聖書 — 口語訳 (1955)
使徒行伝 6
概要
使徒行伝6章は、急速に成長するエルサレム教会が、最初の危機に直面する姿を描きます。毎日の分配で、ギリシヤ語を話すやもめたちが軽んじられていたのです。使徒たちは、神の言を後回しにして食卓の世話をすることを良しとしません。そこで会衆に、御霊と知恵に満ちた七人を選ぶよう提案します。その中でステパノは、信仰と力によって際立っています。彼に対抗する人々は、その知恵に太刀打ちできず、偽りの証言によって彼を捕らえさせます。
この章の3つの区分
1そのころ、弟子の数がふえてくるにつれて、ギリシヤ語を使うユダヤ人たちから、ヘブル語を使うユダヤ人たちに対して、自分たちのやもめらが、日々の配給で、おろそかにされがちだと、苦情を申し立てた。
2そこで、十二使徒は弟子全体を呼び集めて言った、「わたしたちが神の言をさしおいて、食卓のことに携わるのはおもしろくない。
3そこで、兄弟たちよ、あなたがたの中から、御霊と知恵とに満ちた、評判のよい人たち七人を捜し出してほしい。その人たちにこの仕事をまかせ、
4わたしたちは、もっぱら祈と御言のご用に当ることにしよう」。
5この提案は会衆一同の賛成するところとなった。そして信仰と聖霊とに満ちた人ステパノ、それからピリポ、プロコロ、ニカノル、テモン、パルメナ、およびアンテオケの改宗者ニコラオを選び出して、
6使徒たちの前に立たせた。すると、使徒たちは祈って手を彼らの上においた。
7こうして神の言は、ますますひろまり、エルサレムにおける弟子の数が、非常にふえていき、祭司たちも多数、信仰を受けいれるようになった。
8さて、ステパノは恵みと力とに満ちて、民衆の中で、めざましい奇跡としるしとを行っていた。
9すると、いわゆる「リベルテン」の会堂に属する人々、クレネ人、アレキサンドリヤ人、キリキヤやアジヤからきた人々などが立って、ステパノと議論したが、
10彼は知恵と御霊とで語っていたので、それに対抗できなかった。
11そこで、彼らは人々をそそのかして、「わたしたちは、彼がモーセと神とを汚す言葉を吐くのを聞いた」と言わせた。
12その上、民衆や長老たちや律法学者たちを煽動し、彼を襲って捕えさせ、議会にひっぱってこさせた。
13それから、偽りの証人たちを立てて言わせた、「この人は、この聖所と律法とに逆らう言葉を吐いて、どうしても、やめようとはしません。
14『あのナザレ人イエスは、この聖所を打ちこわし、モーセがわたしたちに伝えた慣例を変えてしまうだろう』などと、彼が言うのを、わたしたちは聞きました」。
15議会で席についていた人たちは皆、ステパノに目を注いだが、彼の顔は、ちょうど天使の顔のように見えた。
鍵となる聖句
そこで、十二使徒は弟子全体を呼び集めて言った、「わたしたちが神の言をさしおいて、食卓のことに携わるのはおもしろくない。 そこで、兄弟たちよ、あなたがたの中から、御霊と知恵とに満ちた、評判のよい人たち七人を捜し出してほしい。その人たちにこの仕事をまかせ、 わたしたちは、もっぱら祈と御言のご用に当ることにしよう」。
使徒たちは二つの優先事項を区別します。一方は祈りと御言の務め、もう一方は実際的な奉仕です。教会は責任を分かち合うことで争いを解決し、どちらの務めもおろそかにしませんでした。
そこで、兄弟たちよ、あなたがたの中から、御霊と知恵とに満ちた、評判のよい人たち七人を捜し出してほしい。その人たちにこの仕事をまかせ、
食卓の世話のために、使徒たちは、評判の良い、御霊と知恵に満ちた人々を求めます。実際的な仕事にも、霊的な資質が必要なのです。
さて、ステパノは恵みと力とに満ちて、民衆の中で、めざましい奇跡としるしとを行っていた。
仕えるために選ばれた七人の一人であるステパノは、不思議なわざと大きなしるしを行います。奉仕の働きは、神の力が現れることを妨げません。
議会で席についていた人たちは皆、ステパノに目を注いだが、彼の顔は、ちょうど天使の顔のように見えた。
議会の前で、ステパノの顔は御使いの顔のように見えました。彼の言葉と死に先立って、聖書は彼の内にある平安を示しています。
この章に登場する人物
このテーマで祈る
説教が語っていること
使徒行伝6章についてよくある質問
使徒行伝6章の七人とはだれですか。
やもめたちへの分配を担当するために、会衆から選ばれた七人です。ステパノ、ピリポ、プロコロ、ニカノル、テモン、パルメナ、ニコラオです。伝統的には、ここに執事の務めの起源が見られます。聖書は彼らにその肩書きを与えていませんが、御霊と知恵に満ちた人々として描いています。
使徒たちはなぜ食卓の世話をしないのですか。
使徒たちは、実際的な奉仕を軽んじているのではありません。自分たちの優先事項は祈りと御言の務めだと考えているのです。そこで会衆に、この務めにふさわしい人々を選ぶよう求めます。この解決策はすべての人に受け入れられ、神の言は広まり続けます。
使徒行伝6章の主なメッセージは何ですか。
成長する教会は、具体的な困難に直面します。教会は、祈りと御言をおろそかにすることなく、責任を分かち合ってそれに対処します。この章はまた、ステパノのようなへりくだった奉仕にも、神の大きな力と勇気ある証しが伴いうることを示しています。
使徒行伝 6を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。