聖書 — 口語訳 (1955)

イザヤ書 14

概要

主はヤコブをあわれみ、再び立て直されます。そのときイスラエルは、バビロンの王の没落を歌います。この暴君はいと高き者のようになろうとして、穴に落とされました。多くのキリスト者は、この王に神に敵対する者の姿も見ますが、歴史上の王にとどめて読む人もいます。章はバビロンの滅びを告げ、主がシオンを築かれ、その中で苦しむ者が避け所を見いだすと結ばれます。

この章の4つの区分

  1. 1-8節神はヤコブをあわれまれ、暴君の没落が歌われる
  2. 9-21節陰府は高ぶる王を迎え、王は穴に落とされる
  3. 22-27節バビロンは滅ぼされ、主の計画は成し遂げられる
  4. 28-32節ペリシテへの託宣と、シオンの避け所

1主はヤコブをあわれみ、イスラエルを再び選んで、これをおのれの地に置かれる。異邦人はこれに加わって、ヤコブの家に結びつらなり、

2もろもろの民は彼らを連れてその所に導いて来る。そしてイスラエルの家は、主の地で彼らを男女の奴隷とし、さきに自分たちを捕虜にした者を捕虜にし、自分たちをしえたげた者を治める。

3主があなたの苦労と不安とを除き、またあなたが服した苦役を除いて、安息をお与えになるとき、

4あなたはこのあざけりの歌をとなえ、バビロンの王をののしって言う、「あの、しえたげる者は全く絶えてしまった。あの、おごる者は全く絶えてしまった。

5主は悪い者のつえと、つかさびとの笏を折られた。

6彼らは憤りをもってもろもろの民を 絶えず撃っては打ち、怒りをもってもろもろの国を治めても、そのしえたげをとどめる者がなかった。

7全地はやすみを得、穏やかになり、ことごとく声をあげて歌う。

8いとすぎおよびレバノンの香柏でさえも あなたのゆえに喜んで言う、『あなたはすでに倒れたので、もはや、きこりが上ってきて、われわれを攻めることはない』。

9下の陰府はあなたのために動いて、あなたの来るのを迎え、地のもろもろの指導者たちの亡霊を あなたのために起し、国々のもろもろの王を その王座から立ちあがらせる。

10彼らは皆あなたに告げて言う、『あなたもまたわれわれのように弱くなった、あなたもわれわれと同じようになった』。

11あなたの栄華とあなたの琴の音は 陰府に落ちてしまった。うじはあなたの下に敷かれ、みみずはあなたをおおっている。

12黎明の子、明けの明星よ、あなたは天から落ちてしまった。もろもろの国を倒した者よ、あなたは切られて地に倒れてしまった。

13あなたはさきに心のうちに言った、『わたしは天にのぼり、わたしの王座を高く神の星の上におき、北の果なる集会の山に座し、

14雲のいただきにのぼり、いと高き者のようになろう』。

15しかしあなたは陰府に落され、穴の奥底に入れられる。

16あなたを見る者はつくづくあなたを見、あなたに目をとめて言う、『この人は地を震わせ、国々を動かし、

17世界を荒野のようにし、その都市をこわし、捕えた者をその家に 解き帰さなかった者であるのか』。

18もろもろの国の王たちは皆 尊いさまで、自分の墓に眠る。

19しかしあなたは忌みきらわれる月足らぬ子のように 墓のそとに捨てられ、つるぎで刺し殺された者でおおわれ、踏みつけられる死体のように穴の石に下る。

20あなたは自分の国を滅ぼし、自分の民を殺したために、彼らと共に葬られることはない。どうか、悪を行う者の子孫は とこしえに名を呼ばれることのないように。

21先祖のよこしまのゆえに、その子孫のためにほふり場を備えよ。これは彼らが起って地を取り、世界のおもてに町々を 満たすことのないためである」。

22万軍の主は言われる、「わたしは立って彼らを攻め、バビロンからその名と、残れる者、その子と孫とを断ち滅ぼす、と主は言う。

23わたしはこれをはりねずみのすみかとし、水の池とし、滅びのほうきをもって、これを払い除く、と万軍の主は言う」。

24万軍の主は誓って言われる、「わたしが思ったように必ず成り、わたしが定めたように必ず立つ。

25わたしはアッスリヤびとをわが地で打ち破り、わが山々で彼を踏みにじる。こうして彼が置いたくびきは イスラエルびとから離れ、彼が負わせた重荷は イスラエルびとの肩から離れる」。

26これは全地について定められた計画である。これは国々の上に伸ばされた手である。

27万軍の主が定められるとき、だれがそれを取り消すことができるのか。その手を伸ばされるとき、だれがそれを引きもどすことができるのか。

28アハズ王の死んだ年にこの託宣があった、

29「ペリシテの全地よ、あなたを打ったむちが 折られたことを喜んではならない。へびの根からまむしが出、その実は飛びかけるへびとなるからだ。

30いと貧しい者は食を得、乏しい者は安らかに伏す。しかし、わたしはききんをもって あなたの子孫を殺し、あなたの残れる者を滅ぼす。

31門よ、泣きわめけ。町よ、叫べ。ペリシテの全地よ、恐れのあまり消えうせよ、北から煙が来るからだ。その隊列からは、ひとりも脱落する者はない」。

32その国の使者たちになんと答えようか。「主はシオンの基をおかれた、その民の苦しむ者は この中に避け所を得る」と答えよ。

鍵となる聖句

1節
主はヤコブをあわれみ、イスラエルを再び選んで、これをおのれの地に置かれる。異邦人はこれに加わって、ヤコブの家に結びつらなり、

あらゆるさばきに先立って、神はヤコブへのあわれみを思い起こされます。主は今もイスラエルを選んでおられます。この章の続きは、この真実さに照らして読むものです。

15節
しかしあなたは陰府に落され、穴の奥底に入れられる。

いと高き者のようになろうとした王は、陰府に落とされ、穴の奥底に入れられます。本文がまず指すのはバビロンの王ですが、キリスト教の伝統では、高ぶりによるサタンの転落もそこに読み取ることが多く、この点は議論があります。

24節
万軍の主は誓って言われる、「わたしが思ったように必ず成り、わたしが定めたように必ず立つ。

神は、定めたことは必ず成ると誓われました。永遠に続くように見える帝国を前にして、歴史の時を握っておられるのは主ご自身です。

32節
その国の使者たちになんと答えようか。「主はシオンの基をおかれた、その民の苦しむ者は この中に避け所を得る」と答えよ。

諸国の使者への答えは短いものです。主はシオンを築かれ、その民の苦しむ者はそこに避け所を見いだします。

説教が語っていること

高慢:神と人を遠ざける罪ジュディット姉妹は、イザヤ書14章13節から15節をもとに、高ぶりこそ罪の根であり、それは神なしでやっていこうとすることだと示します。そこから、神との関係、他の人との関係、自分自身との関係への具体的な結論を引き出します。要約を読む →神は破れ口に立つ人を探しておられます。あなたは「わたしがここにおります」と言いますかスティーブ・ジャファーは、イザヤ書14章12節から15節を引用します。この高い存在を倒したのは、いと高き者のようになりたいという願いでした。そこから、敵はまずあなたのアイデンティティを攻撃する、と語ります。要約を読む →ヨブに学ぶ(1):サタンの前で試される信仰ヨブ記についてのメッセージの中で、イザヤ書14章12節から15節が、高ぶりによって落ちた御使いについて語るために引用されます。同時に、サタンは今も神の権威のもとにあることが思い起こされます。要約を読む →携挙のあと:患難、ハルマゲドン、そして千年王国ジャン=クロード・ヴィラは、イザヤ書14章1節と2節を千年王国に位置づけます。そこではイスラエルが再び諸国民の第一となり、エルサレムが世界の首都になるというのです。これは預言の読み方の一つです。要約を読む →

イザヤ書14章についてよくある質問

イザヤ書14章のルシファーとは誰ですか

本文がまず語っているのは、バビロンの王、つまり高ぶりを砕かれた実在の暴君です。キリスト教の伝統は、その背後にサタンの転落も読み取ることが多く、訳によってルシファーという名が出てくるのはそのためです。信じる人々の間で意見は一致しておらず、第一の意味は高ぶる王の転落です。

イザヤ書14章のメッセージは何ですか

神はご自分の民に真実であり、力ある者の高ぶりを打ち倒されます。ヤコブをあわれんで立て直し、バビロンの王の圧政を終わらせ、定められたことを成し遂げられます。民の苦しむ者は、シオンに避け所を見いだします。

いと高き者のようになろうという言葉は何を意味しますか

これは高ぶる王が心の中で言った言葉です。神の星の上に自分を高く上げ、神の座を奪おうとしました。神なしでやっていこうとし、自分を神とする、聖書的な高ぶりを要約しています。本文はその答えとして、穴への転落を示しています。

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