イザヤ書41章10節:上を見上げてください、神の手があなたの人生を支えています

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はじめに

「恐れてはならない、わたしはあなたと共にいる。驚いてはならない、わたしはあなたの神である。わたしはあなたを強くし、あなたを助け、わが勝利の右の手をもって、あなたをささえる。」田中信生先生は、イザヤ書41章10節をもとに、米沢興譲教会の敬老の日礼拝で語りました。敬老の日は、お年寄りを敬うための日本の祝日です。

聖書には「敬老の日」はない、と先生は認めます。けれども、この日は年齢に関係なくあなたにも関わりがあります。あなたもやがて年を重ねていくからです。チャンスのあるうちに自分の将来に備え、家族をはじめとして互いに気遣い合うための機会です。同じ屋根の下に暮らしていても、親と子が口をきかなくなることがあります。けれども血のつながりを超えて、すべての人を造られた天の父のもとに集められた「神の家族」があります。

先生のメッセージは、ひとつの確信に集約されます。あなたの人生の土台は下からではなく、上から来る、ということです。この聖句にある三つの動詞が、それを広げて示します。支える、強くする、助ける、です。

メッセージの流れ

1. あなたの人生は、どんな音楽を奏でていますか

  • 先生は、人から薦められた一冊の本を紹介します。世界的に有名で、数々の賞に輝く日本人オルガニストへのインタビューです。この人には、宗教的な背景がまったくありませんでした。
  • オルガンを学びにヨーロッパへ渡ったところ、居心地の悪さを感じたそうです。演奏する場所がどこもみな礼拝の場で、キリスト教のことを何も知らなかったからです。
  • バッハを弾くうちに、この作曲家は自分の感情を音楽にしたのではなく、神の偉大さをたたえていたのだと気づきました。自分の人生を支え、強くし、助けてくださる方がいると全身で受け取った日から、その人の音楽は変わり、聴く人の笑顔も変わりました。
  • あなたはオルガニストではないかもしれませんが、自分の人生という音楽を奏でています。それを不平や悲しみの音にしていませんか。それとも、試練があるからこそ上を見上げ、それが祝福に変えられるように願っていますか。

2. 神に支えられた先輩たち

  • この礼拝では、教会のあるおばあさんが証しをし、集会の司会は息子さんが務めました。先生はそこに、神の家族の姿を見ます。
  • 先生は、教会のあるおじいさんのことを思い起こします。駅で弁当を売っていたので、町中に知られていた方です。ある教会員は、雪の中を自転車を押して歩き、びしょ濡れになったみかんを兄弟姉妹のために持ってきた姿を覚えています。やもめのレプタのような、ささやかなささげものでした。
  • 米沢の郊外から歩いて通った人たちもいました。横なぐりの雪の中を1時間も2時間もかけて、日曜日と、祈祷会のある水曜日に来たのです。
  • 私たちは言います。「雪が降っているから家にいよう」。次には「雨だから家にいよう」。そしてある日は「いい天気だから家にいよう」。
  • こうした信仰の先輩たちを見るとき、神に支えられ、主にあって強められ、主に助けられた人生が見えてきます。

3. 支える:土台は上から来る

  • 「支える」と訳されたヘブライ語(タマク)は、人生の土台を指します。百歳、百二十歳まで生きる時代と言われる今、だれもが健康、お金、人間関係といった確かな基盤を築こうとしています。
  • 土台というと、私たちは下を見ます。もちろん下も大切です。けれども、あなたの人生の土台は上から来ます。
  • バベルの塔は下から上へと積み上げられました。イエスが死なれたとき、神殿の幕は上から下へと裂けました。人間の力は下から上へ、神のみわざは上から下へ向かいます。
  • 下から積み上げる人生は分かりやすいものです。積み重ね、働き、耐え抜けばいいのですから。けれどもそれは、いつかどこかで必ず崩れます。
  • キリスト以前、人は努力と律法によって命を得ようとしました。イエス・キリストにあって、別のものが始まります。永遠のいのちとは愛であり、愛するとは、自分の命を尊いものと見ることです。

4. 五重塔の吊り下げられた心柱

  • 日本は地震の国です。それでも五重塔は、何世紀もの間、一度も倒れたことがありません。
  • その秘密は中心にある柱、心柱(しんばしら)、つまり「心の柱」です。心柱は土台の上に立っているのではなく、頂上から吊り下げられています。
  • 建物が片側に傾くと、心柱は反対側に揺れて、揺れの大部分を吸収します。地面に固定された柱なら折れてしまうでしょう。高さ634メートルの東京スカイツリーも、同じ原理を取り入れています。
  • あなたの人生も同じです。下から瓦礫を積み上げるような生き方に別れを告げましょう。「退職したらどうなるのだろう。がんになったらどうしよう」。そう思い悩む必要はありません。あなたにいのちを与えた神のことばに目を上げてください。神は言われます。わたしはあなたを支える、強くする、助ける、と。
  • この教会のおじいさんは、あるとき娘さんの病気を経験しました。娘さんは実家に戻って暮らしていました。先生はその表情を忘れていません。おじいさんは足元を見るのではなく、ただ神の約束だけを見つめ、状況は良いほうへと変わりました。
  • 身長が160センチなら、下を見ている限り、あなたの限界は160センチです。天を見上げるとき、そこは永遠の世界です。

5. 強くする:正解はひとつではない

  • 強くするとは、実を結ばせることです。育ちや周りの人のせいにするのは簡単です。「こういう育ち方をしたから、私はこうなんだ」と。あなたを強くしてくださる方は、そうした環境を、豊かな人生へ向かう道に変えてくださいます。
  • 昔は「正解」を探したものでした。先生は、警報が出たとき、避難所へ向かった人たちが、それが正しいと思われたにもかかわらず、途中で水に流されてしまった例を挙げます。
  • 正解は人それぞれ違います。右か、左か、前か、後ろか。向かうのは上です。あなたの状況の中で神が与えてくださる、あなただけへのメッセージのほうへ向かうのです。
  • 私たちはこう考えます。「お金があれば、病気が治れば、私は強くなれる」。そういうこともあります。けれども神は、病気のときも、貧しいときも、どんな状況でもあなたを強くしてくださいます。
  • あなたの人生のシナリオはひとつだけで、それを書くのはあなたではありません。神がすでに書いておられます。神は最良の実を結ばせ、その平安は、あなたが望みうるすべてのものにまさります。

6. 人生を上から見る

  • 田中信生先生は、ポール・カラニシ『いま、希望を語ろう』(原題 When Breath Becomes Air)を引用します。この本はニューヨーク・タイムズのベストセラーリストで、非常に長い間上位に入っていました。プロテスタントのクリスチャンの父とヒンドゥー教徒の母の間に生まれたポールは、優れた医師になります。まだ30代の若さで、すでに全身に広がったがんが見つかりました。
  • 作家になることを夢見ながら信仰からは遠かった彼は、「神さま、なぜですか」と自問します。先生はその転換点をこうまとめます。人が人生に問いかけるのではなく、人生が上から人に問いかけているのだ、と。人生は下から上へではなく、上から下へ向かっているのです。
  • かつて天気予報は富士山の頂上から行われ、よくはずれました。今は人工衛星が上から地球を見ているので、予報が当たります。あなたの人生も、自分ひとりの角度だけで見ると見誤ります。
  • カラニシは、全体像を見ている人はいないと書いています。医師はその一部を、患者は別の一部を、エンジニアは三つ目を、経済学者は四つ目を、真珠採りは五つ目を、アルコール依存の人は六つ目を、ケーブル技術者は七つ目を、羊飼いは八つ目を、インドの物乞いは九つ目を、牧師は十番目を見ている、と。
  • 全体から見れば、捨ててしまいたい部分さえ宝物です。こう祈りましょう。「主よ、私には一部しか見えません。あなたは私の状況をどのように見ておられますか」。
  • 信仰とは、望んでいる事がらを確信することです。あなたの人生のひとときが永遠の一部だと分かるとき、痛みは残るかもしれませんが、それよりも強いものがその場所に入ってきます。問題だけを見ているときに限って、問題は問題になります。
  • すべてのことは働いて益となります。感謝して受けるなら、捨てるべきものは何もありません。不平は下からの視点、つまりあなたの経験やあなたの利益から生まれます。

7. 助ける:関係と方向

  • 支えるのは根、助けるのは幹、強くするのは実です。助けられるとは、神との豊かな関係を生きることです。助けられるといっても、あなたが何もしないということではなく、神とあなたが対等だということでもありません。親と子が心を合わせるようなものです。礼拝で一緒に奉仕した、あの母と息子のようにです。
  • あなたは自分の舟の船長ですが、船の持ち主は神です。決め手となる問いは、あなたは誰のほうを向いているか、です。
  • ある人が先生に、複雑な状況のために祈ってほしいと頼みました。先生の答えはこうでした。「何のために祈るのですか」。山のふもとには、さまざまなやり方(どうやるか)があります。もう少し上には、何を。山頂の、円の中心には、なぜがあります。
  • あなたは食べるために生きていますか、生きるために食べていますか。「自分のしたいことをして幸せになる」ことは、思い煩いの入り口です。神がいちばん喜ばれることを求めてください。そのために、神はあなたに知恵と方法を与えてくださいます。それが、助けられるということです。
  • 福音書で、イエスがどう行動されたかを見てください。年を重ねると、外なる人は衰え、体力も健康も落ち、身近な人たちも去っていきます。子どものころは、階段の手すりが何のためにあるのか分かりませんでした。けれども、たとえ外なる人は滅びても、内なる人は日々新たにされます。あなたが上を見ているからです。

8. 答えに先立つ「ありがとう」

  • 29歳で亡くなったクリスチャン詩人、八木重吉はこう書きました。「このあかるさのなかへ ひとつの素朴な琴をおけば 秋の美しさに耐えかねて 琴はしずかに鳴りいだすだろう」。この素朴な琴こそあなたです、と先生は言います。
  • クリスチャンになるとは、水平から垂直へと移ることです。神の栄光の中に自分を置くとき、だれも触れていないのに琴は歌い出します。
  • 教会のある女性は、5年間、痛みに体をかがめて礼拝に来ていました。ところがある日、まっすぐに立って来られました。その秘訣は「先にお礼を言いながら祈る」ことでした。「痛い」と繰り返す代わりに、「ありがとうございます、ハレルヤ、癒されました、ありがとうございます」と言っていたのです。
  • これを機械的にまねしてはいけない、と先生は注意します。正解は人それぞれ違うからです。けれども試練の中で、あなたの「ありがとう、ハレルヤ、アーメン」は、ほかの何ものも与えられない色を帯びます。
  • イエス・キリストに出会った人は、それをうまく説明できないことがよくあります。「上を見たら、こうなったのです」と。化粧も立派な服もいりません。すべては習慣になります。今週は、目を上げて歩くことを習慣にしてください。あなたの周りの人たち、息子さん、ご家族は、あなたが見ているほうを向くようになります。

ポイント

  • イザヤ書41章10節で、どの年齢のあなたも支え、強くし、助けてくださると約束しておられます。
  • 下から築いた人生はいつか崩れます。五重塔の心柱のように神から吊り下げられた人生は、揺れの中でも立ち続けます。
  • あなたに見えているのは、絵の一部だけです。上から見れば、捨ててしまいたい部分さえ宝物になります。
  • 助けられるとは、神との関係を生きることです。どうやるかを探す前に、まず自分がなぜ生きているのかを問います。
  • 先に感謝することは、試練の中での見方を変えます。周りの人も、あなたが見ているほうを向くようになります。

自分への適用

  1. 今、あなたの人生はどんな音楽を奏でていますか。不平の音でしょうか。それとも、神が祝福に変えてくださるように委ねている試練でしょうか。
  2. あなたは将来を何の上に置いていますか。健康、貯蓄、人間関係、それとも、あなたを支える神の約束でしょうか。
  3. 困難な状況をひとつ取り上げて、こう祈ってみましょう。「主よ、あなたはこれをどのように見ておられますか」。
  4. どう切り抜けるかを尋ねる前に、自分がなぜ生きているのか、この状況の中で何が神を喜ばせるのかを自分に問いましょう。
  5. 今週は、毎日の不平をひとつ、先に言う「ありがとう」に置き換えてみましょう。

引用された聖句

よくある質問

イザヤ書41章10節で、神は何を約束しておられますか

神は言われます。「恐れてはならない、わたしはあなたと共にいる。」そして三つのことを約束されます。あなたを強くし、助け、勝利の右の手で支える、ということです。田中信生先生によれば、支えるのは根、助けるのは幹(神とあなたの間の生きた関係)、強くするのは実です。

「人生の土台は上から来る」とはどういう意味ですか

努力によって下から積み上げた人生は、いつかどこかで必ず崩れます。先生は、日本の五重塔の中心にある、頂上から吊り下げられた心柱のたとえを用います。この柱が地震の揺れを吸収するのです。あなたの人生は、神に寄りかかっているとき、しっかりと立ち続けます。

苦しいとき、どのように上を見上げればよいですか

田中信生先生は、あなたには状況の一部しか見えていないのだから、神はそれをどう見ておられるかを尋ねてみるよう勧めます。先生は、長い間痛みに体をかがめていたある教会の女性が、先に神に感謝するようになったことを紹介します。痛みは残るかもしれませんが、感謝はそれよりも強くなります。

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