聖書 — 口語訳 (1955)

エレミヤ書 29

概要

エレミヤ書29章は、預言者がバビロンに捕え移されたユダの民に宛てた手紙です。すぐに帰れると約束する偽預言者たちに対して、神は民に、そこに住み、家を建て、畑を作り、町の平安を求めて祈るようにと語られます。捕囚は七十年続き、その後、神は民を顧み、連れ帰られます。よく引用される11節は、まずこの捕囚の民に宛てられたものであり、この文脈とともに読むとよく理解できます。

この章の5つの区分

  1. 1-9節捕囚の民への手紙:住みつき、町の平安を求め、偽預言者に警戒する
  2. 10-14節七十年、そして将来と帰還の約束
  3. 15-19節バビロンの預言者たちと、エルサレムに残る者の行く末
  4. 20-23節捕囚の民の中の二人の偽預言者へのさばき
  5. 24-32節シェマヤの手紙と神の答え

1これは預言者エレミヤがエルサレムから、かの捕え移された長老たち、およびネブカデネザルによってエルサレムからバビロンに捕え移された祭司と預言者ならびにすべての民に送った手紙に書きしるした言葉である。

2それはエコニヤ王と太后と宦官およびユダとエルサレムのつかさたち、および工匠と鍛冶とがエルサレムを去ってのちに書かれたものであって、

3エレミヤはその手紙をシャパンの子エラサおよびヒルキヤの子ゲマリヤの手によって送った。この人々はユダの王ゼデキヤがバビロンに行かせ、バビロンの王ネブカデネザルのもとにつかわしたものであった。その手紙には次のように書いてあった。

4「万軍の主、イスラエルの神は、すべて捕え移された者、すなわち、わたしがエルサレムから、バビロンに捕え移させた者に、こう言う、

5あなたがたは家を建てて、それに住み、畑を作ってその産物を食べよ。

6妻をめとって、むすこ娘を産み、また、そのむすこに嫁をめとり、娘をとつがせて、むすこ娘を産むようにせよ。その所であなたがたの数を増し、減ってはならない。

7わたしがあなたがたを捕え移させたところの町の平安を求め、そのために主に祈るがよい。その町が平安であれば、あなたがたも平安を得るからである。

8万軍の主、イスラエルの神はこう言われる、あなたがたのうちにいる預言者と占い師に惑わされてはならない。また彼らの見る夢に聞き従ってはならない。

9それは、彼らがわたしの名によってあなたがたに偽りを預言しているからである。わたしが彼らをつかわしたのではないと主は言われる。

10主はこう言われる、バビロンで七十年が満ちるならば、わたしはあなたがたを顧み、わたしの約束を果し、あなたがたをこの所に導き帰る。

11主は言われる、わたしがあなたがたに対していだいている計画はわたしが知っている。それは災を与えようというのではなく、平安を与えようとするものであり、あなたがたに将来を与え、希望を与えようとするものである。

12その時、あなたがたはわたしに呼ばわり、来て、わたしに祈る。わたしはあなたがたの祈を聞く。

13あなたがたはわたしを尋ね求めて、わたしに会う。もしあなたがたが一心にわたしを尋ね求めるならば、

14わたしはあなたがたに会うと主は言われる。わたしはあなたがたの繁栄を回復し、あなたがたを万国から、すべてわたしがあなたがたを追いやった所から集め、かつ、わたしがあなたがたを捕われ離れさせたそのもとの所に、あなたがたを導き帰ろうと主は言われる。

15あなたがたは、『主はバビロンでわれわれのために預言者たちを起された』と言ったが、――

16主はダビデの位に座している王と、この町に住むすべての民で、あなたがたと共に捕え移されなかった兄弟たちについて、こう言われる、

17『万軍の主はこう言われる、見よ、わたしは、つるぎと、ききんと、疫病を彼らに送り、彼らを悪くて食べられない腐ったいちじくのようにしてしまう。

18わたしはつるぎと、ききんと、疫病をもって彼らのあとを追い、また彼らを地の万国に忌みきらわれるものとなし、わたしが彼らを追いやる国々で、のろいとなり、恐れとなり、物笑いとなり、はずかしめとならせる。

19それは彼らがわたしの言葉に聞き従わなかったからであると主は言われる。わたしはこの言葉を、わたしのしもべである預言者たちによって、しきりに送ったが、あなたがたは聞こうともしなかったと主は言われる』。――

20わたしがエルサレムからバビロンに送ったあなたがたすべての捕われ人よ、主の言葉を聞きなさい、

21『わたしの名によって、あなたがたに偽りを預言しているコラヤの子アハブと、マアセヤの子ゼデキヤについて万軍の主、イスラエルの神はこう仰せられる、見よ、わたしは彼らをバビロンの王ネブカデレザルの手に渡す。王はあなたがたの目の前で彼らを殺す。

22バビロンにいるユダの捕われ人は皆、彼らの名を、のろいの言葉に用いて、「主があなたをバビロンの王が火で焼いたゼデキヤとアハブのようにされるように」という。

23それは、彼らがイスラエルのうちで愚かな事をし、隣の妻と不義を行い、わたしが命じたのでない偽りの言葉を、わたしの名によって語ったことによるのである。わたしはそれを知っており、またその証人であると主は言われる』」。

24ネヘラムびとシマヤにあなたは言いなさい、

25「万軍の主、イスラエルの神はこう仰せられる、あなたは自分の名でエルサレムにいるすべての民と、マアセヤの子祭司ゼパニヤおよびすべての祭司に手紙を送って言う、

26『主は祭司エホヤダに代ってあなたを祭司とし、主の宮をつかさどらせ、すべて狂い、かつ預言する者を足かせと首かせにつながせられる。

27そうであるのに、どうしてあなたは、あなたがたに預言しているアナトテのエレミヤを戒めないのか。

28彼はバビロンにいるわれわれの所に手紙を送って、捕われの時はなお長いゆえ、あなたがたは家を建ててそこに住み、畑を作ってその産物を食べよと言ってきた』」。

29祭司ゼパニヤはこの手紙を預言者エレミヤに読み聞かせた。

30その時、主の言葉がエレミヤに臨んだ、

31「すべての捕われ人に書き送って言いなさい、ネヘラムびとシマヤの事について主はこう仰せられる、わたしはシマヤをつかわさなかったのに、彼があなたがたに預言して偽りを信じさせたので、

32主はこう仰せられる、見よ、わたしはネヘラムびとシマヤとその子孫を罰する。彼は主に対する反逆を語ったゆえ、彼に属する者で、この民のうちに住み、わたしが自分の民に行おうとしている良い事を見るものはひとりもいない」。

鍵となる聖句

5-6節
あなたがたは家を建てて、それに住み、畑を作ってその産物を食べよ。 妻をめとって、むすこ娘を産み、また、そのむすこに嫁をめとり、娘をとつがせて、むすこ娘を産むようにせよ。その所であなたがたの数を増し、減ってはならない。

神は捕囚の民に、荷物をまとめたまま待つようにとは言われません。思い切り生き、家を建て、畑を作り、家庭を築くようにと求められます。信仰は、自分で選んだのではない時期にも働きます。

7節
わたしがあなたがたを捕え移させたところの町の平安を求め、そのために主に祈るがよい。その町が平安であれば、あなたがたも平安を得るからである。

驚くべき呼びかけです。捕囚の地の町のために祈り、その平安を求めなさい。町の平安は、そこに住む人々の平安と結びついているからです。神の民は、閉じこもるのではなく、置かれた場所で仕えるよう召されています。

11節
主は言われる、わたしがあなたがたに対していだいている計画はわたしが知っている。それは災を与えようというのではなく、平安を与えようとするものであり、あなたがたに将来を与え、希望を与えようとするものである。

エレミヤ書29章で最もよく知られた一節です。七十年の宣告のあと、まず捕囚の民に語られました。神は平安の計画を持っておられますが、試練のない道を約束してはおられません。ひとつの民への希望の約束として読まれ、神の真実に信頼するすべての信者にも届きます。

14節
わたしはあなたがたに会うと主は言われる。わたしはあなたがたの繁栄を回復し、あなたがたを万国から、すべてわたしがあなたがたを追いやった所から集め、かつ、わたしがあなたがたを捕われ離れさせたそのもとの所に、あなたがたを導き帰ろうと主は言われる。

神は、ご自分を見いださせ、民を連れ帰ると約束されます。回復は神から来ます。神が定められた時の終わりに実現するもので、偽預言者たちの予定表によるものではありません。

この章に登場する人物

このテーマで祈る

説教が語っていること

すべてがあなたを諦めさせようとする時に希望を選ぶエマ・Tは、希望についてのメッセージの中でエレミヤ書29章11節を引用します。彼女はそれを、可能性ではなく神のことばに基づく、感情ではなく意思による選択として捉えます。ひとつのことについて希望を手放すと、人生の他の領域まで失いかねないことを示します。要約を読む →共に建て上げる:人、教会、街ブレンダン・ホワイトは、エレミヤ書29章7節をもとに、三番目の働き、町を築くことを語ります。町の平安を祈ることは最初のれんがであり、そのあとで、そこで具体的に変化をもたらす方法を探すのだと言います。要約を読む →人を建て上げ、教会を建て上げ、街を建て上げるこのメッセージは、神はまず人を築き、次にご自分の教会を築き、教会を通して町を築かれると語ります。エレミヤ書29章7節に結びつけて、神が私たちを置かれた町のために祈るよう招いています。要約を読む →神はあなたのために何かを取っておいている説教者はエレミヤ書29章11節を引用し、神の計画は平安と希望の計画であり、従順が天を開くと語ります。哀歌3章22節、23節の、新しくされる主のいつくしみに結びつけています。要約を読む →あなたの過去はあなたの預言ではないジャビン・チャベスは、自分は死ぬのだと確信していたサレプタのやもめとともに列王記上17章を開きます。エレミヤ書29章11節を引用し、あなたの人生についての神のことばは、最悪を予告する恐れに勝ると語ります。要約を読む →

エレミヤ書29章についてよくある質問

エレミヤ書29章11節はどういう意味ですか

この節は、神がご自分の民のために立てておられる計画を知っておられると語ります。わざわいではなく平安の計画であり、将来と希望を与えるものです。七十年待たなければならなかった捕囚の民のために書かれました。楽な人生の約束ではなく、神がご計画を進め、真実であり続けてくださるという確信です。

エレミヤ書29章11節は今日の私にも当てはまりますか

この節は、まず特定の民に向けられていました。それでも、多くの信者はここから励ましを得ています。神の性格、すなわち真実で、恵み深く、将来を治めておられる方であることを示しているからです。最も賢明な読み方は、両方を合わせて捉えることです。ひとつの民への約束であり、神に信頼するすべての人に与えられる希望についても語っています。

エレミヤ書29章は、自分が住む町について何と言っていますか

7節で、神は捕囚の民に、住んでいる町の平安を求め、そのために祈るよう求められます。彼らの幸せがそれにかかっているからです。多くのキリスト者にとって、これは、離れて立つのではなく、地域や職場や町に関わるようにという呼びかけです。

エレミヤ書29章の偽預言者とはだれですか

捕囚の民に、すぐ帰れると告げた預言者たちです。神は七十年と告げておられたのに、彼らは遣わされていないのに語りました。この章は、聞いたことを、神が実際に語られたことに照らして吟味するよう招いています。

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