聖書 — 口語訳 (1955)

ルカによる福音書 24

概要

ルカによる福音書24章は、復活の朝とそれに続く時間を伝えます。女たちは空の墓を見つけ、落胆した二人の弟子はイエスだと気づかないままエマオへ歩き、やがて復活の主は集まった弟子たちの前に現れます。どの場面でもイエスは聖書を開き、食事をともにし、疑いを解いてくださいます。章の終わりには、聖霊の約束と昇天が記されています。ルカは、復活が実際に起こった出来事であり、みことばによって悟られ、証人たちに託されたものであることを示しています。

この章の6つの区分

  1. 1-12節空の墓と女たちの知らせ
  2. 13-27節エマオへの道:イエスが聖書を解き明かす
  3. 28-35節パンを裂くときに、主だとわかった
  4. 36-43節イエスが弟子たちの真ん中に立たれる
  5. 44-49節心が開かれて悟り、使命が託される
  6. 50-53節祝福と昇天

1週の初めの日、夜明け前に、女たちは用意しておいた香料を携えて、墓に行った。

2ところが、石が墓からころがしてあるので、

3中にはいってみると、主イエスのからだが見当らなかった。

4そのため途方にくれていると、見よ、輝いた衣を着たふたりの者が、彼らに現れた。

5女たちは驚き恐れて、顔を地に伏せていると、このふたりの者が言った、「あなたがたは、なぜ生きた方を死人の中にたずねているのか。

6そのかたは、ここにはおられない。よみがえられたのだ。まだガリラヤにおられたとき、あなたがたにお話しになったことを思い出しなさい。

7すなわち、人の子は必ず罪人らの手に渡され、十字架につけられ、そして三日目によみがえる、と仰せられたではないか」。

8そこで女たちはその言葉を思い出し、

9墓から帰って、これらいっさいのことを、十一弟子や、その他みんなの人に報告した。

10この女たちというのは、マグダラのマリヤ、ヨハンナ、およびヤコブの母マリヤであった。彼女たちと一緒にいたほかの女たちも、このことを使徒たちに話した。

11ところが、使徒たちには、それが愚かな話のように思われて、それを信じなかった。

12〔ペテロは立って墓へ走って行き、かがんで中を見ると、亜麻布だけがそこにあったので、事の次第を不思議に思いながら帰って行った。〕

13この日、ふたりの弟子が、エルサレムから七マイルばかり離れたエマオという村へ行きながら、

14このいっさいの出来事について互に語り合っていた。

15語り合い論じ合っていると、イエスご自身が近づいてきて、彼らと一緒に歩いて行かれた。

16しかし、彼らの目がさえぎられて、イエスを認めることができなかった。

17イエスは彼らに言われた、「歩きながら互に語り合っているその話は、なんのことなのか」。彼らは悲しそうな顔をして立ちどまった。

18そのひとりのクレオパという者が、答えて言った、「あなたはエルサレムに泊まっていながら、あなただけが、この都でこのごろ起ったことをご存じないのですか」。

19「それは、どんなことか」と言われると、彼らは言った、「ナザレのイエスのことです。あのかたは、神とすべての民衆との前で、わざにも言葉にも力ある預言者でしたが、

20祭司長たちや役人たちが、死刑に処するために引き渡し、十字架につけたのです。

21わたしたちは、イスラエルを救うのはこの人であろうと、望みをかけていました。しかもその上に、この事が起ってから、きょうが三日目なのです。

22ところが、わたしたちの仲間である数人の女が、わたしたちを驚かせました。というのは、彼らが朝早く墓に行きますと、

23イエスのからだが見当らないので、帰ってきましたが、そのとき御使が現れて、『イエスは生きておられる』と告げたと申すのです。

24それで、わたしたちの仲間が数人、墓に行って見ますと、果して女たちが言ったとおりで、イエスは見当りませんでした」。

25そこでイエスが言われた、「ああ、愚かで心のにぶいため、預言者たちが説いたすべての事を信じられない者たちよ。

26キリストは必ず、これらの苦難を受けて、その栄光に入るはずではなかったのか」。

27こう言って、モーセやすべての預言者からはじめて、聖書全体にわたり、ご自身についてしるしてある事どもを、説きあかされた。

28それから、彼らは行こうとしていた村に近づいたが、イエスがなお先へ進み行かれる様子であった。

29そこで、しいて引き止めて言った、「わたしたちと一緒にお泊まり下さい。もう夕暮になっており、日もはや傾いています」。イエスは、彼らと共に泊まるために、家にはいられた。

30一緒に食卓につかれたとき、パンを取り、祝福してさき、彼らに渡しておられるうちに、

31彼らの目が開けて、それがイエスであることがわかった。すると、み姿が見えなくなった。

32彼らは互に言った、「道々お話しになったとき、また聖書を説き明してくださったとき、お互の心が内に燃えたではないか」。

33そして、すぐに立ってエルサレムに帰って見ると、十一弟子とその仲間が集まっていて、

34「主は、ほんとうによみがえって、シモンに現れなさった」と言っていた。

35そこでふたりの者は、途中であったことや、パンをおさきになる様子でイエスだとわかったことなどを話した。

36こう話していると、イエスが彼らの中にお立ちになった。〔そして「やすかれ」と言われた。〕

37彼らは恐れ驚いて、霊を見ているのだと思った。

38そこでイエスが言われた、「なぜおじ惑っているのか。どうして心に疑いを起すのか。

39わたしの手や足を見なさい。まさしくわたしなのだ。さわって見なさい。霊には肉や骨はないが、あなたがたが見るとおり、わたしにはあるのだ」。

40〔こう言って、手と足とをお見せになった。〕

41彼らは喜びのあまり、まだ信じられないで不思議に思っていると、イエスが「ここに何か食物があるか」と言われた。

42彼らが焼いた魚の一きれをさしあげると、

43イエスはそれを取って、みんなの前で食べられた。

44それから彼らに対して言われた、「わたしが以前あなたがたと一緒にいた時分に話して聞かせた言葉は、こうであった。すなわち、モーセの律法と預言書と詩篇とに、わたしについて書いてあることは、必ずことごとく成就する」。

45そこでイエスは、聖書を悟らせるために彼らの心を開いて

46言われた、「こう、しるしてある。キリストは苦しみを受けて、三日目に死人の中からよみがえる。

47そして、その名によって罪のゆるしを得させる悔改めが、エルサレムからはじまって、もろもろの国民に宣べ伝えられる。

48あなたがたは、これらの事の証人である。

49見よ、わたしの父が約束されたものを、あなたがたに贈る。だから、上から力を授けられるまでは、あなたがたは都にとどまっていなさい」。

50それから、イエスは彼らをベタニヤの近くまで連れて行き、手をあげて彼らを祝福された。

51祝福しておられるうちに、彼らを離れて、〔天にあげられた。〕

52彼らは〔イエスを拝し、〕非常な喜びをもってエルサレムに帰り、

53絶えず宮にいて、神をほめたたえていた。

鍵となる聖句

5-6節
女たちは驚き恐れて、顔を地に伏せていると、このふたりの者が言った、「あなたがたは、なぜ生きた方を死人の中にたずねているのか。 そのかたは、ここにはおられない。よみがえられたのだ。まだガリラヤにおられたとき、あなたがたにお話しになったことを思い出しなさい。

輝く衣を着た二人の問いかけが、女たちの考えを覆します。生きておられる方を死人の中に探してはいけません。復活祭の中心となる知らせは短い言葉に収まり、イエスが語っておられたことを思い出すようにという呼びかけが添えられています。

27節
こう言って、モーセやすべての預言者からはじめて、聖書全体にわたり、ご自身についてしるしてある事どもを、説きあかされた。

イエスはモーセから預言者たちまで、聖書全体が自分について語っていることを示されます。旧約聖書をキリストの光のもとで読むための鍵となる聖句です。

32節
彼らは互に言った、「道々お話しになったとき、また聖書を説き明してくださったとき、お互の心が内に燃えたではないか」。

エマオの弟子たちは、イエスと歩いた道を振り返ります。「心が内に燃えたではないか」。みことばに耳を傾けることが、主の臨在に気づくことに先立つことは少なくありません。

39節
わたしの手や足を見なさい。まさしくわたしなのだ。さわって見なさい。霊には肉や骨はないが、あなたがたが見るとおり、わたしにはあるのだ」。

イエスは、見て、さわってみなさいと招かれます。復活された方は幻ではありません。ルカは、復活が体をともなう現実の出来事であることを強調しています。

47-48節
そして、その名によって罪のゆるしを得させる悔改めが、エルサレムからはじまって、もろもろの国民に宣べ伝えられる。 あなたがたは、これらの事の証人である。

使命が告げられます。罪のゆるしを得させる悔い改めが、エルサレムからはじまって、すべての国民に宣べ伝えられます。弟子たちはその証人です。

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説教が語っていること

ルカによる福音書24章についてよくある質問

ルカによる福音書24章の中心的なメッセージは何ですか

イエスはよみがえられました。この良い知らせは、空の墓、イエスが解き明かす聖書、そして数々の顕現によって確かめられています。落胆していた弟子たちが、疑いから喜びへと導かれ、証しする使命を受ける姿も描かれます。復活は象徴ではなく、事実として示されています。

エマオへの道では何が起こりますか

二人の弟子は、イエスの死を悲しみながらエルサレムを離れます。イエスは気づかれないまま一緒に歩き、聖書がキリストについて何と語っていたかを説明されます。村に着くと二人はイエスを引き止め、パンを裂かれたときにそれがイエスだとわかります。二人はすぐにエルサレムへ引き返し、その知らせを伝えます。

なぜイエスは弟子たちの前で食べ物を食べられたのですか

弟子たちは霊を見ているのだと思いました。イエスは手と足を見せ、何か食べ物はあるかと尋ねて、みんなの前で焼いた魚を食べられました。復活のからだが実在することを示すためです。

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