聖書 — 口語訳 (1955)
ミカ書 6
概要
ミカ書6章で、神は山々の前で民を訴えの場に呼び出されます。エジプトからの導きから、バラクとバラムの出来事に至るまで、神は恵みを思い起こさせます。すると民は、何をもって神の前に出るべきかを問います。いけにえか、油か、長子か。8節の答えは有名になりました。公義をおこない、いつくしみを愛し、へりくだって神とともに歩むことです。章はその後、不正、暴力、偽りを告発し、さばきを告げます。
この章の4つの区分
1あなたがたは 主の言われることを聞き、立ちあがって、もろもろの山の前に訴えをのべ、もろもろの丘にあなたの声を聞かせよ。
2もろもろの山よ、地の変ることなき基よ、主の言い争いを聞け。主はその民と言い争い、イスラエルと論争されるからである。
3「わが民よ、わたしはあなたに何をなしたか、何によってあなたを疲れさせたか、わたしに答えよ。
4わたしはエジプトの国からあなたを導きのぼり、奴隷の家からあなたをあがない出し、モーセ、アロンおよびミリアムをつかわして、あなたに先だたせた。
5わが民よ、モアブの王バラクがたくらんだ事、ベオルの子バラムが彼に答えた事、シッテムからギルガルに至るまでに 起った事どもを思い起せ。そうすれば、あなたは主の正義のみわざを 知るであろう」。
6「わたしは何をもって主のみ前に行き、高き神を拝すべきか。燔祭および当歳の子牛をもって そのみ前に行くべきか。
7主は数千の雄羊、万流の油を喜ばれるだろうか。わがとがのためにわが長子をささぐべきか。わが魂の罪のためにわが身の子をささぐべきか」。
8人よ、彼はさきによい事のなんであるかを あなたに告げられた。主のあなたに求められることは、ただ公義をおこない、いつくしみを愛し、へりくだってあなたの神と共に歩むことではないか。
9主の声が町にむかって呼ばわる―― 全き知恵はあなたの名を恐れることである――「部族および町の会衆よ、聞け。
10わたしは悪人の家にある不義の財宝、のろうべき不正な枡を忘れ得ようか。
11不正なはかりを用い、偽りのおもしを入れた袋を用いる人を わたしは罪なしとするだろうか。
12あなたのうちの富める人は暴虐で満ち、あなたの住民は偽りを言い、その舌は口で欺くことをなす。
13それゆえ、わたしはあなたを撃ち、あなたをその罪のために滅ぼすことを始めた。
14あなたは食べても、飽くことがなく、あなたの腹はいつもひもじい。あなたは移しても、救うことができない。あなたが救う者を、わたしはつるぎにわたす。
15あなたは種をまいても、刈ることがなく、オリブの実を踏んでも、その身に油を塗ることがなく、ぶどうを踏んでも、その酒を飲むことがない。
16あなたはオムリの定めを守り、アハブの家のすべてのわざをおこない、彼らの計りごとに従って歩んだ。これはわたしがあなたを荒し、その住民を笑い物とするためである。あなたがたは民のはずかしめを負わねばならぬ」。
鍵となる聖句
「わが民よ、わたしはあなたに何をなしたか、何によってあなたを疲れさせたか、わたしに答えよ。
神はさばく前に、民にやさしく問いかけます。「わが民よ、わたしはあなたに何をなしたか」。訴えは、神の真実を思い起こさせることから始まります。
わが民よ、モアブの王バラクがたくらんだ事、ベオルの子バラムが彼に答えた事、シッテムからギルガルに至るまでに 起った事どもを思い起せ。そうすれば、あなたは主の正義のみわざを 知るであろう」。
民は荒野の歴史を思い起こすよう招かれます。神のみわざを覚えていることが、感謝と従順の土台です。
人よ、彼はさきによい事のなんであるかを あなたに告げられた。主のあなたに求められることは、ただ公義をおこない、いつくしみを愛し、へりくだってあなたの神と共に歩むことではないか。
神が求めておられることは三つの動詞に尽きます。公義をおこなうこと、いつくしみを愛すること、へりくだって神とともに歩むことです。信仰は、儀式だけでなく日々の生活の中に表れます。
不正なはかりを用い、偽りのおもしを入れた袋を用いる人を わたしは罪なしとするだろうか。
不正なはかりと偽りのおもしは、商売における欺きを表しています。神は経済生活における誠実さを気にかけておられます。
この章に登場する人物
説教が語っていること
ミカ書6章についてよくある質問
ミカ書6章8節はどういう意味ですか。
この節は、神にどんないけにえを献げるべきかと問う民に答えています。神がまず求めておられるのは供え物ではなく、正しい生き方です。公義をおこない、いつくしみを愛し、へりくだって神とともに歩むことです。これは礼拝に反対しているのではなく、心のない礼拝では足りないことを思い起こさせています。
ミカ書6章の中心的なメッセージは何ですか。
神は、数々の恵みにもかかわらず神を忘れた民に対して訴えておられます。神が求めるのは、華々しいいけにえではなく、正義、いつくしみ、へりくだりです。章はまた、不正と暴力を告発し、不義がさばきを招くと警告しています。
なぜミカ書6章で神は民を訴えておられるのですか。
本文は、山々が証人となる法廷のたとえを用いています。神は、エジプトからの救い出しや遣わされた指導者たちなど、イスラエルのためになさったことを思い起こさせ、そのうえで行われた不正を告発します。訴えの目的は、民を契約に連れ戻すことであり、民を捨て去ることではありません。
ミカ書 6を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。