聖書 — 口語訳 (1955)
ガラテヤ人への手紙 4
概要
ガラテヤ人への手紙4章で、パウロは信者を、父の定めた時までは奴隷と変わらない、未成年の相続人にたとえます。神は御子を遣わして、贖い出し、子としての身分を与えてくださいました。御霊は「アバ、父よ」と叫びます。パウロは、ガラテヤの人々が宗教的な奴隷状態に戻ろうとしているのを案じ、父のように語りかけます。キリストが彼らの内に形づくられるまで、と。章の終わりは、ハガルとサラ、二つの契約、そして約束の子らについてです。
この章の5つの区分
1わたしの言う意味は、こうである。相続人が子供である間は、全財産の持ち主でありながら、僕となんの差別もなく、
2父親の定めた時期までは、管理人や後見人の監督の下に置かれているのである。
3それと同じく、わたしたちも子供であった時には、いわゆるこの世のもろもろの霊力の下に、縛られていた者であった。
4しかし、時の満ちるに及んで、神は御子を女から生れさせ、律法の下に生れさせて、おつかわしになった。
5それは、律法の下にある者をあがない出すため、わたしたちに子たる身分を授けるためであった。
6このように、あなたがたは子であるのだから、神はわたしたちの心の中に、「アバ、父よ」と呼ぶ御子の霊を送って下さったのである。
7したがって、あなたがたはもはや僕ではなく、子である。子である以上、また神による相続人である。
8神を知らなかった当時、あなたがたは、本来神ならぬ神々の奴隷になっていた。
9しかし、今では神を知っているのに、否、むしろ神に知られているのに、どうして、あの無力で貧弱な、もろもろの霊力に逆もどりして、またもや、新たにその奴隷になろうとするのか。
10あなたがたは、日や月や季節や年などを守っている。
11わたしは、あなたがたのために努力してきたことが、あるいは、むだになったのではないかと、あなたがたのことが心配でならない。
12兄弟たちよ。お願いする。どうか、わたしのようになってほしい。わたしも、あなたがたのようになったのだから。あなたがたは、一度もわたしに対して不都合なことをしたことはない。
13あなたがたも知っているとおり、最初わたしがあなたがたに福音を伝えたのは、わたしの肉体が弱っていたためであった。
14そして、わたしの肉体にはあなたがたにとって試錬となるものがあったのに、それを卑しめもせず、またきらいもせず、かえってわたしを、神の使かキリスト・イエスかでもあるように、迎えてくれた。
15その時のあなたがたの感激は、今どこにあるのか。はっきり言うが、あなたがたは、できることなら、自分の目をえぐり出してでも、わたしにくれたかったのだ。
16それだのに、真理を語ったために、わたしはあなたがたの敵になったのか。
17彼らがあなたがたに対して熱心なのは、善意からではない。むしろ、自分らに熱心にならせるために、あなたがたをわたしから引き離そうとしているのである。
18わたしがあなたがたの所にいる時だけでなく、いつも、良いことについて熱心に慕われるのは、良いことである。
19ああ、わたしの幼な子たちよ。あなたがたの内にキリストの形ができるまでは、わたしは、またもや、あなたがたのために産みの苦しみをする。
20できることなら、わたしは今あなたがたの所にいて、語調を変えて話してみたい。わたしは、あなたがたのことで、途方にくれている。
21律法の下にとどまっていたいと思う人たちよ。わたしに答えなさい。あなたがたは律法の言うところを聞かないのか。
22そのしるすところによると、アブラハムにふたりの子があったが、ひとりは女奴隷から、ひとりは自由の女から生れた。
23女奴隷の子は肉によって生れたのであり、自由の女の子は約束によって生れたのであった。
24さて、この物語は比喩としてみられる。すなわち、この女たちは二つの契約をさす。そのひとりはシナイ山から出て、奴隷となる者を産む。ハガルがそれである。
25ハガルといえば、アラビヤではシナイ山のことで、今のエルサレムに当る。なぜなら、それは子たちと共に、奴隷となっているからである。
26しかし、上なるエルサレムは、自由の女であって、わたしたちの母をさす。
27すなわち、こう書いてある、「喜べ、不妊の女よ。声をあげて喜べ、産みの苦しみを知らない女よ。ひとり者となっている女は多くの子を産み、その数は、夫ある女の子らよりも多い」。
28兄弟たちよ。あなたがたは、イサクのように、約束の子である。
29しかし、その当時、肉によって生れた者が、霊によって生れた者を迫害したように、今でも同様である。
30しかし、聖書はなんと言っているか。「女奴隷とその子とを追い出せ。女奴隷の子は、自由の女の子と共に相続をしてはならない」とある。
31だから、兄弟たちよ。わたしたちは女奴隷の子ではなく、自由の女の子なのである。
鍵となる聖句
しかし、時の満ちるに及んで、神は御子を女から生れさせ、律法の下に生れさせて、おつかわしになった。 それは、律法の下にある者をあがない出すため、わたしたちに子たる身分を授けるためであった。
二つの節に凝縮された福音の中心です。神の定められた時に、御子が人として、律法の下に生まれて来られました。贖い出し、私たちが子たる身分を受けるためです。救いは、父なる神の主導によるものとして示されています。
このように、あなたがたは子であるのだから、神はわたしたちの心の中に、「アバ、父よ」と呼ぶ御子の霊を送って下さったのである。
御子の御霊が信じる者の心に遣わされ、「アバ、父よ」と呼びます。神との関係は、単なる身分ではなく、生きた親しさとなります。
したがって、あなたがたはもはや僕ではなく、子である。子である以上、また神による相続人である。
三つの宣言が続きます。もはや僕ではなく、子であり、相続人です。パウロは、ガラテヤの人々が、まだ自分の場所を勝ち取らなければならない者としてではなく、神が見ておられるとおりに自分を見るようにと願っています。
ああ、わたしの幼な子たちよ。あなたがたの内にキリストの形ができるまでは、わたしは、またもや、あなたがたのために産みの苦しみをする。
パウロは産みの苦しみをする母のように語ります。目的は、ガラテヤの人々が規則に従うことではなく、キリストが彼らの内に形づくられること、つまりキリストに似た姿が彼らの生活の中で育つことです。
兄弟たちよ。あなたがたは、イサクのように、約束の子である。
イサクのように、信じる者は約束の子です。そのアイデンティティは、出自や努力からではなく、神が約束し、成し遂げてくださったことから来ています。
説教が語っていること
ガラテヤ人への手紙4章についてよくある質問
ガラテヤ人への手紙4章6節の「アバ、父よ」とはどういう意味ですか
「アバ」は、子が父に対して抱く親しさを表すアラム語です。パウロは、信じる者に与えられたイエスの御霊が、このことばを彼らの心の中で叫ぶと語ります。神との関係は、恐れる奴隷のものではなく、自由に近づくことができる子どものものだということです。
ガラテヤ人への手紙4章の中心的なメッセージは何ですか
信じる者は、キリストのみわざによって、もはや奴隷ではなく、子であり相続人です。神の前での自分の場所を得るために規則に戻るのは、奴隷状態に戻ることです。パウロは、読者が恵みによって生き、キリストが彼らの内に成長することを願っています。
「あなたがたの内にキリストの形ができるまで」とはどういう意味ですか
パウロは自分の苦しみを、産みの苦しみをする母にたとえます。彼の願いは、ガラテヤの人々が、生き方と愛し方において、ますますキリストに似ていくことです。律法による努力ではなく、神が生み出してくださる成長です。
ガラテヤ人への手紙4章のハガルとサラとはだれですか
パウロはアブラハムの物語を取り上げます。アブラハムには、女奴隷ハガルによる子イシマエルと、自由の女サラによる子イサクがいました。パウロはこれを寓意とし、ハガルは奴隷となる子を産むシナイの契約を、サラは自由な子らを産む約束を表すと語ります。信じる者は約束の子らです。
ガラテヤ人への手紙 4を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。