聖書 — 口語訳 (1955)

エレミヤ書 31

概要

エレミヤ書31章は、慰めの書の中心です。神は捕囚となった民に、限りなき愛に基づく帰還と回復を約束されます。ラケルの泣き声に耳を傾け、立ち返るエフライムを迎え、そしてシナイの契約とは異なる新しい契約を告げられます。神の律法は心にしるされ、すべての人が神を知り、罪はゆるされます。章は、再建され、主に聖別される町の約束で終わります。

この章の6つの区分

  1. 1-9節限りなき愛:神が民を連れ帰られる
  2. 10-14節嘆きが喜びに変わる
  3. 15-20節ラケルは泣き、エフライムは帰り、神はあわれまれる
  4. 21-30節帰れ、神が建て、植えられる
  5. 31-37節心にしるされる新しい契約
  6. 38-40節再建され、主に聖別される町

1「主は言われる、その時わたしはイスラエルの全部族の神となり、彼らはわたしの民となる」。

2主はこう言われる、「つるぎをのがれて生き残った民は、荒野で恵みを得た。イスラエルが安息を求めた時、

3主は遠くから彼に現れた。わたしは限りなき愛をもってあなたを愛している。それゆえ、わたしは絶えずあなたに 真実をつくしてきた。

4イスラエルのおとめよ、再びわたしはあなたを建てる、あなたは建てられる。あなたは再び鼓をもって身を飾り、出て行って、喜び楽しむ者と共に踊る。

5またあなたはぶどうの木をサマリヤの山に植える。植える者は、植えてその実を食べることができる。

6見守る者がエフライムの山の上に立って 呼ばわる日が来る。『立って、シオンに上り、われわれの神、主に、もうでよう』と」。

7主はこう仰せられる、「ヤコブのために喜んで声高く歌い、万国のかしらのために叫び声をあげよ。告げ示し、ほめたたえて言え、『主はその民イスラエルの残りの者を救われた』と。

8見よ、わたしは彼らを北の国から連れ帰り、彼らを地の果から集める。彼らのうちには、盲人やあしなえ、妊婦、産婦も共にいる。彼らは大きな群れとなって、ここに帰ってくる。

9彼らは泣き悲しんで帰ってくる。わたしは慰めながら彼らを導き帰る。彼らがつまずかないように、まっすぐな道により、水の流れのそばを通らせる。それは、わたしがイスラエルの父であり、エフライムはわたしの長子だからである。

10万国の民よ、あなたがたは主の言葉を聞き、これを遠い、海沿いの地に示して言いなさい、『イスラエルを散らした者がこれを集められる。牧者がその群れを守るようにこれを守られる』と。

11すなわち主はヤコブをあがない、彼らよりも強い者の手から彼を救いだされた。

12彼らは来てシオンの山で声高く歌い、主から賜わった良い物のために、穀物と酒と油および若き羊と牛のために、喜びに輝く。その魂は潤う園のようになり、彼らは重ねて憂えることがない。

13その時おとめたちは舞って楽しみ、若い者も老いた者も共に楽しむ。わたしは彼らの悲しみを喜びにかえ、彼らを慰め、憂いの代りに喜びを与える。

14わたしは多くのささげ物で、祭司の心を飽かせ、わたしの良き物で、わたしの民を満ち足らせると 主は言われる」。

15主はこう仰せられる、「嘆き悲しみ、いたく泣く声がラマで聞える。ラケルがその子らのために嘆くのである。子らがもはやいないので、彼女はその子らのことで慰められるのを願わない」。

16主はこう仰せられる、「あなたは泣く声をとどめ、目から涙をながすことをやめよ。あなたのわざに報いがある。彼らは敵の地から帰ってくると主は言われる。

17あなたの将来には希望があり、あなたの子供たちは自分の国に帰ってくると 主は言われる。

18わたしは確かに、エフライムが こう言って嘆くの聞いた、『あなたはわたしを懲らしめられた、わたしはくびきに慣れない子牛のように 懲らしめをうけた。主よ、あなたはわたしの神、主でいらせられる、わたしを連れ帰って、もとにかえしてください。

19わたしはそむき去った後、悔い、教をうけた後、ももを打った。若い時のはずかしめが身にあるので、わたしは恥じ、うろたえた』。

20主は言われる、エフライムはわたしの愛する子、わたしの喜ぶ子であろうか。わたしは彼について語るごとに、なお彼を忘れることができない。それゆえ、わたしの心は彼をしたっている。わたしは必ず彼をあわれむ。

21みずからのために道しるべを置き、みずからのために標柱を立てよ。大路に、あなたの通って行った道に心を留めよ。イスラエルのおとめよ、帰れ、これらの、あなたの町々に帰れ。

22不信の娘よ、いつまでさまようのか。主は地の上に新しい事を創造されたのだ、女が男を保護する事である」。

23万軍の主、イスラエルの神はこう言われる、「わたしが彼らを再び栄えさせる時、人々はまたユダの地とその町々でこの言葉を言う、『正義のすみかよ、聖なる山よ、どうか主がおまえを祝福してくださるように』。

24ユダとそのすべての町の人、および農夫と群れを飼って歩き回る者は共にそこに住む。

25わたしが疲れた魂を飽き足らせ、すべて悩んでいる魂を慰めるからである」。

26ここでわたしは目をさましたが、わたしの眠りは、ここちよかった。

27「主は言われる、見よ、わたしが人の種と獣の種とをイスラエルの家とユダの家とにまく日が来る。

28わたしは彼らを抜き、砕き、倒し、滅ぼし、悩まそうと待ちかまえていたように、また彼らを建て、植えようと待ちかまえていると主は言われる。

29その時、彼らはもはや、『父がすっぱいぶどうを食べたので、子どもの歯がうく』 とは言わない。

30人はめいめい自分の罪によって死ぬ。すっぱいぶどうを食べる人はみな、その歯がうく。

31主は言われる、見よ、わたしがイスラエルの家とユダの家とに新しい契約を立てる日が来る。

32この契約はわたしが彼らの先祖をその手をとってエジプトの地から導き出した日に立てたようなものではない。わたしは彼らの夫であったのだが、彼らはそのわたしの契約を破ったと主は言われる。

33しかし、それらの日の後にわたしがイスラエルの家に立てる契約はこれである。すなわちわたしは、わたしの律法を彼らのうちに置き、その心にしるす。わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となると主は言われる。

34人はもはや、おのおのその隣とその兄弟に教えて、『あなたは主を知りなさい』とは言わない。それは、彼らが小より大に至るまで皆、わたしを知るようになるからであると主は言われる。わたしは彼らの不義をゆるし、もはやその罪を思わない」。

35主はこう言われる、すなわち 太陽を与えて昼の光とし、月と星とを定めて夜の光とし、海をかき立てて、その波を鳴りとどろかせる者―― その名は万軍の主という。

36主は言われる、「もしこの定めがわたしの前ですたれてしまうなら、イスラエルの子孫もすたって、永久にわたしの前で民であることはできない」。

37主はこう言われる、「もし上の天を量ることができ、下の地の基を探ることができるなら、そのとき、わたしはイスラエルのすべての子孫を そのもろもろの行いのために捨て去ると 主は言われる」。

38主は言われる、「見よ、この町が、ハナネルの塔から隅の門まで、主のために再建される時が来る。

39測りなわはそれよりも遠くまっすぐに延びて、ガレブの丘に達し、ゴアのほうに向かう。

40死体と灰との谷の全部、またキデロンの谷に行くまでと、東のほうの馬の門のすみに行くまでとのすべての畑はみな主の聖なる所となり、永遠にわたって、ふたたび抜かれ、また倒されることはない」。

鍵となる聖句

3節
主は遠くから彼に現れた。わたしは限りなき愛をもってあなたを愛している。それゆえ、わたしは絶えずあなたに 真実をつくしてきた。

神は永遠の愛を宣言されます。それは民の帰還に先立つ愛です。主の真実は、捕囚と罪にもかかわらず保たれ、人の応答にはよりません。

15-16節
主はこう仰せられる、「嘆き悲しみ、いたく泣く声がラマで聞える。ラケルがその子らのために嘆くのである。子らがもはやいないので、彼女はその子らのことで慰められるのを願わない」。 主はこう仰せられる、「あなたは泣く声をとどめ、目から涙をながすことをやめよ。あなたのわざに報いがある。彼らは敵の地から帰ってくると主は言われる。

ラケルは子らのために泣き、慰めを望みませんが、神は涙をとどめよと言われます。帰還が約束されているからです。マタイの福音書は、この情景をベツレヘムの出来事に重ねています。

20節
主は言われる、エフライムはわたしの愛する子、わたしの喜ぶ子であろうか。わたしは彼について語るごとに、なお彼を忘れることができない。それゆえ、わたしの心は彼をしたっている。わたしは必ず彼をあわれむ。

神は、エフライムはわたしの愛する子、わたしの喜ぶ子であると言い、心が彼を慕うと語られます。遠く離れていた者が帰るとき、心を動かされる神の姿が示されています。

31-34節
主は言われる、見よ、わたしがイスラエルの家とユダの家とに新しい契約を立てる日が来る。 この契約はわたしが彼らの先祖をその手をとってエジプトの地から導き出した日に立てたようなものではない。わたしは彼らの夫であったのだが、彼らはそのわたしの契約を破ったと主は言われる。 しかし、それらの日の後にわたしがイスラエルの家に立てる契約はこれである。すなわちわたしは、わたしの律法を彼らのうちに置き、その心にしるす。わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となると主は言われる。 人はもはや、おのおのその隣とその兄弟に教えて、『あなたは主を知りなさい』とは言わない。それは、彼らが小より大に至るまで皆、わたしを知るようになるからであると主は言われる。わたしは彼らの不義をゆるし、もはやその罪を思わない」。

これらの節は新しい契約を告げます。律法が心にしるされ、神を個人的に知り、罪がゆるされるのです。クリスチャンはここに、イエスが結ばれた契約を見ており、この箇所はヘブル人への手紙8章に引かれています。

説教が語っていること

2026年への渡りの夜:初めの愛を示しながらキリストと共に歩む牧師は3節に繰り返し立ち返ります。神は永遠の愛で愛してくださり、その愛は私たちの親の代にも、私たちが神を求めた日にも始まったのではありません。ゆるしによって恨みを空にし、新しい年に入るよう招きます。要約を読む →自分を新しくする:神があなたに律法を刻むとき説教者は33節を読みます。モーセには石の上に戒めを与えた神が、今は律法を思いと心にしるされます。それは、しっかりと立つ内なる刷新だと語ります。要約を読む →キリストにある新しい被造物の肖像このメッセージは、新しい創造物を、エレミヤが告げた新しい契約から生まれた者として示します。最初の契約の欠陥は人の側にあり、神は求めたことを守れるよう助けに来てくださいます。要約を読む →すべてが失敗したとき、神はどう世界を救うのか説教者は、エレミヤ書31章を捕囚の中の約束の中に位置づけます。新しい出エジプト、新しい王、新しい契約、新しい心です。イエスは、民にはできなかったことを成し遂げる方として示されます。要約を読む →聖なる民として神に従う(申命記19-21章)この学びは33節を引いて、二つの契約を区別します。新しい契約のもとでは、聖霊が律法を心にしるし、従順は強制ではなく、愛の応答となります。要約を読む →

エレミヤ書31章についてよくある質問

エレミヤ書31章31節から34節の新しい契約とはどういう意味ですか

神は、民が破ったシナイの契約とは異なる契約を告げられます。律法はもはや石に刻まれるだけでなく、心にしるされます。すべての人が神を個人的に知り、罪はゆるされます。クリスチャンはここに、ヘブル人への手紙8章が思い起こさせるように、イエスの血によって結ばれた契約を見ます。

エレミヤ書31章3節の「限りなき愛をもってあなたを愛している」とはどういう意味ですか

この節で神は捕囚の民に、わたしの愛には始まりも終わりもないと語られます。この愛が、民の失敗にもかかわらず、主が真実を尽くし続けてこられた理由です。多くの信者は、神の愛は自分の功績によらないという、個人への確かな保証としてこの節を読みます。

なぜエレミヤ書31章15節でラケルは子らのために泣くのですか

イスラエルの象徴的な母ラケルは、捕囚に連れ去られた子らのために泣いています。神はすぐに答えられます。泣く声をとどめよ、望みがある、子らは帰ってくる、と。マタイの福音書は、ベツレヘムの幼児虐殺の場面でこの情景を引き、神の慰めが痛みを超えることを示します。

エレミヤ書 31を引用している記事

← すべての章

口語訳(1955年)— パブリックドメイン。