聖書 — 口語訳 (1955)

ヨシュア記 6

概要

ヨシュア記6章は、カナンで最初に攻め取られた町、エリコの陥落を語ります。町は固く閉ざされていましたが、神はヨシュアに、それをあなたの手に渡したと告げられます。民は六日間、一日に一度、契約の箱とラッパとともに、沈黙のうちに町を回ります。七日目に七周したのち、大声で叫ぶと城壁が崩れ落ちます。ラハブとその家族は救われ、エリコは神にささげられ、ヨシュアは、その町を再建する者にのろいを宣言します。

この章の4つの区分

  1. 1-5節神の不思議な、エリコ攻略の計画
  2. 6-14節六日間、沈黙のうちに町を回る行進
  3. 15-21節七日目:叫び、城壁の崩壊、そして聖絶
  4. 22-27節救われたラハブ、焼かれたエリコ、ヨシュアの名声

1さてエリコは、イスラエルの人々のゆえに、かたく閉ざして、出入りするものがなかった。

2主はヨシュアに言われた、「見よ、わたしはエリコと、その王および大勇士を、あなたの手にわたしている。

3あなたがた、いくさびとはみな、町を巡って、町の周囲を一度回らなければならない。六日の間そのようにしなければならない。

4七人の祭司たちは、おのおの雄羊の角のラッパを携えて、箱に先立たなければならない。そして七日目には七度町を巡り、祭司たちはラッパを吹き鳴らさなければならない。

5そして祭司たちが雄羊の角を長く吹き鳴らし、そのラッパの音が、あなたがたに聞える時、民はみな大声に呼ばわり、叫ばなければならない。そうすれば、町の周囲の石がきは、くずれ落ち、民はみなただちに進んで、攻め上ることができる」。

6ヌンの子ヨシュアは祭司たちを召して言った、「あなたがたは契約の箱をかき、七人の祭司たちは雄羊の角のラッパ七本を携えて、主の箱に先立たなければならない」。

7そして民に言った、「あなたがたは進んで行って町を巡りなさい。武装した者は主の箱に先立って進まなければならない」。

8ヨシュアが民に命じたように、七人の祭司たちは、雄羊の角のラッパ七本を携えて、主に先立って進み、ラッパを吹き鳴らした。主の契約の箱はそのあとに従った。

9武装した者はラッパを吹き鳴らす祭司たちに先立って行き、しんがりは箱に従った。ラッパは絶え間なく鳴り響いた。

10しかし、ヨシュアは民に命じて言った、「あなたがたは呼ばわってはならない。あなたがたの声を聞えさせてはならない。また口から言葉を出してはならない。ただ、わたしが呼ばわれと命じる日に、あなたがたは呼ばわらなければならない」。

11こうして主の箱を持って、町を巡らせ、その周囲を一度回らせた。人々は宿営に帰り、夜を宿営で過ごした。

12翌朝ヨシュアは早く起き、祭司たちは主の箱をかき、

13七人の祭司たちは、雄羊の角のラッパ七本を携えて、主の箱に先立ち、絶えず、ラッパを吹き鳴らして進み、武装した者はこれに先立って行き、しんがりは主の箱に従った。ラッパは絶え間なく鳴り響いた。

14その次の日にも、町の周囲を一度巡って宿営に帰った。六日の間そのようにした。

15七日目には、夜明けに、早く起き、同じようにして、町を七度めぐった。町を七度めぐったのはこの日だけであった。

16七度目に、祭司たちがラッパを吹いた時、ヨシュアは民に言った、「呼ばわりなさい。主はこの町をあなたがたに賜わった。

17この町と、その中のすべてのものは、主への奉納物として滅ぼされなければならない。ただし遊女ラハブと、その家に共におる者はみな生かしておかなければならない。われわれが送った使者たちをかくまったからである。

18また、あなたがたは、奉納物に手を触れてはならない。奉納に当り、その奉納物をみずから取って、イスラエルの宿営を、滅ぼさるべきものとし、それを悩ますことのないためである。

19ただし、銀と金、青銅と鉄の器は、みな主に聖なる物であるから、主の倉に携え入れなければならない」。

20そこで民は呼ばわり、祭司たちはラッパを吹き鳴らした。民はラッパの音を聞くと同時に、みな大声をあげて呼ばわったので、石がきはくずれ落ちた。そこで民はみな、すぐに上って町にはいり、町を攻め取った。

21そして町にあるものは、男も、女も、若い者も、老いた者も、また牛、羊、ろばをも、ことごとくつるぎにかけて滅ぼした。

22その時ヨシュアは、この地を探ったふたりの人に言った、「あの遊女の家にはいって、その女と彼女に属するすべてのものを連れ出し、彼女に誓ったようにしなさい」。

23斥候となったその若い人たちははいって、ラハブとその父母、兄弟、そのほか彼女に属するすべてのものを連れ出し、その親族をみな連れ出して、イスラエルの宿営の外に置いた。

24そして火で町とその中のすべてのものを焼いた。ただ、銀と金、青銅と鉄の器は、主の家の倉に納めた。

25しかし、遊女ラハブとその父の家の一族と彼女に属するすべてのものとは、ヨシュアが生かしておいたので、ラハブは今日までイスラエルのうちに住んでいる。これはヨシュアがエリコを探らせるためにつかわした使者たちをかくまったためである。

26ヨシュアは、その時、人々に誓いを立てて言った、「おおよそ立って、このエリコの町を再建する人は、主の前にのろわれるであろう。その礎をすえる人は長子を失い、その門を建てる人は末の子を失うであろう」。

27主はヨシュアと共におられ、ヨシュアの名声は、あまねくその地に広がった。

鍵となる聖句

2節
主はヨシュアに言われた、「見よ、わたしはエリコと、その王および大勇士を、あなたの手にわたしている。

城壁がそびえ立っているのに、神は町はすでに渡されたと告げられます。約束は目に見える勝利に先立ちます。ヨシュアは、二つの現実のどちらに目を注ぐかを選ばなければなりません。

10節
しかし、ヨシュアは民に命じて言った、「あなたがたは呼ばわってはならない。あなたがたの声を聞えさせてはならない。また口から言葉を出してはならない。ただ、わたしが呼ばわれと命じる日に、あなたがたは呼ばわらなければならない」。

ヨシュアは、叫ぶ前に沈黙を命じます。多くの説教者は、そこに言葉の力と、勝利の前の訓練についての教えを見ています。

20節
そこで民は呼ばわり、祭司たちはラッパを吹き鳴らした。民はラッパの音を聞くと同時に、みな大声をあげて呼ばわったので、石がきはくずれ落ちた。そこで民はみな、すぐに上って町にはいり、町を攻め取った。

民が叫び、ラッパが鳴り響くと、城壁は崩れ落ちます。勝利は、人間の軍事的な戦略ではなく、神が与えられた計画に従った結果です。

25節
しかし、遊女ラハブとその父の家の一族と彼女に属するすべてのものとは、ヨシュアが生かしておいたので、ラハブは今日までイスラエルのうちに住んでいる。これはヨシュアがエリコを探らせるためにつかわした使者たちをかくまったためである。

カナン人の女ラハブは、家族とともに救われ、イスラエルの中に住みます。新約聖書は、彼女を信仰の模範の一人に数えています。

21節
そして町にあるものは、男も、女も、若い者も、老いた者も、また牛、羊、ろばをも、ことごとくつるぎにかけて滅ぼした。

本文は、町全体の聖絶を描いており、カナンの戦いについての難しい問いを投げかけます。それは、ヨシュア記全体の中で読まれるべきものです。

この章に登場する人物

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説教が語っていること

ヨシュア記6章についてよくある質問

エリコの城壁が崩れたことは何を意味しますか。

城壁は、六日間の沈黙の行進と、七日目の七周ののちの大きな叫びによって崩れ落ちます。物語は、神が与えられた計画への従順を強調します。町は力によって攻め取られたのではなく、神によって渡されたのです。多くの説教者は、そこに、何も変わらないように見えるときも忍耐するようにとの励ましを見ています。

エリコでラハブが救われたのはなぜですか。

ラハブは、ヨシュアが送った二人の斥候を迎え入れ、かくまいました。彼女に与えられた約束どおり、家族とともに救われ、その後イスラエルの中に住みます。新約聖書は彼女の信仰を模範として挙げ、マタイはイエスの系図にも彼女の名を記しています。

神がエリコの滅ぼしを命じられたのはなぜですか。

本文は聖絶について語ります。それは町全体に及ぶさばきです。キリスト者の読み手はこの問いにさまざまな仕方で向き合い、ある人は一つの民に対するさばきを強調し、ある人は道徳的な困難を強調し、すべての人が、この箇所をヨシュア記全体の中で読むよう勧めています。

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