聖書 — 口語訳 (1955)

ガラテヤ人への手紙 1

概要

ガラテヤ人への手紙1章は、厳しい口調で書かれた手紙の始まりです。パウロはガラテヤの諸教会にあいさつをすると、すぐに本題に入ります。福音はただ一つなのに、あなたがたがこんなにも早く違った福音に離れていくことが不思議でならない、と。自分のメッセージを守るため、パウロはそれをどのように受けたかを語ります。人からではなく、イエス・キリストの啓示によってでした。迫害者だった過去、キリストとの出会い、アラビヤでの年月、そしてエルサレムの使徒たちとの最初の接触を思い起こします。

この章の4つの区分

  1. 1-5節あいさつ:パウロの使徒職とキリストのみわざ
  2. 6-10節福音はただ一つ、ほかを宣べ伝える者はのろわれる
  3. 11-17節啓示によって受けたパウロの福音
  4. 18-24節エルサレムとユダヤでの最初の接触

1人々からでもなく、人によってでもなく、イエス・キリストと彼を死人の中からよみがえらせた父なる神とによって立てられた使徒パウロ、

2ならびにわたしと共にいる兄弟たち一同から、ガラテヤの諸教会へ。

3わたしたちの父なる神と主イエス・キリストから、恵みと平安とが、あなたがたにあるように。

4キリストは、わたしたちの父なる神の御旨に従い、わたしたちを今の悪の世から救い出そうとして、ご自身をわたしたちの罪のためにささげられたのである。

5栄光が世々限りなく神にあるように、アァメン。

6あなたがたがこんなにも早く、あなたがたをキリストの恵みの内へお招きになったかたから離れて、違った福音に落ちていくことが、わたしには不思議でならない。

7それは福音というべきものではなく、ただ、ある種の人々があなたがたをかき乱し、キリストの福音を曲げようとしているだけのことである。

8しかし、たといわたしたちであろうと、天からの御使であろうと、わたしたちが宣べ伝えた福音に反することをあなたがたに宣べ伝えるなら、その人はのろわるべきである。

9わたしたちが前に言っておいたように、今わたしは重ねて言う。もしある人が、あなたがたの受けいれた福音に反することを宣べ伝えているなら、その人はのろわるべきである。

10今わたしは、人に喜ばれようとしているのか、それとも、神に喜ばれようとしているのか。あるいは、人の歓心を買おうと努めているのか。もし、今もなお人の歓心を買おうとしているとすれば、わたしはキリストの僕ではあるまい。

11兄弟たちよ。あなたがたに、はっきり言っておく。わたしが宣べ伝えた福音は人間によるものではない。

12わたしは、それを人間から受けたのでも教えられたのでもなく、ただイエス・キリストの啓示によったのである。

13ユダヤ教を信じていたころのわたしの行動については、あなたがたはすでによく聞いている。すなわち、わたしは激しく神の教会を迫害し、また荒しまわっていた。

14そして、同国人の中でわたしと同年輩の多くの者にまさってユダヤ教に精進し、先祖たちの言伝えに対して、だれよりもはるかに熱心であった。

15ところが、母の胎内にある時からわたしを聖別し、み恵みをもってわたしをお召しになったかたが、

16異邦人の間に宣べ伝えさせるために、御子をわたしの内に啓示して下さった時、わたしは直ちに、血肉に相談もせず、

17また先輩の使徒たちに会うためにエルサレムにも上らず、アラビヤに出て行った。それから再びダマスコに帰った。

18その後三年たってから、わたしはケパをたずねてエルサレムに上り、彼のもとに十五日間、滞在した。

19しかし、主の兄弟ヤコブ以外には、ほかのどの使徒にも会わなかった。

20ここに書いていることは、神のみまえで言うが、決して偽りではない。

21その後、わたしはシリヤとキリキヤとの地方に行った。

22しかし、キリストにあるユダヤの諸教会には、顔を知られていなかった。

23ただ彼らは、「かつて自分たちを迫害した者が、以前には撲滅しようとしていたその信仰を、今は宣べ伝えている」と聞き、

24わたしのことで、神をほめたたえた。

鍵となる聖句

4節
キリストは、わたしたちの父なる神の御旨に従い、わたしたちを今の悪の世から救い出そうとして、ご自身をわたしたちの罪のためにささげられたのである。

パウロは一言でキリストのみわざを要約します。キリストは、わたしたちを今の悪の世から救い出そうとして、ご自身を罪のためにささげられました。すべてはこの賜物から始まります。

6-7節
あなたがたがこんなにも早く、あなたがたをキリストの恵みの内へお招きになったかたから離れて、違った福音に落ちていくことが、わたしには不思議でならない。 それは福音というべきものではなく、ただ、ある種の人々があなたがたをかき乱し、キリストの福音を曲げようとしているだけのことである。

パウロは、人々がこれほど早く恵みから離れることに驚いています。福音がいくつもあると言っているのではなく、ある人々がキリストの福音を曲げようとしていると言っているのです。

8-9節
しかし、たといわたしたちであろうと、天からの御使であろうと、わたしたちが宣べ伝えた福音に反することをあなたがたに宣べ伝えるなら、その人はのろわるべきである。 わたしたちが前に言っておいたように、今わたしは重ねて言う。もしある人が、あなたがたの受けいれた福音に反することを宣べ伝えているなら、その人はのろわるべきである。

パウロは福音をあらゆる権威の上に置きます。御使いであってもです。「のろわるべき」ということばは、救いのメッセージを偽る者を厳しく退けることを意味します。

10節
今わたしは、人に喜ばれようとしているのか、それとも、神に喜ばれようとしているのか。あるいは、人の歓心を買おうと努めているのか。もし、今もなお人の歓心を買おうとしているとすれば、わたしはキリストの僕ではあるまい。

神に喜ばれることと人に喜ばれることは、いつも両立するわけではありません。パウロは、群衆の承認を求める者ではなく、キリストの僕として自分を示しています。

15-16節
ところが、母の胎内にある時からわたしを聖別し、み恵みをもってわたしをお召しになったかたが、 異邦人の間に宣べ伝えさせるために、御子をわたしの内に啓示して下さった時、わたしは直ちに、血肉に相談もせず、

パウロは、母の胎内にある時から聖別され、み恵みによって召されたと言います。神は、パウロが異邦人に宣べ伝えるため、御子を彼の内に啓示することを選ばれました。

説教が語っていること

キリストにある自由:ガラテヤ人への手紙東京での説教はガラテヤ書の連続講解の幕開けで、6節から7節を引いて律法主義に反対し、さらに13節から14節に進みます。パウロは自分がどこから来たかを忘れず、規則に縛られた生き方がいかにむなしいかを知っています。要約を読む →受けた恵みが、あなたの生き方を変えていくビル・キャメロンは6節をテトスへの手紙3章に結びつけます。恵みの福音に何かを加えれば、それは別のものに変わってしまうと語ります。要約を読む →真理を愛する:誘惑に打ち勝つ帯サミュエル・マッツァは8節から9節に基づいて語ります。偽りの教えとは、それが力強く語られても、評判の使徒によって語られても、決して妥協してはならないと言います。要約を読む →高慢:神と人を遠ざける罪ジュディットは10節を、高ぶりの具体的な姿の一つとして挙げます。神の目ではなく人の目の下で生き、人に喜ばれようとすることです。要約を読む →村の外へ:イエスが盲人の手を取られるときマレシャル牧師は23節でパウロを証人に立てます。かつて信仰を滅ぼそうとした者が、「以前には撲滅しようとしていたその信仰を、今は宣べ伝えている」。生まれたばかりの信仰を、イエスがどこまで導かれるかを示しています。要約を読む →

ガラテヤ人への手紙1章についてよくある質問

ガラテヤ人への手紙1章6節から9節の「違った福音」とはどういう意味ですか。

パウロが語っているのは、救われるためにキリストのみわざに何かを加える教えのすべてです。たとえば、律法に従うことを義務づけるようなものです。彼は、福音はただ一つ、恵みの福音だけだと断言します。たとえ御使いが別の福音を告げても、退けるべきです。これほど強いことばは、救いがキリストだけにかかっているという問題の重大さを表しています。

ガラテヤ人への手紙1章の主なメッセージは何ですか。

この章は、ただ一つの恵みの福音と、それを人からではなくイエス・キリストから直接受けたパウロの権威を擁護します。また、教会の迫害者でさえ、神の恵みだけによって使徒となりうることも示しています。メッセージは明確です。福音は変えることも、人から受けることもできません。

ガラテヤ人への手紙1章17節で、パウロはなぜアラビヤへ行ったのですか。

キリストと出会ったあと、パウロはエルサレムに上って使徒たちに相談したのではなく、アラビヤに出て行き、再びダマスコに帰ったと説明します。自分のメッセージが人から来たものではないと示したいのです。聖書は彼がそこで何をしたかを述べておらず、解釈者たちは、退いて静まる時、思索の時、宣教の時などを考えています。

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