聖書 — 口語訳 (1955)

使徒行伝 14

概要

使徒行伝14章で、パウロとバルナバはイコニオムで、続いてルステラとデルベで福音を告げます。ルステラでは、生まれつき足の不自由な人がいやされ、群衆は二人を神々だと思い込みます。使徒たちはそれを拒み、天地を造り、恵みを与える生ける神を語ります。その後まもなく、パウロは石で打たれ、死んだものと見捨てられますが、起きあがります。二人の宣教者は弟子たちを力づけ、各教会に長老たちを任命し、アンテオケに戻って、神がなされたことを報告します。

この章の5つの区分

  1. 1-7節イコニオム:信仰、反対、そしてルカオニヤへの逃避
  2. 8-18節ルステラ:いやされた足の不自由な人と、使徒を拝もうとする群衆
  3. 19-20節パウロが石で打たれ、死んだものと見捨てられ、そして起きあがる
  4. 21-23節弟子たちを力づけ、長老たちを任命する
  5. 24-28節アンテオケへの帰還と、宣教の報告

1ふたりは、イコニオムでも同じようにユダヤ人の会堂にはいって語った結果、ユダヤ人やギリシヤ人が大ぜい信じた。

2ところが、信じなかったユダヤ人たちは異邦人たちをそそのかして、兄弟たちに対して悪意をいだかせた。

3それにもかかわらず、ふたりは長い期間をそこで過ごして、大胆に主のことを語った。主は、彼らの手によってしるしと奇跡とを行わせ、そのめぐみの言葉をあかしされた。

4そこで町の人々が二派に分れ、ある人たちはユダヤ人の側につき、ある人たちは使徒の側についた。

5その時、異邦人やユダヤ人が役人たちと一緒になって反対運動を起し、使徒たちをはずかしめ、石で打とうとしたので、

6ふたりはそれと気づいて、ルカオニヤの町々、ルステラ、デルベおよびその附近の地へのがれ、

7そこで引きつづき福音を伝えた。

8ところが、ルステラに足のきかない人が、すわっていた。彼は生れながらの足なえで、歩いた経験が全くなかった。

9この人がパウロの語るのを聞いていたが、パウロは彼をじっと見て、いやされるほどの信仰が彼にあるのを認め、

10大声で「自分の足で、まっすぐに立ちなさい」と言った。すると彼は踊り上がって歩き出した。

11群衆はパウロのしたことを見て、声を張りあげ、ルカオニヤの地方語で、「神々が人間の姿をとって、わたしたちのところにお下りになったのだ」と叫んだ。

12彼らはバルナバをゼウスと呼び、パウロはおもに語る人なので、彼をヘルメスと呼んだ。

13そして、郊外にあるゼウス神殿の祭司が、群衆と共に、ふたりに犠牲をささげようと思って、雄牛数頭と花輪とを門前に持ってきた。

14ふたりの使徒バルナバとパウロとは、これを聞いて自分の上着を引き裂き、群衆の中に飛び込んで行き、叫んで

15言った、「皆さん、なぜこんな事をするのか。わたしたちとても、あなたがたと同じような人間である。そして、あなたがたがこのような愚にもつかぬものを捨てて、天と地と海と、その中のすべてのものをお造りになった生ける神に立ち帰るようにと、福音を説いているものである。

16神は過ぎ去った時代には、すべての国々の人が、それぞれの道を行くままにしておかれたが、

17それでも、ご自分のことをあかししないでおられたわけではない。すなわち、あなたがたのために天から雨を降らせ、実りの季節を与え、食物と喜びとで、あなたがたの心を満たすなど、いろいろのめぐみをお与えになっているのである」。

18こう言って、ふたりは、やっとのことで、群衆が自分たちに犠牲をささげるのを、思い止まらせた。

19ところが、あるユダヤ人たちはアンテオケやイコニオムから押しかけてきて、群衆を仲間に引き入れたうえ、パウロを石で打ち、死んでしまったと思って、彼を町の外に引きずり出した。

20しかし、弟子たちがパウロを取り囲んでいる間に、彼は起きあがって町にはいって行った。そして翌日には、バルナバと一緒にデルベにむかって出かけた。

21その町で福音を伝えて、大ぜいの人を弟子とした後、ルステラ、イコニオム、アンテオケの町々に帰って行き、

22弟子たちを力づけ、信仰を持ちつづけるようにと奨励し、「わたしたちが神の国にはいるのには、多くの苦難を経なければならない」と語った。

23また教会ごとに彼らのために長老たちを任命し、断食をして祈り、彼らをその信じている主にゆだねた。

24それから、ふたりはピシデヤを通過してパンフリヤにきたが、

25ペルガで御言を語った後、アタリヤにくだり、

26そこから舟でアンテオケに帰った。彼らが今なし終った働きのために、神の祝福を受けて送り出されたのは、このアンテオケからであった。

27彼らは到着早々、教会の人々を呼び集めて、神が彼らと共にいてして下さった数々のこと、また信仰の門を異邦人に開いて下さったことなどを、報告した。

28そして、ふたりはしばらくの間、弟子たちと一緒に過ごした。

鍵となる聖句

15節
言った、「皆さん、なぜこんな事をするのか。わたしたちとても、あなたがたと同じような人間である。そして、あなたがたがこのような愚にもつかぬものを捨てて、天と地と海と、その中のすべてのものをお造りになった生ける神に立ち帰るようにと、福音を説いているものである。

パウロとバルナバは、拝まれることを拒みます。「わたしたちとても、あなたがたと同じような人間である」。メッセージは、すべてを造られた生ける神へ向けられています。

17節
それでも、ご自分のことをあかししないでおられたわけではない。すなわち、あなたがたのために天から雨を降らせ、実りの季節を与え、食物と喜びとで、あなたがたの心を満たすなど、いろいろのめぐみをお与えになっているのである」。

神は、恵みによって、ご自分のことをあかししないでおられたわけではありません。雨、実りの季節、食物、喜びです。パウロは、異邦人に向かって、被造物から語りかけています。

19-20節
ところが、あるユダヤ人たちはアンテオケやイコニオムから押しかけてきて、群衆を仲間に引き入れたうえ、パウロを石で打ち、死んでしまったと思って、彼を町の外に引きずり出した。 しかし、弟子たちがパウロを取り囲んでいる間に、彼は起きあがって町にはいって行った。そして翌日には、バルナバと一緒にデルベにむかって出かけた。

パウロは石で打たれ、町の外に引きずり出されますが、起きあがり、翌日には出発します。本文はどのようにしてかを語りません。パウロの弱さと、神の真実を際立たせています。

22節
弟子たちを力づけ、信仰を持ちつづけるようにと奨励し、「わたしたちが神の国にはいるのには、多くの苦難を経なければならない」と語った。

パウロは、信仰を持ちつづけるよう勧め、神の国にはいるのには多くの苦難を経なければならないと語ります。福音は、試練のない生活としては示されていません。

27節
彼らは到着早々、教会の人々を呼び集めて、神が彼らと共にいてして下さった数々のこと、また信仰の門を異邦人に開いて下さったことなどを、報告した。

戻った宣教者たちは、神が彼らとともになされた数々のこと、そして信仰の門を異邦人に開いてくださったことを報告します。

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説教が語っていること

使徒行伝14章についてよくある質問

「わたしたちが神の国にはいるのには、多くの苦難を経なければならない」とはどういう意味ですか(使徒行伝14章22節)。

パウロとバルナバは弟子たちを力づけて、試練はクリスチャンの道の一部だと語ります。これは理由のない苦しみの約束ではなく、現実的な警告です。キリストに従うには代価が伴うことがあり、神は耐え抜く人を支えてくださいます。パウロ自身が、ルステラで石で打たれたばかりでした。

なぜルステラの人々はパウロとバルナバを拝もうとしたのですか。

生まれつき足の不自由な人がいやされたあと、ルカオニヤ語を話す群衆は、神々が人間の姿で降りて来たと考えます。バルナバはゼウス、パウロはヘルメスとされます。使徒たちは衣を引き裂いてそれを拒み、天と地を造られた生ける神を告げます。

使徒行伝14章は、パウロの最初の宣教について何を語っていますか。

この章は第一回宣教旅行を締めくくります。イコニオム、ルステラ、デルベ、そしてピシデヤとパンフリヤを通ってアンテオケへ戻ります。使徒たちは語り、反対に遭い、弟子たちを力づけ、各教会に長老たちを任命し、神が異邦人に信仰の門を開いてくださったことを報告します。

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