聖書 — 口語訳 (1955)
申命記 8
概要
申命記8章で、モーセは約束の地に入ろうとする民に語りかけます。荒野の四十年を覚えるようにと求めます。神は民を苦しめ、試み、マナで養われました。人はパンだけでは生きず、主の口から出るすべてのことばによって生きることを知らせるためでした。続いて、待っている良い地を描き、そして警告します。豊かさの中で、主を忘れてはならず、自分の力がこの富を生んだと言ってはなりません。富を得る力を与えるのは主だからです。
この章の4つの区分
1わたしが、きょう、命じるこのすべての命令を、あなたがたは守って行わなければならない。そうすればあなたがたは生きることができ、かつふえ増し、主があなたがたの先祖に誓われた地にはいって、それを自分のものとすることができるであろう。
2あなたの神、主がこの四十年の間、荒野であなたを導かれたそのすべての道を覚えなければならない。それはあなたを苦しめて、あなたを試み、あなたの心のうちを知り、あなたがその命令を守るか、どうかを知るためであった。
3それで主はあなたを苦しめ、あなたを飢えさせ、あなたも知らず、あなたの先祖たちも知らなかったマナをもって、あなたを養われた。人はパンだけでは生きず、人は主の口から出るすべてのことばによって生きることをあなたに知らせるためであった。
4この四十年の間、あなたの着物はすり切れず、あなたの足は、はれなかった。
5あなたはまた人がその子を訓練するように、あなたの神、主もあなたを訓練されることを心にとめなければならない。
6あなたの神、主の命令を守り、その道に歩んで、彼を恐れなければならない。
7それはあなたの神、主があなたを良い地に導き入れられるからである。そこは谷にも山にもわき出る水の流れ、泉、および淵のある地、
8小麦、大麦、ぶどう、いちじく及びざくろのある地、油のオリブの木、および蜜のある地、
9あなたが食べる食物に欠けることなく、なんの乏しいこともない地である。その地の石は鉄であって、その山からは銅を掘り取ることができる。
10あなたは食べて飽き、あなたの神、主がその良い地を賜わったことを感謝するであろう。
11あなたは、きょう、わたしが命じる主の命令と、おきてと、定めとを守らず、あなたの神、主を忘れることのないように慎まなければならない。
12あなたは食べて飽き、麗しい家を建てて住み、
13また牛や羊がふえ、金銀が増し、持ち物がみな増し加わるとき、
14おそらく心にたかぶり、あなたの神、主を忘れるであろう。主はあなたをエジプトの地、奴隷の家から導き出し、
15あなたを導いて、あの大きな恐ろしい荒野、すなわち火のへびや、さそりがいて、水のない、かわいた地を通り、あなたのために堅い岩から水を出し、
16先祖たちも知らなかったマナを荒野であなたに食べさせられた。それはあなたを苦しめ、あなたを試みて、ついにはあなたをさいわいにするためであった。
17あなたは心のうちに『自分の力と自分の手の働きで、わたしはこの富を得た』と言ってはならない。
18あなたはあなたの神、主を覚えなければならない。主はあなたの先祖たちに誓われた契約を今日のように行うために、あなたに富を得る力を与えられるからである。
19もしあなたの神、主を忘れて他の神々に従い、これに仕え、これを拝むならば、――わたしは、きょう、あなたがたに警告する。――あなたがたはきっと滅びるであろう。
20主があなたがたの前から滅ぼし去られる国々の民のように、あなたがたも滅びるであろう。あなたがたの神、主の声に従わないからである。
鍵となる聖句
あなたの神、主がこの四十年の間、荒野であなたを導かれたそのすべての道を覚えなければならない。それはあなたを苦しめて、あなたを試み、あなたの心のうちを知り、あなたがその命令を守るか、どうかを知るためであった。
神は、民を苦しめて試み、その心のうちを知るために、荒野へ導かれました。荒野は形づくるだけでなく、内側をあらわにもします。
それで主はあなたを苦しめ、あなたを飢えさせ、あなたも知らず、あなたの先祖たちも知らなかったマナをもって、あなたを養われた。人はパンだけでは生きず、人は主の口から出るすべてのことばによって生きることをあなたに知らせるためであった。
「人はパンだけでは生きず、人は主の口から出るすべてのことばによって生きる」。イエスは荒野で誘惑する者に対して、この聖句を引かれます(マタイによる福音書4章4節)。
あなたはまた人がその子を訓練するように、あなたの神、主もあなたを訓練されることを心にとめなければならない。
神はご自分の民を、人がその子を訓練するように訓練されます。この節は、試練を、苛酷な者の気まぐれではなく、父による養育として示しています。
あなたは、きょう、わたしが命じる主の命令と、おきてと、定めとを守らず、あなたの神、主を忘れることのないように慎まなければならない。 あなたは食べて飽き、麗しい家を建てて住み、 また牛や羊がふえ、金銀が増し、持ち物がみな増し加わるとき、 おそらく心にたかぶり、あなたの神、主を忘れるであろう。主はあなたをエジプトの地、奴隷の家から導き出し、
豊かさ、麗しい家、群れが訪れると、「おそらく心にたかぶり、あなたの神、主を忘れるであろう」という危険があります。本文は、高ぶりはしばしば快適さから生まれると警告しています。
あなたは心のうちに『自分の力と自分の手の働きで、わたしはこの富を得た』と言ってはならない。 あなたはあなたの神、主を覚えなければならない。主はあなたの先祖たちに誓われた契約を今日のように行うために、あなたに富を得る力を与えられるからである。
「自分の力と自分の手の働きで、わたしはこの富を得た」。モーセはこの考えを正します。契約を確かなものとするために、「富を得る力を与えられる」のは神なのです。
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説教が語っていること
申命記8章についてよくある質問
「人はパンだけでは生きず」とはどういう意味ですか。
申命記8章3節は、神が民をマナで養われたのは、いのちが物質的な食物だけによるのではなく、神のすべての言葉によることを教えるためだったと説明しています。イエスは荒野での誘惑に答えるために、この聖句を引かれます(マタイによる福音書4章4節)。
神はなぜ荒野で民を試みられたのですか。
本文が理由を示しています。民を苦しめて試み、その心のうちを知り、そのあとで恵みを与えるためです(2節と16節)。モーセは、この試みを、父が子を戒めることにたとえています。目的は、神への依存を教えることであり、滅ぼすことではありません。
11節から18節に描かれている危険とは何ですか。
豊かさの中で、民は神を忘れ、自分の力が富を生んだと思い込むおそれがあります。モーセは、富を得る力を与えるのは神だと思い起こさせます。本文は、感謝と記憶を求めています。高ぶりに対する二つの薬です。
申命記 8を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。