
神は、三百人の者によってイスラエルを救うと告げられます。水ぎわでの選別の基準については議論がありますが、メッセージは明らかです。勝利は人数の力によりません。
彼らの言うところを聞け。そうすればあなたの手が強くなって、敵陣に攻め下ることができるであろう」。ギデオンがしもべプラと共に下って、敵陣にある兵隊たちの前哨地点に行ってみると、
神は、ギデオンに、従者プラとともに敵の陣へ下るよう勧め、その手が強められると告げられます。神は、ギデオンに行動を求める前に、その信仰を築いておられます。
仲間は答えて言った、「それはイスラエルの人、ヨアシの子ギデオンのつるぎにちがいない。神はミデアンとすべての軍勢を彼の手にわたされるのだ」。
ミデアンの兵士が、自分の見た夢をギデオンの勝利と解き明かします。神は、敵の声さえ用いて、ご自分のしもべを力づけられます。
すなわち三組の者がラッパを吹き、つぼを打ち砕き、左の手にはたいまつをとり、右の手にはラッパを持ってそれを吹き、「主のためのつるぎ、ギデオンのためのつるぎ」と叫んだ。
兵たちはつぼを打ち砕き、たいまつを掲げ、ラッパを吹きます。この作戦は、通常のどんな軍略にも似ておらず、神が思いがけない方法で働かれることを示しています。
この章に登場する人物
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説教が語っていること
士師記7章についてよくある質問
なぜ神は、ギデオンの軍勢を三百人に減らされたのですか。
神ご自身が2節で語っておられます。イスラエルが大軍で勝てば、民は自分の手柄にするかもしれません。手段を減らすことで、勝利が神から来たことを明らかにされます。この原則は聖書全体に出てきます。パウロは、神の力は弱さの中に完全に現れると要約しています。
士師記7章5節から6節の水の試しは何を意味しますか。
神は、手に水をすくってなめる者を残し、ひざを折って水を飲む者を退けられます。本文は、正確な理由を述べていません。警戒心のしるしと見る人もいれば、勝利が神からしか来ないように、少数だけを残すための手段にすぎないと見る人もいます。
なぜギデオンは、プラとともにミデアンの陣へ下ったのですか。
神は、恐れがあるなら、敵の話すことを聞きに行くよう勧められました。それは、ギデオンの手が強められるためです。ギデオンは夢とその解き明かしを聞き、ひれ伏し、戻って兵たちを励まします。この出来事は、神がギデオンの恐れに忍耐し、さらなるしるしを与えられたことを示しています。
なぜラッパ、つぼ、たいまつなのですか。
ギデオンは剣で攻めませんでした。三百人の兵が陣を取り囲み、つぼを打ち砕き、たいまつを掲げ、ラッパを吹きます。「主のためのつるぎ、ギデオンのためのつるぎ」と叫ぶと、ミデアンの陣は混乱し、同士討ちを始めます。この出来事は、神が、人間のどんな戦略にも似ていない方法で働かれることを示しています。
士師記 7を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。