聖書 — 口語訳 (1955)
テサロニケ人への第二の手紙 2
概要
テサロニケ人への第二の手紙2章で、パウロは、主の日はすでに来たと思って動揺している信者たちに答えます。だまされてはならない、その日の前に背教が起こり、不法の者が現れると語り、その者を主イエスが口の息をもって滅ぼされると告げます。真理を愛さなかった人々には、偽りの惑わしが臨みます。そのうえでパウロは、信者たちが救いのために選ばれていることを思い起こさせ、堅く立つようすすめ、彼らが慰められるよう祈ります。
この章の4つの区分
1さて兄弟たちよ。わたしたちの主イエス・キリストの来臨と、わたしたちがみもとに集められることとについて、あなたがたにお願いすることがある。
2霊により、あるいは言葉により、あるいはわたしたちから出たという手紙によって、主の日はすでにきたとふれまわる者があっても、すぐさま心を動かされたり、あわてたりしてはいけない。
3だれがどんな事をしても、それにだまされてはならない。まず背教のことが起り、不法の者、すなわち、滅びの子が現れるにちがいない。
4彼は、すべて神と呼ばれたり拝まれたりするものに反抗して立ち上がり、自ら神の宮に座して、自分は神だと宣言する。
5わたしがまだあなたがたの所にいた時、これらの事をくり返して言ったのを思い出さないのか。
6そして、あなたがたが知っているとおり、彼が自分に定められた時になってから現れるように、いま彼を阻止しているものがある。
7不法の秘密の力が、すでに働いているのである。ただそれは、いま阻止している者が取り除かれる時までのことである。
8その時になると、不法の者が現れる。この者を、主イエスは口の息をもって殺し、来臨の輝きによって滅ぼすであろう。
9不法の者が来るのは、サタンの働きによるのであって、あらゆる偽りの力と、しるしと、不思議と、
10また、あらゆる不義の惑わしとを、滅ぶべき者どもに対して行うためである。彼らが滅びるのは、自分らの救となるべき真理に対する愛を受けいれなかった報いである。
11そこで神は、彼らが偽りを信じるように、迷わす力を送り、
12こうして、真理を信じないで不義を喜んでいたすべての人を、さばくのである。
13しかし、主に愛されている兄弟たちよ。わたしたちはいつもあなたがたのことを、神に感謝せずにはおられない。それは、神があなたがたを初めから選んで、御霊によるきよめと、真理に対する信仰とによって、救を得させようとし、
14そのために、わたしたちの福音によりあなたがたを召して、わたしたちの主イエス・キリストの栄光にあずからせて下さるからである。
15そこで、兄弟たちよ。堅く立って、わたしたちの言葉や手紙で教えられた言伝えを、しっかりと守り続けなさい。
16どうか、わたしたちの主イエス・キリストご自身と、わたしたちを愛し、恵みをもって永遠の慰めと確かな望みとを賜わるわたしたちの父なる神とが、
17あなたがたの心を励まし、あなたがたを強めて、すべての良いわざを行い、正しい言葉を語る者として下さるように。
鍵となる聖句
霊により、あるいは言葉により、あるいはわたしたちから出たという手紙によって、主の日はすでにきたとふれまわる者があっても、すぐさま心を動かされたり、あわてたりしてはいけない。
パウロは、主の来臨について、たとえ自分たちから出たように見えても、偽りの知らせに動揺しないよう促します。見分ける力が、あわてることから守ってくれます。
だれがどんな事をしても、それにだまされてはならない。まず背教のことが起り、不法の者、すなわち、滅びの子が現れるにちがいない。 彼は、すべて神と呼ばれたり拝まれたりするものに反抗して立ち上がり、自ら神の宮に座して、自分は神だと宣言する。
「まず背教のことが起り、不法の者、すなわち、滅びの子が現れるにちがいない」。この人物と時期については、キリスト教の伝統の間で解釈が分かれます。
また、あらゆる不義の惑わしとを、滅ぶべき者どもに対して行うためである。彼らが滅びるのは、自分らの救となるべき真理に対する愛を受けいれなかった報いである。
惑わしは、真理に対する愛を受けいれなかった人々に及びます。聖書が強調しているのは、知識だけでなく、真理を愛することです。
しかし、主に愛されている兄弟たちよ。わたしたちはいつもあなたがたのことを、神に感謝せずにはおられない。それは、神があなたがたを初めから選んで、御霊によるきよめと、真理に対する信仰とによって、救を得させようとし、
パウロは、神が信者たちを「初めから選んで」、御霊によるきよめと真理に対する信仰とによって救いに導かれることを感謝します。信者の望みは、神の主導の上に立っています。
どうか、わたしたちの主イエス・キリストご自身と、わたしたちを愛し、恵みをもって永遠の慰めと確かな望みとを賜わるわたしたちの父なる神とが、 あなたがたの心を励まし、あなたがたを強めて、すべての良いわざを行い、正しい言葉を語る者として下さるように。
パウロは、神が心を励まし、「永遠の慰めと確かな望み」によって強めてくださるよう祈ります。神は、働きと言葉のために、慰め、強めてくださいます。
説教が語っていること
テサロニケ人への第二の手紙2章についてよくある質問
2テサロニケ2章の「不法の者」とはだれですか。
パウロは、主の日の前に、神に反抗して立ち上がり、自分は神だと宣言する者について語ります。多くの人は反キリストと同一視しますが、将来現れる人物とする見方、歴史を通して働く霊とする見方など、クリスチャンの間で解釈は分かれます。聖書本文が何より強調しているのは、主イエスが口の息をもってその者を滅ぼされるということです。
2テサロニケ2章の「阻止しているもの」とは何ですか。
パウロは、定められた時まで不法を阻止している何か、またはだれかがあると言いますが、それが何かは述べていません。聖霊や教会、社会の秩序、政治権力など、解釈はさまざまで、聖書本文から決めることはできません。覚えておきたいのは、神が時の流れを握っておられるということです。
2テサロニケ2章のメッセージは何ですか。
パウロは、不安になっている信者たちを安心させたいのです。主の日はまだ来ておらず、偽りの惑わしは真理を愛さない人々に及びます。神は彼らを救いのために選ばれたこと、堅く立つこと、そして彼らが慰められ強められるようにとの祈りを、パウロは伝えています。
テサロニケ人への第二の手紙 2を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。