士師記6章:レッテルを超えて大勇士と呼ばれたギデオン

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はじめに

「自分が何者かを知ることは、戦いに備え続けるために欠かせません」。トリニティ・チェルトナム(Trinity Cheltenham)のリーダーシップチームの一員であるヒルズ・グルー(Hils Grew)が、シリーズ「戦いへの備え(Fit For The Fight)」の第3回のメッセージを語ります。彼女が取り上げるのは、長年心に残り続けてきたギデオンの物語の始まりです。

彼女が注目するのは、ギデオンと主との出会いです。神がギデオンの考え方をどう揺さぶるのか、ギデオンが自分自身をどう見ているのか、そして戦いに入るときに神の国をもっと見るために、それがなぜ大切なのかを語ります。

神はギデオンを戦いに召す前に、彼が何者であるかを告げます。神はあなたにも同じようにされます。

メッセージの流れ

1. 霊的な物忘れの危険

  • ヒルズ・グルーはユーモアを交え、自分はうっかり屋だと話します。ある日、ノートパソコンで6週間かけて本を書いたあと、そのパソコンが見つからなくなりました。盗まれたと思い込み、警察に連絡しましたが、結局は職場の離れた机の上で見つかりました。警察の時間を無駄にするのは違反行為だということも、その時に学んだそうです。
  • 物をどこに置いたかを忘れても、たいていは大した問題ではありません。けれども、空港に着いてからパスポートを忘れたり、重い病気があるのに薬を忘れたりすれば、深刻な結果になります。
  • 神によれば、神の民は忘れやすいものです。聖書の中で神は繰り返し「覚えなさい」と語ります。わたしがあなたがたのためにしたこと、わたしが誰であるか、あなたがたが誰であるかを覚えなさい、と。ヒルズ・グルーはこれを「霊的な物忘れ」と呼びます。
  • 彼女は前年の終わりに自国で行われた調査を紹介します。クリスチャンは1億1,400万時間のボランティア活動をささげ、教会は25万件を超える不可欠なサービスを人々に提供しています。それでも一般の人々は、教会を真理の霊的な柱や、本来あるべき祈りの家としてではなく、地域の慈善団体として見るようになっています。
  • 「どこかで、私たちは自分が何者として召されているのかを忘れてしまったのではないでしょうか」。信仰と勇気、そして祈りというシリーズの最初のテーマに続き、このメッセージは、自分が何者かを知り、神の子どもとしてのアイデンティティを思い出すことを語ります。
  • 箴言4章23節は彼女の好きな聖句のひとつです。「あなたはすべての守るものにまさって、あなたの心を守れ、命の泉は、これから流れ出るからである。」あなたの人生を導くのは、銀行口座でも、人間関係でも、影響力でもありません。あなたの思いです。あなたが神をどう考えているか、そして神があなたをどう見ておられるかは、あなたの歩む人生に大きな影響を与えます。

2. 控え席から出ていく召命

  • 士師記では、イスラエルは約束の地に住んでいます。民は士師がいる間は神を求め、士師が死ぬと背きます。「それぞれ自分の目に正しいと見えることを行った」という言葉が繰り返されます。
  • 収穫のたびにミデアン人が国に攻め入り、作物を荒らします。民は極度の貧しさの中に置かれます。虐げられ、弱り、怯え、落胆し、いつも後退しています。多くの人がこう思っていました。「主よ、あなたが共におられたなら、こんなことは起こらなかったはずです」。
  • 主の使いがオフラのかしの木の下に来て座ります。ギデオンはミデアン人から隠すために、酒ぶねの中で小麦を打っていました。使いは彼に言います。「大勇士よ、主はあなたと共におられます。」ギデオンは答えます。主が私たちと共におられるなら、なぜこれらのことがすべて私たちに起こったのか、主の驚くべき御業はどこにあるのか、と。主は彼に言われます。「あなたはこのあなたの力をもって行って、イスラエルをミデアンの手から救い出しなさい。わたしがあなたをつかわすのではないか」(士師記6章11〜14節)。
  • これは戦いに入りなさいという神の召しです。観客席を離れ、隠れ場所から出て、フィールドに降りていくことです。敵は働いていて、神の計画と約束が実現するのを妨げています。神はこのシリーズを通して、私たちにも同じ召しを語っておられます。
  • 旧約聖書の物語は、霊的な現実を映し出しています。神は小さな民を奴隷の身分から救い出し、紅海を渡らせました。それは私たちの回心の姿です。神は私たちを暗やみの力から救い出し、その愛する御子の支配の下に移してくださいました(コロサイ1章13節:「神は、わたしたちを暗やみの力から救い出して、その愛する御子の支配の下に移して下さった。」)。
  • 約束の地は神の国を表しています。「神の国は飲食ではなく、義と平和と、聖霊における喜びとである」(ローマ14章17節)。平和、喜び、自由、癒し、回復。これはイエスが十字架で敵の手から取り戻し、ご自分のすべての子どもたちに与えてくださる受け継ぎです。

3. 取りに行くべき受け継ぎ

  • ここにパラドックスがあります。それは贈り物ですが、自分で受け取りに行かなければなりません。私たちは良い行いによってそれを得るのではありませんが、それを追い求め、そのために戦わなければなりません。
  • ヒルズ・グルーは、2009年に亡くなったマイケル・ジャクソンの例を挙げます。彼は遺産を母親と3人の子どもたちに残しました。父親と兄弟たちは遺産の大きさを知ると、遺言に異議を唱えました。裁判官がすべてを母親と子どもたちに認めるまでに、3年に及ぶ手続きが必要でした。それは贈り物でしたが、自分のものとするために戦わなければならなかったのです。
  • 私たちは戦闘地帯に生まれました。聖書によれば、イエスが再び来られるまで、敵がこの世の君です。今週、人生の中で爆弾が破裂するのを見た人、地雷を踏んだ人、痛みや試練をもたらすミサイルを受けた人がいるかもしれません。
  • 荒野で、イスラエルは入ることを拒みました。その地はあまりに恐ろしく、敵はあまりに強く見えたのです。神は民を養い続け、衣服はすり切れず、食べ物も尽きませんでしたが、その世代は同じ場所をぐるぐる回り、荒野で死にました。神が備えていた人生を逃してしまったのです。
  • あなたには、もっと大きな人生が差し出されています。今の人生が足りないからではなく、神の国はいつも、より多くを約束しているからです。

4. 神がギデオンについて宣言したこと

  • ギデオンは異議を唱えます。「ああ主よ、わたしは何をもってイスラエルを救えましょうか。わたしの家はマナセのうちで最も貧しい者です。またわたしは父の家で最も小さい者です。」神は答えます。「わたしがあなたと共にいるから、あなたはひとりのように、ミデアンびとを撃ち破るであろう」(士師記6章15〜16節)。ギデオンはわずか300人で勝利し、国は40年のあいだ平穏になります(士師記8章28節)。
  • ギデオンにとって、すべてはどこから始まったのでしょうか。12節で、神の宣言から始まりました。しかもこの宣言は神ご自身についてではなく、ギデオンについてのものです。神は、ギデオンが自分をどう見ているかを正しておられます。
  • 神は「隠れている理由はわかる、落胆しているのも知っている」と言うこともできました。それは事実でした。けれども神は「大勇士よ」と言われました。神はギデオンの失望をご覧になっていましたが、神の目に映るギデオンについての最も大きな真理は、彼が大勇士であるということでした。
  • 「敵は、あなたがあなただというだけで煩わされるのではありません。敵が煩わされるのは、あなたが自分が誰であるかを知るときです。聖霊があなたのうちに住んでおられるからです。」
  • 聖書はあなたについて多くのことを語っています。あなたは神の作品であり、神のひとみであり、神の息子または娘であり、深く愛されている者であり、証人です。パウロは、私たちは勝ち得て余りある者だと言います(ローマ8章37節:「しかし、わたしたちは、わたしたちを愛して下さったかたによって、これらすべての事において勝ち得て余りがある。」)。あなたはまた「義のかしわの木」(イザヤ61章3節)であり、祭司でもあります。
  • 遠い将来のある日、十分な祈りと断食、特別な油注ぎ、もっと多くの経験を重ねた後のことではありません。「あなたは勝利者です。今です。」

5. 人を閉じ込めるレッテル

  • ギデオンは神に同意しません。「はい、ジェイソン・ボーンとでも呼んでください」とは言いません。彼は敬意をもって議論します。「わたしが大勇士なら、なぜこんなことがすべて起こるのですか。」その答えは謙遜に聞こえますが、そうではありません。彼は落胆して、酒ぶねの中に隠れているのです。
  • ギデオンは、神が自分をどう見ておられるかをまったく知りませんでした。神がイスラエルを紅海から出たときに軍隊にしてくださったことも、忘れていました。彼は、人々や状況、そして自分自身の思いが貼りつけたレッテルの下で身動きが取れなくなっていました。あなたは弱すぎる、あなたの家は価値がない、あなたの部族は弱い、神はあなたと共におられない、あなたは何の役にも立たない、と。
  • 彼はそれを信じていました。口から出てくるのがその言葉だったからです。「自分が何を信じているか知りたければ、自分の口から出てくるものに耳を傾けなさい。」心にあふれることを、口が語るのです(ルカ6章45節:「心からあふれることを、口が語るのである。」)。
  • 私たちの文化は、かつてないほど強く、起こったこと、言われたこと、してきたこと、他人が自分について言うことの上に、自分のアイデンティティを築くよう私たちを促します。
  • レッテルは私たちの能力を制限し、頭上に天井を作り、私たちを箱の中に閉じ込めます。箱の中で長い時間を過ごすと、自分はその箱ではないと信じるのが難しくなります。
  • 彼女は、私たちが背負っている他のレッテルも挙げます。私は役に立たない母親だ、ひどい配偶者だ、私は面倒な人間だ、私には必要なものがない、年を取りすぎている、若すぎる、貧しすぎる、私にはもう遅すぎる、といったものです。

6. 選択:神に同意すること

  • ギデオンは単純な選択に直面します。それは私たちが毎日直面する選択と同じです。自分の感情や状況に同意するか、神に同意するかです。神がひとつのことを語り、レッテルが別のことを語るとき、思いの中に新しい道を作るには、本当の努力が必要です。
  • 誰があなたのアイデンティティを決めるのでしょうか。父なる神でしょうか、それとも、あなたの過去、家族、文化、かつての行いでしょうか。
  • 問題は、自分が勝利者だと感じるかどうか、神の最高傑作やひとみだと感じるかどうかではありません。問いはこうです。それが父なる神があなたについて語っていることだからというだけで、それを信じるために戦いますか。
  • なぜこれがそれほど大切なのでしょうか。神は私たちをいつも愛してくださいますが、取るべき神の国の領土があります。私たちは近所のために「御国が来ますように」と祈りますが、酒ぶねの中で、レッテルの囚われ人として生きているなら、それを見ることはできません。
  • 敵はこれらのレッテルが残ることを望んでいます。神はそれを取り除きたいと願っておられます。私たちが神に耳を傾け、神に同意するために戦うとき、神にその機会を与えることになります。ギデオンが戦いの備えができていなかったのは、自分について信じていたことのためでした。

7. 娘さんの証しと、あなた自身の戦い

  • 彼女の娘さんが、高校最後の年について語ります。彼女は学校のクリスチャンのグループを導いていましたが、神がもっと大きなことのために自分を用いたいと願っておられると感じていました。学校でアルファコースを始めようという考えが浮かびます。するとすぐに、自分で障害を並べてしまいます。生徒にそんなことができるのだろうか、と。
  • 祈っていると、神がこう語りかけるのが聞こえました。「わたしが必要としているのは、あなたの同意だけです。わたしは、あなたの能力よりも、あなたの献身を必要としています。」彼女は昼休みに行う許可を得ます。
  • 宗教教育の責任者はクリスチャンではありませんでしたが、ちょうどスピリチュアリティについての1週間のために、クリスチャンの講師を探していました。彼女は、金曜朝の1,000人の生徒の前での集会に時間を与えてくれました。最初の2週間は40人から50人の生徒が来ました。教会のメンバーが食事の費用を負担し、毎週ケーキを焼く人がいて、聖書を贈る人もいました。5人がイエスに従う決心をし、2人が教会でバプテスマを受けました。翌年は友人がコースを引き継ぎ、規模は倍になりました。
  • 「彼女は17歳でした。」経験も資源もありませんでしたが、神がいる場所でそのまま自分を用いたいと願っておられると信じていました。彼女は酒ぶねの中にとどまることもできたのです。「私たちは酒ぶねの中で人生を過ごすことも、神が備えてくださったすべてのものの中に入っていくこともできます。」
  • 戦いは失望や傷をもたらします。神が私たちについて語ることを信じなければ、私たちは後退して洞穴にとどまります。だからこそ「来ては行く」という動きが大切です。神の御前に来て、神の力をいただいてまた出ていくのです。聖書を、義務からではなく、神が何を約束し、あなたを何者だと言っておられるかを発見するために読みます。月曜の朝から始めましょう。
  • あなたの戦いは何でしょうか。主との定期的な時間を見つけること、落胆に打ち勝つこと、柔らかい心を保つこと、赦すこと、苦い思いを手放すこと、耐え抜くこと、ある人間関係のために、無関心や不信仰に対して戦うこと。ヒルズ・グルーは、誰かのために祈りましょうかと申し出るのを妨げるのが不信仰であることもあると認めています。それは職場の祈りの会かもしれませんし、学校でのアルファコースかもしれません。
  • 彼女は、神が語ることをもう一度繰り返して締めくくります。あなたは神のひとみであり、神の息子、神の娘であり、選ばれ、実を結ぶ人生へと召されています。ある人たちには、今夜こう語られます。「あなたがたを人間をとる漁師にしてあげよう」(マタイ4章19節)。あなたは神の大使であり、証人であり、最高傑作であり、深く愛された勝利者です。ギデオンのように、そう感じても感じなくても。

要点

  • 神の民は自分が何者かを忘れがちです。それは霊的な物忘れであり、私たちを戦いに不向きにします。
  • ギデオンを遣わす前に、神は彼について宣言しました。あなたについての最も大きな真理は、神があなたについて語っていることです。
  • 他人や状況、自分の思いから受け取ったレッテルは、可能だと信じられることを狭め、私たちを酒ぶねの中に隠れさせます。
  • 神の国は贈り物ですが、取りに行かなければなりません。感じられなくても、神が語ることを信じるために戦うのです。
  • 神は、あなたの能力よりもあなたの献身を求めておられます。神は、あなたがいる場所であなたを用いることができます。

個人的な適用

  • あなたは今日、自分自身にどんなレッテルを貼っていますか。年を取りすぎている、若すぎる、十分ではない、もう遅すぎる、など。
  • 自分について話すとき、口から何が出てきますか。それはあなたが何を信じているかを、どう表していますか。
  • 神があなたについて語っていること(愛されている、選ばれている、神の作品、勝ち得て余りある者)のうち、最も信じにくいのはどれですか。
  • 今のあなたの「酒ぶね」はどこですか。落胆して隠れてしまっている場所はどこでしょうか。
  • 今週、神があなたに求めておられる具体的な戦いは何ですか。赦すこと、誰かのために祈ること、新しい取り組みを始めることなど。

引用された聖句

よくある質問

なぜ神は、隠れているギデオンを「大勇士」と呼ぶのですか。

神は、酒ぶねの中に隠れ、打ちひしがれて落胆しているギデオンを見つけます。神はそのすべてをご覧になっていますが、ヒルズ・グルーによれば、神の目に映るギデオンについての最も大きな真理は、彼が大勇士であるということです。神は、ギデオンが自分をどう見ているかを正すために、まず彼についての宣言から始められます。

説教者が語る「レッテル」とは何ですか。

人々や状況、そして私たち自身の思いが私たちに貼りつけるアイデンティティのことです。あなたは弱い、あなたの家は価値がない、神はあなたと共におられない、あなたは何の役にも立たない、といったものです。こうしたレッテルは、自分にできると思えることを制限し、頭上に天井を作り、私たちを箱の中に閉じ込めます。

なぜ神が私たちについて語ることを信じるのが大切なのですか。

神は私たちを愛することをやめることはありませんが、まだ取るべき神の国の領土が残っています。ヒルズ・グルーは、酒ぶねの中でレッテルの囚われ人として生きているなら、神が私たちを植えてくださった場所で神の国が広がるのを見ることはできないと説明します。感じられなくても、神が語ることに同意するために戦わなければなりません。

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