聖書 — 口語訳 (1955)

ピリピ人への手紙 1

概要

ピリピ人への手紙1章は、パウロが獄中から書いた手紙の冒頭で、ピリピの教会への感謝にあふれています。パウロは、彼らの愛が豊かになるよう祈り、神が彼らのうちに始められた良いわざを完成してくださると確信を語ります。自分の投獄が福音の前進に役立ったこと、キリストが宣べ伝えられていることを喜んでいること、そして生きることはキリストであり、死ぬことは益であると述べます。最後に、敵を恐れず、一つになって堅く立つよう信者たちに呼びかけます。

この章の4つの区分

  1. 1-11節あいさつ、感謝、教会のための祈り
  2. 12-18節パウロの鎖が福音に役立つ
  3. 19-26節わたしにとっては、生きることはキリスト、死ぬことは益
  4. 27-30節福音にふさわしい生活、戦いの中で堅く立つ

1キリスト・イエスの僕たち、パウロとテモテから、ピリピにいる、キリスト・イエスにあるすべての聖徒たち、ならびに監督たちと執事たちへ。

2わたしたちの父なる神と主イエス・キリストから、恵みと平安とが、あなたがたにあるように。

3わたしはあなたがたを思うたびごとに、わたしの神に感謝し、

4あなたがた一同のために祈るとき、いつも喜びをもって祈り、

5あなたがたが最初の日から今日に至るまで、福音にあずかっていることを感謝している。

6そして、あなたがたのうちに良いわざを始められたかたが、キリスト・イエスの日までにそれを完成して下さるにちがいないと、確信している。

7わたしが、あなたがた一同のために、そう考えるのは当然である。それは、わたしが獄に捕われている時にも、福音を弁明し立証する時にも、あなたがたをみな、共に恵みにあずかる者として、わたしの心に深く留めているからである。

8わたしがキリスト・イエスの熱愛をもって、どんなに深くあなたがた一同を思っていることか、それを証明して下さるかたは神である。

9わたしはこう祈る。あなたがたの愛が、深い知識において、するどい感覚において、いよいよ増し加わり、

10それによって、あなたがたが、何が重要であるかを判別することができ、キリストの日に備えて、純真で責められるところのないものとなり、

11イエス・キリストによる義の実に満たされて、神の栄光とほまれとをあらわすに至るように。

12さて、兄弟たちよ。わたしの身に起った事が、むしろ福音の前進に役立つようになったことを、あなたがたに知ってもらいたい。

13すなわち、わたしが獄に捕われているのはキリストのためであることが、兵営全体にもそのほかのすべての人々にも明らかになり、

14そして兄弟たちのうち多くの者は、わたしの入獄によって主にある確信を得、恐れることなく、ますます勇敢に、神の言を語るようになった。

15一方では、ねたみや闘争心からキリストを宣べ伝える者がおり、他方では善意からそうする者がいる。

16後者は、わたしが福音を弁明するために立てられていることを知り、愛の心でキリストを伝え、

17前者は、わたしの入獄の苦しみに更に患難を加えようと思って、純真な心からではなく、党派心からそうしている。

18すると、どうなのか。見えからであるにしても、真実からであるにしても、要するに、伝えられているのはキリストなのだから、わたしはそれを喜んでいるし、また喜ぶであろう。

19なぜなら、あなたがたの祈と、イエス・キリストの霊の助けとによって、この事がついには、わたしの救となることを知っているからである。

20そこで、わたしが切実な思いで待ち望むことは、わたしが、どんなことがあっても恥じることなく、かえって、いつものように今も、大胆に語ることによって、生きるにも死ぬにも、わたしの身によってキリストがあがめられることである。

21わたしにとっては、生きることはキリストであり、死ぬことは益である。

22しかし、肉体において生きていることが、わたしにとっては実り多い働きになるのだとすれば、どちらを選んだらよいか、わたしにはわからない。

23わたしは、これら二つのものの間に板ばさみになっている。わたしの願いを言えば、この世を去ってキリストと共にいることであり、実は、その方がはるかに望ましい。

24しかし、肉体にとどまっていることは、あなたがたのためには、さらに必要である。

25こう確信しているので、わたしは生きながらえて、あなたがた一同のところにとどまり、あなたがたの信仰を進ませ、その喜びを得させようと思う。

26そうなれば、わたしが再びあなたがたのところに行くので、あなたがたはわたしによってキリスト・イエスにある誇を増すことになろう。

27ただ、あなたがたはキリストの福音にふさわしく生活しなさい。そして、わたしが行ってあなたがたに会うにしても、離れているにしても、あなたがたが一つの霊によって堅く立ち、一つ心になって福音の信仰のために力を合わせて戦い、

28かつ、何事についても、敵対する者どもにろうばいさせられないでいる様子を、聞かせてほしい。このことは、彼らには滅びのしるし、あなたがたには救のしるしであって、それは神から来るのである。

29あなたがたはキリストのために、ただ彼を信じることだけではなく、彼のために苦しむことをも賜わっている。

30あなたがたは、さきにわたしについて見、今またわたしについて聞いているのと同じ苦闘を、続けているのである。

鍵となる聖句

6節
そして、あなたがたのうちに良いわざを始められたかたが、キリスト・イエスの日までにそれを完成して下さるにちがいないと、確信している。

パウロは神の真実さへの確信を語ります。良いわざを始められた方が、キリスト・イエスの日までにそれを完成してくださいます。確信の土台は信者の一貫性ではなく、神にあります。

12節
さて、兄弟たちよ。わたしの身に起った事が、むしろ福音の前進に役立つようになったことを、あなたがたに知ってもらいたい。

パウロは、自分の身に起こったことが福音の前進に役立ったと知ってほしいと願います。牢獄はあかしの場となり、他の兄弟たちが恐れずに語る励ましとなりました。

21節
わたしにとっては、生きることはキリストであり、死ぬことは益である。

「生きることはキリストであり、死ぬことは益である」。パウロは、キリストを中心に置きます。そのため、死はもはや損ではありません。この節は生を軽んじているのではなく、生きる理由を明らかにしています。

27節
ただ、あなたがたはキリストの福音にふさわしく生活しなさい。そして、わたしが行ってあなたがたに会うにしても、離れているにしても、あなたがたが一つの霊によって堅く立ち、一つ心になって福音の信仰のために力を合わせて戦い、

パウロは福音にふさわしい生活を求めます。分裂させられたり、おびえたりするのではなく、一つの霊で堅く立ち、ともに戦うことです。

29節
あなたがたはキリストのために、ただ彼を信じることだけではなく、彼のために苦しむことをも賜わっている。

キリストを信じることだけでなく、彼のために苦しむことをも賜わっています。パウロは、信仰のゆえの苦しみを、失敗ではなく、道の一部として示しています。

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説教が語っていること

ピリピ人への手紙1章についてよくある質問

ピリピ1章21節の「生きることはキリストであり、死ぬことは益である」とはどういう意味ですか。

パウロは、キリストが自分の人生の中心であり、死ぬことはキリストとともにいることを意味すると言います。この節は生を軽んじていません。パウロはキリストと他の人々のために生きたいと願っています。イエスに属する人にとって、死は決定的な損失という性格を失います。

ピリピ1章6節はどういう意味ですか。

パウロは、彼らのうちに良いわざを始められた神が、キリスト・イエスの日までにそれを完成してくださると確信しています。この節は、神がご自分のわざを完成に導く真実さを表しています。前に進むことを免除するのではなく、安心を与えます。パウロはそのあと、彼らの愛が豊かになるよう祈っています。

なぜパウロは牢獄にいながら喜んでいるのですか。

パウロは、自分の鎖が福音の前進に役立ったと説明します。親衛隊は彼がキリストのために投獄されていることを知り、兄弟たちはいっそう確信をもって宣べ伝えています。ねたみから宣べ伝える者がいても、キリストが宣べ伝えられていることを喜びます。彼の喜びは、境遇ではなく使命から来ています。

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