聖書 — 口語訳 (1955)
出エジプト記 14
概要
出エジプト記14章は、紅海を渡る出来事を語ります。パロはイスラエルを去らせたことを後悔し、軍勢を率いて追いかけます。水と戦車のあいだに挟まれた民は、恐れて叫びます。モーセは、主が彼らのために戦われると答えます。神は海を開き、イスラエルは乾いた地を渡り、水はエジプト人の上に閉じます。章は、主への畏れと、神が成し遂げられた救いを見た民の信仰で結ばれます。
この章の4つの区分
1主はモーセに言われた、
2「イスラエルの人々に告げ、引き返して、ミグドルと海との間にあるピハヒロテの前、バアルゼポンの前に宿営させなさい。あなたがたはそれにむかって、海のかたわらに宿営しなければならない。
3パロはイスラエルの人々について、『彼らはその地で迷っている。荒野は彼らを閉じ込めてしまった』と言うであろう。
4わたしがパロの心をかたくなにするから、パロは彼らのあとを追うであろう。わたしはパロとそのすべての軍勢を破って誉を得、エジプトびとにわたしが主であることを知らせるであろう」。彼らはそのようにした。
5民の逃げ去ったことが、エジプトの王に伝えられたので、パロとその家来たちとは、民に対する考えを変えて言った、「われわれはなぜこのようにイスラエルを去らせて、われわれに仕えさせないようにしたのであろう」。
6それでパロは戦車を整え、みずからその民を率い、
7また、えり抜きの戦車六百と、エジプトのすべての戦車およびすべての指揮者たちを率いた。
8主がエジプトの王パロの心をかたくなにされたので、彼はイスラエルの人々のあとを追った。イスラエルの人々は意気揚々と出たのである。
9エジプトびとは彼らのあとを追い、パロのすべての馬と戦車およびその騎兵と軍勢とは、バアルゼポンの前にあるピハヒロテのあたりで、海のかたわらに宿営している彼らに追いついた。
10パロが近寄った時、イスラエルの人々は目を上げてエジプトびとが彼らのあとに進んできているのを見て、非常に恐れた。そしてイスラエルの人々は主にむかって叫び、
11かつモーセに言った、「エジプトに墓がないので、荒野で死なせるために、わたしたちを携え出したのですか。なぜわたしたちをエジプトから導き出して、こんなにするのですか。
12わたしたちがエジプトであなたに告げて、『わたしたちを捨てておいて、エジプトびとに仕えさせてください』と言ったのは、このことではありませんか。荒野で死ぬよりもエジプトびとに仕える方が、わたしたちにはよかったのです」。
13モーセは民に言った、「あなたがたは恐れてはならない。かたく立って、主がきょう、あなたがたのためになされる救を見なさい。きょう、あなたがたはエジプトびとを見るが、もはや永久に、二度と彼らを見ないであろう。
14主があなたがたのために戦われるから、あなたがたは黙していなさい」。
15主はモーセに言われた、「あなたは、なぜわたしにむかって叫ぶのか。イスラエルの人々に語って彼らを進み行かせなさい。
16あなたはつえを上げ、手を海の上にさし伸べてそれを分け、イスラエルの人々に海の中のかわいた地を行かせなさい。
17わたしがエジプトびとの心をかたくなにするから、彼らはそのあとを追ってはいるであろう。こうしてわたしはパロとそのすべての軍勢および戦車と騎兵とを打ち破って誉を得よう。
18わたしがパロとその戦車とその騎兵とを打ち破って誉を得るとき、エジプトびとはわたしが主であることを知るであろう」。
19このとき、イスラエルの部隊の前に行く神の使は移って彼らのうしろに行った。雲の柱も彼らの前から移って彼らのうしろに立ち、
20エジプトびとの部隊とイスラエルびとの部隊との間にきたので、そこに雲とやみがあり夜もすがら、かれとこれと近づくことなく、夜がすぎた。
21モーセが手を海の上にさし伸べたので、主は夜もすがら強い東風をもって海を退かせ、海を陸地とされ、水は分かれた。
22イスラエルの人々は海の中のかわいた地を行ったが、水は彼らの右と左に、かきとなった。
23エジプトびとは追ってきて、パロのすべての馬と戦車と騎兵とは、彼らのあとについて海の中にはいった。
24暁の更に、主は火と雲の柱のうちからエジプトびとの軍勢を見おろして、エジプトびとの軍勢を乱し、
25その戦車の輪をきしらせて、進むのに重くされたので、エジプトびとは言った、「われわれはイスラエルを離れて逃げよう。主が彼らのためにエジプトびとと戦う」。
26そのとき主はモーセに言われた、「あなたの手を海の上にさし伸べて、水をエジプトびとと、その戦車と騎兵との上に流れ返らせなさい」。
27モーセが手を海の上にさし伸べると、夜明けになって海はいつもの流れに返り、エジプトびとはこれにむかって逃げたが、主はエジプトびとを海の中に投げ込まれた。
28水は流れ返り、イスラエルのあとを追って海にはいった戦車と騎兵およびパロのすべての軍勢をおおい、ひとりも残らなかった。
29しかし、イスラエルの人々は海の中のかわいた地を行ったが、水は彼らの右と左に、かきとなった。
30このように、主はこの日イスラエルをエジプトびとの手から救われた。イスラエルはエジプトびとが海べに死んでいるのを見た。
31イスラエルはまた、主がエジプトびとに行われた大いなるみわざを見た。それで民は主を恐れ、主とそのしもべモーセとを信じた。
鍵となる聖句
モーセは民に言った、「あなたがたは恐れてはならない。かたく立って、主がきょう、あなたがたのためになされる救を見なさい。きょう、あなたがたはエジプトびとを見るが、もはや永久に、二度と彼らを見ないであろう。 主があなたがたのために戦われるから、あなたがたは黙していなさい」。
モーセは民に、恐れずに、主の救いを見るよう呼びかけます。人の力では出口のないこの状況で、イスラエルは自分で動くのではなく、信頼するよう求められています。
主はモーセに言われた、「あなたは、なぜわたしにむかって叫ぶのか。イスラエルの人々に語って彼らを進み行かせなさい。
神は、叫ぶのをやめて、進むよう命じられます。信頼を求めたあとで、具体的な従順を求めておられるのです。救いと、前へ踏み出す一歩は、共にあります。
モーセが手を海の上にさし伸べたので、主は夜もすがら強い東風をもって海を退かせ、海を陸地とされ、水は分かれた。
モーセが手を差し伸べたあと、一晩中、強い東風で海を退かせたのは主です。これは神の御業であって、モーセはそのしもべにすぎません。
イスラエルはまた、主がエジプトびとに行われた大いなるみわざを見た。それで民は主を恐れ、主とそのしもべモーセとを信じた。
章は、主への畏れと民の信仰で閉じられます。神が働かれるのを見ることは、神と、神が選ばれたしもべを信頼することへ導きます。
この章に登場する人物
このテーマで祈る
説教が語っていること
出エジプト記14章についてよくある質問
出エジプト記14章14節の「主があなたがたのために戦われる」とはどういう意味ですか
モーセは、海とパロの軍勢のあいだに挟まれた民に、勝利は自分の力ではなく神から来ると告げます。何もしなくてよいという意味ではありません。次の節で、神は進むよう命じておられます。この箇所は、戦いは神に任せて信頼しながら、神が求められることには従うようにと招いています。
出エジプト記14章によると、紅海はどのように開いたのですか
本文によれば、モーセが手を差し伸べ、主が一晩中、強い東風で海を退かせ、海を乾いた地にされました。水は右と左で垣のようになります。直接の奇跡と見る人もいれば、風が用いられたことに注目する人もいますが、物語は、この出来事を神の御業として語っています。
出エジプト記14章から、今日の生活のために何を学べますか
この章は、救い出されたばかりの民が行き詰まりに直面する姿を描いています。神はそこで真実な方です。語りかけ、道を開き、救ってくださいます。多くのクリスチャンは、ここに励ましを見いだします。行き詰まった状況を神にゆだね、恐れを隠さずに神に伝え、そして神が示される歩みの速さで進むのです。
出エジプト記 14を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。