聖書 — 口語訳 (1955)

申命記 6

概要

申命記6章には、イスラエルの信仰の中心的な宣言であるシェマ、「イスラエルよ聞け」が記されています。モーセは、約束の地を目前にしたイスラエルの民に、主こそ唯一の神であり、心をつくし、精神をつくし、力をつくして愛さなければならないと語ります。この愛は、家庭で日々の暮らしの中で子どもたちに教えられ、豊かさの中でも、民をエジプトから導き出された方を忘れないことによって守られます。この章は、ほかの神々への警告を語り、これらの命令の意味を、解放の歴史によって子どもたちに説明します。

この章の4つの区分

  1. 1-3節聞いて行うこと:命令の目的
  2. 4-9節シェマ:唯一の神、全き愛、伝えられる言葉
  3. 10-19節豊かさの中で神を忘れず、ほかの神々に従わない
  4. 20-25節子どもに説明する:エジプトからの解放の歴史

1これはあなたがたの神、主があなたがたに教えよと命じられた命令と、定めと、おきてであって、あなたがたは渡って行って獲る地で、これを行わなければならない。

2これはあなたが子や孫と共に、あなたの生きながらえる日の間、つねにあなたの神、主を恐れて、わたしが命じるもろもろの定めと、命令とを守らせるため、またあなたが長く命を保つことのできるためである。

3それゆえ、イスラエルよ、聞いて、それを守り行え。そうすれば、あなたはさいわいを得、あなたの先祖の神、主があなたに言われたように、乳と蜜の流れる国で、あなたの数は大いに増すであろう。

4イスラエルよ聞け。われわれの神、主は唯一の主である。

5あなたは心をつくし、精神をつくし、力をつくして、あなたの神、主を愛さなければならない。

6きょう、わたしがあなたに命じるこれらの言葉をあなたの心に留め、

7努めてこれをあなたの子らに教え、あなたが家に座している時も、道を歩く時も、寝る時も、起きる時も、これについて語らなければならない。

8またあなたはこれをあなたの手につけてしるしとし、あなたの目の間に置いて覚えとし、

9またあなたの家の入口の柱と、あなたの門とに書きしるさなければならない。

10あなたの神、主は、あなたの先祖アブラハム、イサク、ヤコブに向かって、あなたに与えると誓われた地に、あなたをはいらせられる時、あなたが建てたものでない大きな美しい町々を得させ、

11あなたが満たしたものでないもろもろの良い物を満たした家を得させ、あなたが掘ったものでない掘り井戸を得させ、あなたが植えたものでないぶどう畑とオリブの畑とを得させられるであろう。あなたは食べて飽きるであろう。

12その時、あなたはみずから慎み、エジプトの地、奴隷の家から導き出された主を忘れてはならない。

13あなたの神、主を恐れてこれに仕え、その名をさして誓わなければならない。

14あなたがたは他の神々すなわち周囲の民の神々に従ってはならない。

15あなたのうちにおられるあなたの神、主はねたむ神であるから、おそらく、あなたに向かって怒りを発し、地のおもてからあなたを滅ぼし去られるであろう。

16あなたがたがマッサでしたように、あなたがたの神、主を試みてはならない。

17あなたがたの神、主があなたがたに命じられた命令と、あかしと、定めとを、努めて守らなければならない。

18あなたは主が見て正しいとし、良いとされることを行わなければならない。そうすれば、あなたはさいわいを得、かつ主があなたの先祖に誓われた、あの良い地にはいって、自分のものとすることができるであろう。

19また主が仰せられたように、あなたの敵を皆あなたの前から追い払われるであろう。

20後の日となって、あなたの子があなたに問うて言うであろう、『われわれの神、主があなたがたに命じられたこのあかしと、定めと、おきてとは、なんのためですか』。

21その時あなたはその子に言わなければならない。『われわれはエジプトでパロの奴隷であったが、主は強い手をもって、われわれをエジプトから導き出された。

22主はわれわれの目の前で、大きな恐ろしいしるしと不思議とをエジプトと、パロとその全家とに示され、

23われわれをそこから導き出し、かつてわれわれの先祖に誓われた地にはいらせ、それをわれわれに賜わった。

24そして主はこのすべての定めを行えと、われわれに命じられた。これはわれわれの神、主を恐れて、われわれが、つねにさいわいであり、また今日のように、主がわれわれを守って命を保たせるためである。

25もしわれわれが、命じられたとおりに、このすべての命令をわれわれの神、主の前に守って行うならば、それはわれわれの義となるであろう』。

鍵となる聖句

4節
イスラエルよ聞け。われわれの神、主は唯一の主である。

これはシェマの冒頭で、敬虔なユダヤ人が毎日唱える祈りです。主は唯一であり、ほかのどの神もその座を分かち持たないと告白しています。

5節
あなたは心をつくし、精神をつくし、力をつくして、あなたの神、主を愛さなければならない。

イエスはこの節を、最も大切な戒めとして引用されました。求められている愛は、単なる感情ではありません。愛情、意志、力という、存在のすべてを注ぐものです。

6-7節
きょう、わたしがあなたに命じるこれらの言葉をあなたの心に留め、 努めてこれをあなたの子らに教え、あなたが家に座している時も、道を歩く時も、寝る時も、起きる時も、これについて語らなければならない。

信仰は、宗教的な特別な時間だけで伝えられるものではありません。親は、家で、道を歩くとき、寝るときも起きるときも、それについて語ります。神の言葉は、ふだんの暮らしの一部なのです。

12節
その時、あなたはみずから慎み、エジプトの地、奴隷の家から導き出された主を忘れてはならない。

本当の危険は豊かさです。満ち足りて食べ、自分で建てたのではない家に住むとき、すべてを与えてくださった方を忘れてしまうことがあります。モーセは、エジプトとそこからの解放を思い出すよう招きます。

15節
あなたのうちにおられるあなたの神、主はねたむ神であるから、おそらく、あなたに向かって怒りを発し、地のおもてからあなたを滅ぼし去られるであろう。

神は「ねたむ神」と呼ばれます。この言葉は、小さな嫉妬ではなく、夫が妻に向けるような排他的な愛を表します。神は、契約の関係をほかの神々と分かち合われないということです。

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説教が語っていること

申命記6章についてよくある質問

シェマ・イスラエルとは何ですか

シェマは、ヘブル語の最初の言葉「聞け」に由来し、申命記6章4節から9節に基づく、ユダヤ教の中心的な祈りです。主だけが神であるという告白から始まり、心をつくし、精神をつくし、力をつくして主を愛するよう呼びかけます。伝統的に、朝と夕に唱えられます。イエスはこれを、最も大切な戒めとして取り上げられました。

「心をつくし、精神をつくし、力をつくして」とはどういう意味ですか

三つの表現は、同じ要求を語っています。出し惜しみなく神を愛することです。心は意志と愛情の座、精神は人そのものの命、力はあらゆる能力を指します。イエスがこの本文を引用されたときは、思いが加えられています。ですから、求められている愛は、宗教的な感情だけでなく、その人全体にかかわるものです。

申命記6章15節で、神はなぜ「ねたむ神」と呼ばれるのですか

この言葉は、小さな嫉妬ではなく、結婚に例えられるような、契約の排他的な愛を表します。神は民を救い出し、分かたれない忠実を求められます。この箇所は、その論理で読まれます。ほかの神々に従うことは契約を破ることであり、だからこそ本文は、この不忠実を重く語っています。

申命記6章によると、信仰を子どもにどう伝えればよいですか

本文は簡単な方法を示します。神の言葉を親の心に留め、それを家で、道を歩くとき、寝るときも起きるときも、子どもたちに語ることです。子どもが命令の意味を尋ねたら、エジプトからの解放を語って聞かせます。伝えるとは、授業よりも、物語と日々の暮らしによるものです。

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