聖書 — 口語訳 (1955)
イザヤ書 41
概要
イザヤ書41章は、捕囚の民イスラエルを慰める部分にあります。神は諸国民と、人の手で造られた偶像を相手に弁論し、歴史を導くのはご自分だけであることを示されます。続いて、選ばれ愛されたしるし、ヤコブに向かって、有名になった慰めの言葉を語ります。恐れるな、わたしがあなたとともにいる。神は弱い者たちに助けを約束し、荒野に水を与え、最後に偶像に向かって、存在するというなら証明してみよと挑まれます。
この章の4つの区分
1海沿いの国々よ、静かにして、わたしに聞け。もろもろの民よ、力を新たにし、近づいて語れ。われわれは共にさばきの座に近づこう。
2だれが東から人を起したか。彼はその行く所で勝利をもって迎えられ、もろもろの国を征服し、もろもろの王を足の下に踏みつけ、そのつるぎをもって彼らをちりのようにし、その弓をもって吹き去られる、わらのようにする。
3彼はこれらの者を追って その足のまだ踏んだことのない道を、安らかに過ぎて行く。
4だれがこの事を行ったか、なしたか。だれが初めから世々の人々を呼び出したか。主なるわたしは初めであって、また終りと共にあり、わたしがそれだ。
5海沿いの国々は見て恐れ、地の果は、おののき、近づいて来た。
6彼らはおのおのその隣を助け、その兄弟たちに言う、「勇気を出せよ」と。
7細工人は鍛冶を励まし、鎚をもって平らかにする者は金敷きを打つ者に、はんだづけについて言う、「それは良い」と。また、くぎをもってそれを堅くし、動くことのないようにする。
8しかし、わがしもべイスラエルよ、わたしの選んだヤコブ、わが友アブラハムの子孫よ、
9わたしは地の果から、あなたを連れてき、地のすみずみから、あなたを召して、あなたに言った、「あなたは、わたしのしもべ、わたしは、あなたを選んで捨てなかった」と。
10恐れてはならない、わたしはあなたと共にいる。驚いてはならない、わたしはあなたの神である。わたしはあなたを強くし、あなたを助け、わが勝利の右の手をもって、あなたをささえる。
11見よ、あなたにむかって怒る者はみな、はじて、あわてふためき、あなたと争う者は滅びて無に帰する。
12あなたは、あなたと争う者を尋ねても見いださず、あなたと戦う者は全く消えうせる。
13あなたの神、主なるわたしは あなたの右の手をとってあなたに言う、「恐れてはならない、わたしはあなたを助ける」。
14主は言われる、「虫にひとしいヤコブよ、イスラエルの人々よ、恐れてはならない。わたしはあなたを助ける。あなたをあがなう者はイスラエルの聖者である。
15見よ、わたしはあなたを鋭い歯のある 新しい打穀機とする。あなたは山を打って、これを粉々にし、丘をもみがらのようにする。
16あなたがあおげば風はこれを巻き去り、つむじ風がこれを吹き散らす。あなたは主によって喜び イスラエルの聖者によって誇る。
17貧しい者と乏しい者とは水を求めても、水がなく、その舌がかわいて焼けているとき、主なるわたしは彼らに答える、イスラエルの神なるわたしは 彼らを捨てることがない。
18わたしは裸の山に川を開き、谷の中に泉をいだし、荒野を池となし、かわいた地を水の源とする。
19わたしは荒野に香柏、アカシヤ、ミルトスおよびオリブの木を植え、さばくに、いとすぎ、すずかけ、からまつをともに置く。
20人々はこれを見て、主のみ手がこれをなし、イスラエルの聖者がこれを創造されたことを知り、かつ、よく考えて共に悟る」。
21主は言われる、「あなたがたの訴えを出せ」と。ヤコブの王は言われる、「あなたがたの証拠を持ってこい。
22それを持ってきて、起るべき事をわれわれに告げよ。さきの事どもの何であるかを告げよ。われわれはよく考えて、その結末を知ろう。あるいはきたるべき事をわれわれに聞かせよ。
23この後きたるべき事をわれわれに告げよ。われわれはあなたがたが神であることを 知るであろう。幸をくだし、あるいは災をくだせ。われわれは驚いて肝をつぶすであろう。
24見よ、あなたがたは無きものである。あなたがたのわざはむなしい。あなたがたを選ぶ者は憎むべき者である」。
25わたしはひとりを起して北からこさせ、わが名を呼ぶ者を東からこさせる。彼はもろもろのつかさを踏みつけて しっくいのようにし、陶器師が粘土を踏むようにする。
26だれか、初めからこの事を われわれに告げ知らせたか。だれか、あらかじめわれわれに告げて、「彼は正しい」と言わせたか。ひとりもこの事を告げた者はない。ひとりも聞かせた者はない。ひとりもあなたがたの言葉を聞いた者はない。
27わたしははじめてこれをシオンに告げた。わたしは、よきおとずれを伝える者を エルサレムに与える。
28しかし、わたしが見ると、ひとりもない。彼らのなかには、わたしが尋ねても 答えうる助言者はひとりもない。
29見よ、彼らはみな人を惑わす者であって、そのわざは無きもの、その鋳た像はむなしき風である。
鍵となる聖句
だれがこの事を行ったか、なしたか。だれが初めから世々の人々を呼び出したか。主なるわたしは初めであって、また終りと共にあり、わたしがそれだ。
神はご自分を、最初の者であり、終わりの代まで変わらない者として示されます。神は世代を呼び起こされます。歴史は神の働きの外にはありません。
恐れてはならない、わたしはあなたと共にいる。驚いてはならない、わたしはあなたの神である。わたしはあなたを強くし、あなたを助け、わが勝利の右の手をもって、あなたをささえる。
神は恐れなくてよい理由として、ご自身の臨在を示されます。そのあとに、強める、助ける、支えるという約束が続きます。この約束は、まず捕囚のイスラエルに向けて語られました。
あなたの神、主なるわたしは あなたの右の手をとってあなたに言う、「恐れてはならない、わたしはあなたを助ける」。
神は、ご自分の民の右の手を握り、助けに来てくださると語ります。子どもの手を握る父親のような姿です。
貧しい者と乏しい者とは水を求めても、水がなく、その舌がかわいて焼けているとき、主なるわたしは彼らに答える、イスラエルの神なるわたしは 彼らを捨てることがない。 わたしは裸の山に川を開き、谷の中に泉をいだし、荒野を池となし、かわいた地を水の源とする。
神は貧しい人々の渇きに答えられます。川を湧き出させ、荒野を池に変えてくださいます。この節は、頼るものを失った人々への神の答えを語っています。
見よ、彼らはみな人を惑わす者であって、そのわざは無きもの、その鋳た像はむなしき風である。
結びは偶像に対して厳しく、むなしい、無、風だと断じます。偶像は、生ける神と違って、予告することも答えることもできません。
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説教が語っていること
イザヤ書41章についてよくある質問
イザヤ書41章10節はどういう意味ですか
神は、ご自分が民とともにおられるので恐れなくてよいと語り、民を強め、助け、右の手で支えると約束されます。この節は、神に忘れられたと思い込みがちだった捕囚のイスラエルに、まず語られました。クリスチャンは、恐れのあるあらゆる状況でここに励ましを見いだします。ただし、この約束は困難がなくなることよりも、神がともにおられることに関するものだと心にとめておく必要があります。
イザヤ書41章のメッセージは何ですか
この章は、歴史を導き、ご自分の民を助ける生ける神を、人の手で造られた偶像と対比させています。8節から20節でイスラエルを慰め、具体的な助けを約束し、そのあと偽りの神々に、未来を告げられるというなら証明してみよと挑みます。メッセージは、ただ神だけに信頼してよい、ということです。
イザヤ書41章8節でいうしもべとは誰ですか
ここでのしもべは、ヤコブとアブラハムの子孫であり、神に選ばれ愛された民イスラエルです。イザヤ書の後の部分では、しもべの姿はより人格的な広がりをもち、クリスチャンはそれをイエスと結びつけます。この章の文脈は、はっきりと捕囚の民についてです。
イザヤ書 41を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。