聖書 — 口語訳 (1955)

ヨシュア記 7

概要

ヨシュア記7章は、エリコの勝利の直後に起きた敗北を語ります。アカンが神のものとして取り分けられていた品を取り、主の怒りが燃え上がります。自信過剰になったイスラエルは少人数でアイを攻め、三十六人ほどの兵を失って逃げ帰ります。ヨシュアは箱の前にひれ伏します。神は、民の中に滅ぼし尽くすべきものがあると告げられます。罪人はくじで示され、アカンは告白し、家族とともにアコルの谷で処刑されます。この章は、聖さを真剣に受け止めるよう私たちに呼びかけています。

この章の4つの区分

  1. 1-5節アカンの罪と、アイでの敗北
  2. 6-9節ヨシュアはひれ伏し、神に問う
  3. 10-15節神は罪を明らかにし、身を聖別するよう命じる
  4. 16-26節アカンが示され、さばかれる:アコルの谷

1しかし、イスラエルの人々は奉納物について罪を犯した。すなわちユダの部族のうちの、ゼラの子ザブデの子であるカルミの子アカンが奉納物を取ったのである。それで主はイスラエルの人々にむかって怒りを発せられた。

2ヨシュアはエリコから人々をつかわし、ベテルの東、ベテアベンの近くにあるアイに行かせようとして、その人々に言った、「上って行って、かの地を探ってきなさい」。人々は上って行って、アイを探ったが、

3ヨシュアのもとに帰ってきて言った、「民をことごとく行かせるには及びません。ただ二、三千人を上らせて、アイを撃たせなさい。彼らは少ないのですから、民をことごとくあそこへやってほねおりをさせるには及びません」。

4そこで民のうち、おおよそ三千人がそこに上ったが、ついにアイの人々の前から逃げ出した。

5アイの人々は彼らのうち、おおよそ三十六人を殺し、更に彼らを門の前からシバリムまで追って、下り坂で彼らを殺したので、民の心は消えて水のようになった。

6そのためヨシュアは衣服を裂き、イスラエルの長老たちと共に、主の箱の前で、夕方まで地にひれ伏し、ちりをかぶった。

7ヨシュアは言った、「ああ、主なる神よ、あなたはなにゆえ、この民にヨルダンを渡らせ、われわれをアモリびとの手に渡して滅ぼさせられるのですか。われわれはヨルダンの向こうに、安んじてとどまればよかったのです。

8ああ、主よ。イスラエルがすでに敵に背をむけた今となって、わたしはまた何を言い得ましょう。

9カナンびと、およびこの地に住むすべてのものは、これを聞いて、われわれを攻めかこみ、われわれの名を地から断ち去ってしまうでしょう。それであなたは、あなたの大いなる名のために、何をしようとされるのですか」。

10主はヨシュアに言われた、「立ちなさい。あなたはどうして、そのようにひれ伏しているのか。

11イスラエルは罪を犯し、わたしが彼らに命じておいた契約を破った。彼らは奉納物を取り、盗み、かつ偽って、それを自分の所有物のうちに入れた。

12それでイスラエルの人々は敵に当ることができず、敵に背をむけた。彼らも滅ぼされるべきものとなったからである。あなたがたが、その滅ぼされるべきものを、あなたがたのうちから滅ぼし去るのでなければ、わたしはもはやあなたがたとは共にいないであろう。

13立って、民を清めて言いなさい、『あなたがたは身を清めて、あすのために備えなさい。イスラエルの神、主はこう仰せられる、「イスラエルよ、あなたがたのうちに、滅ぼされるべきものがある。その滅ぼされるべきものを、あなたがたのうちから除き去るまでは、敵に当ることはできないであろう」。

14それゆえ、あすの朝、あなたがたは部族ごとに進み出なければならない。そして主がくじを当てられる部族は、氏族ごとに進みいで、主がくじを当てられる氏族は、家族ごとに進みいで、主がくじを当てられる家族は、男ひとりびとり進み出なければならない。

15そしてその滅ぼされるべきものを持っていて、くじを当てられた者は、その持ち物全部と共に、火で焼かれなければならない。主の契約を破りイスラエルのうちに愚かなことを行ったからである』」。

16こうしてヨシュアは朝早く起き、イスラエルを部族ごとに進み出させたところ、ユダの部族がくじに当り、

17ユダのもろもろの氏族を進み出させたところ、ゼラびとの氏族が、くじに当った。ゼラびとの氏族を家族ごとに進み出させたところ、ザブデの家族が、くじに当った。

18ザブデの家族を男ひとりびとり進み出させたところ、アカンがくじに当った。アカンはユダの部族のうちの、ゼラの子、ザブデの子なるカルミの子である。

19その時ヨシュアはアカンに言った、「わが子よ、イスラエルの神、主に栄光を帰し、また主をさんびし、あなたのしたことを今わたしに告げなさい。わたしに隠してはならない」。

20アカンはヨシュアに答えた、「ほんとうにわたしはイスラエルの神、主に対して罪を犯しました。わたしがしたのはこうです。

21わたしはぶんどり物のうちに、シナルの美しい外套一枚と銀二百シケルと、目方五十シケルの金の延べ棒一本のあるのを見て、ほしくなり、それを取りました。わたしの天幕の中に、地に隠してあります。銀はその下にあります」。

22そこでヨシュアは使者たちをつかわした。使者たちが天幕に走っていって見ると、それは彼の天幕に隠してあって、銀もその下にあった。

23彼らはそれを天幕の中から取り出して、ヨシュアとイスラエルのすべての人々の所に携えてきたので、それを主の前に置いた。

24ヨシュアはすべてのイスラエルびとと共に、ゼラの子アカンを捕え、かの銀と外套と金の延べ棒、および彼のむすこ、娘、牛、ろば、羊、天幕など、彼の持ち物をことごとく取って、アコルの谷へ引いていった。

25そしてヨシュアは言った、「なぜあなたはわれわれを悩ましたのか。主は、きょう、あなたを悩まされるであろう」。やがてすべてのイスラエルびとは石で彼を撃ち殺し、また彼の家族をも石で撃ち殺し、火をもって焼いた。

26そしてアカンの上に石塚を大きく積み上げたが、それは今日まで残っている。そして主は激しい怒りをやめられたが、このことによって、その所の名は今日までアコルの谷と呼ばれている。

鍵となる聖句

1節
しかし、イスラエルの人々は奉納物について罪を犯した。すなわちユダの部族のうちの、ゼラの子ザブデの子であるカルミの子アカンが奉納物を取ったのである。それで主はイスラエルの人々にむかって怒りを発せられた。

この章は、敗北の隠れた原因から始まります。神のものとして取り分けられていた物についての不忠実です。一人の罪が、民全体にかかわってきます。

5節
アイの人々は彼らのうち、おおよそ三十六人を殺し、更に彼らを門の前からシバリムまで追って、下り坂で彼らを殺したので、民の心は消えて水のようになった。

約三十六人が殺され、民は気力を失います。戦わずに得たエリコの勝利とは、はっきりした対照をなしています。

6節
そのためヨシュアは衣服を裂き、イスラエルの長老たちと共に、主の箱の前で、夕方まで地にひれ伏し、ちりをかぶった。

ヨシュアは衣を裂き、夕方まで箱の前にひれ伏します。神を求めずに最初の判断を下したあとでの、遅すぎた、神に頼る反応でした。

13節
立って、民を清めて言いなさい、『あなたがたは身を清めて、あすのために備えなさい。イスラエルの神、主はこう仰せられる、「イスラエルよ、あなたがたのうちに、滅ぼされるべきものがある。その滅ぼされるべきものを、あなたがたのうちから除き去るまでは、敵に当ることはできないであろう」。

神は民に、身を聖別し、滅ぼし尽くすべきものを自分たちの中から取り除くよう求められます。そうしなければ、民は敵に立ち向かえません。

19節
その時ヨシュアはアカンに言った、「わが子よ、イスラエルの神、主に栄光を帰し、また主をさんびし、あなたのしたことを今わたしに告げなさい。わたしに隠してはならない」。

ヨシュアはアカンに、罪を告白して神に栄光を帰するよう促します。正直な告白が、この場面の中心です。

この章に登場する人物

このテーマで祈る

説教が語っていること

ヨシュア記7章についてよくある質問

ヨシュア記7章の要約を教えてください

エリコのあと、アカンが神のものとして取り分けられていた品を取っておいたため、イスラエルはアイで敗れます。ヨシュアが祈り、神が罪を明らかにされ、アカンが示されて告白します。彼は持ち物とともに処刑され、神の怒りは静まります。その場所は、アコルの谷という名で残りました。

なぜ神はアカンの家族全員を罰したのですか

本文は詳しい説明をしていません。この罪は民全体にかかわる不忠実として描かれ、当時の律法がアカンの家にも適用されました。この厳しさについてはクリスチャンの読者の間でも議論があり、多くの人は、征服という特殊な状況の中に置いて考えています。

アコルの谷とはどういう意味ですか

アコルは悩みを意味します。ヨシュアがアカンに、なぜわれわれを悩ましたのかと言ったことを、その名が思い起こさせます。後に預言者ホセアがこの名を取り上げ、そこを希望の門にすると約束しました。こうして、恥の場所が、神の恵みを表すものとなります。

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