聖書 — 口語訳 (1955)

マタイによる福音書 4

概要

バプテスマを受けたあと、イエスは御霊に導かれて荒野に行き、四十日間断食し、聖書に頼って悪魔の三つの誘惑を退けます。その後ガリラヤのカペナウムに退かれ、暗闇の中にすわっている民が大いなる光を見るというイザヤの言葉が実現します。イエスは悔い改めと御国の近さを宣べ伝えはじめ、ペテロ、アンデレ、ヤコブ、ヨハネを召して従わせ、教え、いやし、地方じゅうから集まる群衆を引きつけます。

この章の4つの区分

  1. 1-11節荒野で誘惑を受けるイエス:聖書から引かれた三つの答え
  2. 12-17節ガリラヤで:大いなる光と宣教の開始
  3. 18-22節最初の弟子たちの召命:わたしについて来なさい
  4. 23-25節教え、宣べ伝え、いやす:群衆はイエスに従う

1さて、イエスは御霊によって荒野に導かれた。悪魔に試みられるためである。

2そして、四十日四十夜、断食をし、そののち空腹になられた。

3すると試みる者がきて言った、「もしあなたが神の子であるなら、これらの石がパンになるように命じてごらんなさい」。

4イエスは答えて言われた、「『人はパンだけで生きるものではなく、神の口から出る一つ一つの言で生きるものである』と書いてある」。

5それから悪魔は、イエスを聖なる都に連れて行き、宮の頂上に立たせて

6言った、「もしあなたが神の子であるなら、下へ飛びおりてごらんなさい。『神はあなたのために御使たちにお命じになると、あなたの足が石に打ちつけられないように、彼らはあなたを手でささえるであろう』 と書いてありますから」。

7イエスは彼に言われた、「『主なるあなたの神を試みてはならない』とまた書いてある」。

8次に悪魔は、イエスを非常に高い山に連れて行き、この世のすべての国々とその栄華とを見せて

9言った、「もしあなたが、ひれ伏してわたしを拝むなら、これらのものを皆あなたにあげましょう」。

10するとイエスは彼に言われた、「サタンよ、退け。『主なるあなたの神を拝し、ただ神にのみ仕えよ』と書いてある」。

11そこで、悪魔はイエスを離れ去り、そして、御使たちがみもとにきて仕えた。

12さて、イエスはヨハネが捕えられたと聞いて、ガリラヤへ退かれた。

13そしてナザレを去り、ゼブルンとナフタリとの地方にある海べの町カペナウムに行って住まわれた。

14これは預言者イザヤによって言われた言が、成就するためである。

15「ゼブルンの地、ナフタリの地、海に沿う地方、ヨルダンの向こうの地、異邦人のガリラヤ、

16暗黒の中に住んでいる民は大いなる光を見、死の地、死の陰に住んでいる人々に、光がのぼった」。

17この時からイエスは教を宣べはじめて言われた、「悔い改めよ、天国は近づいた」。

18さて、イエスがガリラヤの海べを歩いておられると、ふたりの兄弟、すなわち、ペテロと呼ばれたシモンとその兄弟アンデレとが、海に網を打っているのをごらんになった。彼らは漁師であった。

19イエスは彼らに言われた、「わたしについてきなさい。あなたがたを、人間をとる漁師にしてあげよう」。

20すると、彼らはすぐに網を捨てて、イエスに従った。

21そこから進んで行かれると、ほかのふたりの兄弟、すなわち、ゼベダイの子ヤコブとその兄弟ヨハネとが、父ゼベダイと一緒に、舟の中で網を繕っているのをごらんになった。そこで彼らをお招きになると、

22すぐ舟と父とをおいて、イエスに従って行った。

23イエスはガリラヤの全地を巡り歩いて、諸会堂で教え、御国の福音を宣べ伝え、民の中のあらゆる病気、あらゆるわずらいをおいやしになった。

24そこで、その評判はシリヤ全地にひろまり、人々があらゆる病にかかっている者、すなわち、いろいろの病気と苦しみとに悩んでいる者、悪霊につかれている者、てんかん、中風の者などをイエスのところに連れてきたので、これらの人々をおいやしになった。

25こうして、ガリラヤ、デカポリス、エルサレム、ユダヤ及びヨルダンの向こうから、おびただしい群衆がきてイエスに従った。

鍵となる聖句

3-4節
すると試みる者がきて言った、「もしあなたが神の子であるなら、これらの石がパンになるように命じてごらんなさい」。 イエスは答えて言われた、「『人はパンだけで生きるものではなく、神の口から出る一つ一つの言で生きるものである』と書いてある」。

最初の誘惑は、空腹とアイデンティティを突きます。あなたが神の子ならと迫られ、イエスは申命記8章で答えます。人はパンだけで生きるのではなく、神の口から出る一つ一つのことばで生きるのです。

7節
イエスは彼に言われた、「『主なるあなたの神を試みてはならない』とまた書いてある」。

悪魔自身も聖書を引きますが、それを曲げています。イエスは同じ書の別のことばで答え、聖書は一つの節だけを取り出さず、全体の中で読むべきことを示しておられます。

10節
するとイエスは彼に言われた、「サタンよ、退け。『主なるあなたの神を拝し、ただ神にのみ仕えよ』と書いてある」。

三つ目の誘惑は、礼拝と引き換えに世の国々を差し出します。イエスは退けます。主だけが、礼拝され、仕えられるにふさわしい方だからです。

16-17節
暗黒の中に住んでいる民は大いなる光を見、死の地、死の陰に住んでいる人々に、光がのぼった」。 この時からイエスは教を宣べはじめて言われた、「悔い改めよ、天国は近づいた」。

暗やみの中にすわっていた者たちに光が昇り、そのあとイエスは宣べ伝えはじめます。悔い改めなさい、天国は近づいたからです。

19節
イエスは彼らに言われた、「わたしについてきなさい。あなたがたを、人間をとる漁師にしてあげよう」。

イエスは漁師たちを、ご自分に従うよう召し、人間をとる漁師にすると約束されます。召しは能力に先立ちます。まず従い、それから訓練されるのです。

この章に登場する人物

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説教が語っていること

神を知ること:真のウェイメーカーの本質説教者はマタイによる福音書4章3節と4節から語ります。いちばん弱いときに、イエスは、人は神のすべてのことばで生きると答えました。そこから、まず自分の霊を養い、神を知るようにとの呼びかけを引き出します。要約を読む →貪欲:あなたの初めの愛を奪う罠セレスタン・ヤオは、エデンと荒野を結びつけます。最初のアダムが失敗したことを、最後のアダムであるイエスが成し遂げられました。また、サタンが弱いときに攻撃してくることも示します。要約を読む →光は美しい、しかし力強い ― あなたの闇の中に来られたキリストバンジャマン・ペテルシュミットは、4章16節を引きます。暗やみの中にいた者たちに、光が昇りました。この光は力強く、過去、現在、未来に及ぶと語ります。要約を読む →「私についてきなさい。あなたを作り変えよう」:ペテロの召命トアン・リー・ティンは、ペテロの召しを黙想し、4章19節を引きます。わたしについて来なさいという二つの短い言葉は、クリスチャン生活を要約しており、召しは、何もうまくいかないときによく訪れます。要約を読む →決断の力:今日、仕えることを選び取る牧師は、三つ目の誘惑(マタイによる福音書4章8節から10節)を取り上げて、お金との関わりを語ります。サタンは多くの国々を差し出しますが、イエスはためらわず退けます。要約を読む →

マタイによる福音書4章についてよくある質問

なぜイエスは荒野で誘惑を受けられたのですか

本文は、四十日の断食のあと、誘惑を受けるために御霊に導かれたと語っています。多くの人は、荒野でのイスラエルの試練が、今回は成功のうちに繰り返されたと見ています。イエスは、自分の快適さのためにご自身の力を使わず、神のみことばに頼ることで、どう抵抗するかを示されました。

三つの誘惑に、イエスはそれぞれどう答えられましたか

毎回、申命記から引いておられます。空腹に対しては、人はパンだけで生きるのではないと答えます。宮のやりとりには、主なるあなたの神を試みてはならないと答えます。国々の申し出には、主なるあなたの神を拝し、ただ主のみに仕えよと答えます。どの答えも、近道を退け、信頼を選んでいます。

「人間をとる漁師」とはどういう意味ですか

イエスは、本職の漁師たちに語りかけ、彼らの仕事をたとえに用いています。彼らは、イエスのもとで学び、その導きの下で、人々を御国のために集めるよう召されています。約束は、わたしがあなたがたを人間をとる漁師にするというもので、形づくり、遣わすのはイエスであり、先立つ能力ではありません。

なぜイエスはカペナウムに住まわれたのですか

マタイは、これをイザヤ書9章の成就と見ています。軽んじられ、暗かったゼブルンとナフタリの地が、大いなる光を見るのです。イエスは、目立たない場所から宣教を始められ、御国がまず、それを必要とする人々に向けられていることを示しています。

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