聖書 — 口語訳 (1955)

ネヘミヤ記 2

概要

ネヘミヤ記2章は、神からのプロジェクトがどのように生まれ、動き出すかを示します。王の献酌官ネヘミヤは、荒れ果てたエルサレムのことで心を痛めていました。王に問われると、彼は心の中で祈ってから願いを伝え、手紙と材木を得ます。現地に着くと、夜のうちに城壁を見て回り、民に立ち上がるよう説得します。サンバラテ、トビヤ、ゲシェムの嘲りにも彼は止まらず、天の神がそのしもべたちを成功させてくださると答えます。

この章の5つの区分

  1. 1-8節王の前での祈りと願い
  2. 9-10節旅路と最初の反対
  3. 11-16節夜の城壁の視察
  4. 17-18節さあ、立ち上がって築こう
  5. 19-20節嘲りとネヘミヤの答え

1アルタシャスタ王の第二十年、ニサンの月に、王の前に酒が出た時、わたしは酒をついで王にささげた。これまでわたしは王の前で悲しげな顔をしていたことはなかった。

2王はわたしに言われた、「あなたは病気でもないのにどうして悲しげな顔をしているのか。何か心に悲しみをもっているにちがいない」。そこでわたしは大いに恐れて、

3王に申しあげた、「どうぞ王よ、長生きされますように。わたしの先祖の墳墓の地であるあの町は荒廃し、その門が火で焼かれたままであるのに、どうしてわたしは悲しげな顔をしないでいられましょうか」。

4王はわたしにむかって、「それでは、あなたは何を願うのか」と言われたので、わたしは天の神に祈って、

5王に申しあげた、「もし王がよしとされ、しもべがあなたの前に恵みを得ますならば、どうかわたしを、ユダにあるわたしの先祖の墳墓の町につかわして、それを再建させてください」。

6時に王妃もかたわらに座していたが、王はわたしに言われた、「あなたの旅の期間はどれほどですか。いつごろ帰ってきますか」。こうして王がわたしをつかわすことをよしとされたので、わたしは期間を定めて王に申しあげた。

7わたしはまた王に申しあげた、「もし王がよしとされるならば、川向こうの州の知事たちに与える手紙をわたしに賜わり、わたしがユダに行きつくまで、彼らがわたしを通過させるようにしてください。

8また王の山林を管理するアサフに与える手紙をも賜わり、神殿に属する城の門を建てるため、また町の石がき、およびわたしの住むべき家を建てるために用いる材木をわたしに与えるようにしてください」。わたしの神がよくわたしを助けられたので、王はわたしの願いを許された。

9そこでわたしは川向こうの州の知事たちの所へ行って、王の手紙を渡した。なお王は軍の長および騎兵をわたしと共につかわした。

10ところがホロニびとサンバラテおよびアンモンびと奴隷トビヤはこれを聞き、イスラエルの子孫の福祉を求める人が来たというので、大いに感情を害した。

11わたしはエルサレムに着いて、そこに三日滞在した後、

12夜中に起き出た。数人の者がわたしに伴ったが、わたしは、神がエルサレムのためになそうとして、わたしの心に入れられたことを、だれにも告げ知らせず、またわたしが乗った獣のほかには、獣をつれて行かなかった。

13わたしは夜中に出て谷の門を通り、龍の井戸および糞の門に行って、エルサレムのくずれた城壁や、火に焼かれた門を調査し、

14また泉の門および王の池に行ったが、わたしの乗っている獣の通るべき所もなかった。

15わたしはまたその夜のうちに谷に沿って上り、城壁を調査したうえ、身をめぐらして、谷の門を通って帰った。

16つかさたちは、わたしがどこへ行ったか、何をしたかを知らなかった。わたしはまたユダヤ人にも、祭司たちにも、尊い人たちにも、つかさたちにも、その他工事をする人々にもまだ知らせなかった。

17しかしわたしはついに彼らに言った、「あなたがたの見るとおり、われわれは難局にある。エルサレムは荒廃し、その門は火に焼かれた。さあ、われわれは再び世のはずかしめをうけることのないように、エルサレムの城壁を築こう」。

18そして、わたしの神がよくわたしを助けられたことを彼らに告げ、また王がわたしに語られた言葉をも告げたので、彼らは「さあ、立ち上がって築こう」と言い、奮い立って、この良きわざに着手しようとした。

19ところがホロニびとサンバラテ、アンモンびと奴隷トビヤおよびアラビヤびとガシムがこれを聞いて、われわれをあざけり、われわれを侮って言った、「あなたがたは何をするのか、王に反逆しようとするのか」。

20わたしは彼らに答えて言った、「天の神がわれわれを恵まれるので、そのしもべであるわれわれは奮い立って築くのである。しかしあなたがたはエルサレムに何の分もなく、権利もなく、記念もない」。

鍵となる聖句

4-5節
王はわたしにむかって、「それでは、あなたは何を願うのか」と言われたので、わたしは天の神に祈って、 王に申しあげた、「もし王がよしとされ、しもべがあなたの前に恵みを得ますならば、どうかわたしを、ユダにあるわたしの先祖の墳墓の町につかわして、それを再建させてください」。

王の前で、ネヘミヤは一瞬のうちに天の神に祈り、それから的確に願いを伝えます。祈りと行動は、ともに進むものです。

8節
また王の山林を管理するアサフに与える手紙をも賜わり、神殿に属する城の門を建てるため、また町の石がき、およびわたしの住むべき家を建てるために用いる材木をわたしに与えるようにしてください」。わたしの神がよくわたしを助けられたので、王はわたしの願いを許された。

王はネヘミヤの願いをすべて聞き入れ、本文はその理由を記します。神の恵みの御手が彼の上にあったからです。ネヘミヤは成功を自分の才覚ではなく、神によるものとしています。

17-18節
しかしわたしはついに彼らに言った、「あなたがたの見るとおり、われわれは難局にある。エルサレムは荒廃し、その門は火に焼かれた。さあ、われわれは再び世のはずかしめをうけることのないように、エルサレムの城壁を築こう」。 そして、わたしの神がよくわたしを助けられたことを彼らに告げ、また王がわたしに語られた言葉をも告げたので、彼らは「さあ、立ち上がって築こう」と言い、奮い立って、この良きわざに着手しようとした。

町の本当の状態を自分の目で見たあと、ネヘミヤは民に行動を呼びかけます。それに対する民の答えは、皆で奮い立つ一つの動きでした。「さあ、立ち上がって築こう」。

20節
わたしは彼らに答えて言った、「天の神がわれわれを恵まれるので、そのしもべであるわれわれは奮い立って築くのである。しかしあなたがたはエルサレムに何の分もなく、権利もなく、記念もない」。

嘲る者たちの前で、ネヘミヤは長々と弁明しません。神が成功を与えてくださること、そしてしもべたちが働きにかかることを告げるのです。

この章に登場する人物

説教が語っていること

ネヘミヤ記2章についてよくある質問

ネヘミヤ記2章のメッセージは何ですか

神からのプロジェクトは、重荷から始まり、祈りを通り、行動を求めます。ネヘミヤは祈り、知恵をもって願い、現実の状況を見極め、反対があっても共に築こうと民に呼びかけます。この章は、遣わされた人に伴う神の恵みの御手を強調しています。

さあ、立ち上がって築こうとはどういう意味ですか

これは、18節でネヘミヤの呼びかけに民が応えた言葉です。恥の中にとどまらず、皆で立ち上がって行動し、再建に取りかかるという共同の決断を表しています。多くの教会が、プロジェクトや一年の標語としてこの言葉を用いてきました。

なぜネヘミヤは夜に城壁を視察したのですか

計画を発表する前に、ネヘミヤは被害の大きさを自分の目で確かめたかったのです。彼は数人だけを連れて、指導者たちには何も告げずに静かに動きました。本文はほかの理由を記していませんが、その慎重さのおかげで、あとで明確な現状を示すことができ、プロジェクトを急ぎすぎずに始められました。

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