聖書 — 口語訳 (1955)
出エジプト記 15
概要
出エジプト記15章は、モーセとイスラエルの歌で始まります。パロの軍勢を海に投げ込まれた神への賛美です。この歌は、神の力、聖さ、民への真実をたたえ、ミリアムが女たちとタンバリンでこれに和する場面で終わります。しかし、すぐに場面は変わります。水のない三日の旅、マラの苦い水、つぶやく民、主に叫ぶモーセ。神は水を甘くし、民を試み、ご自分を、いやしをなさる主として示されます。そのあとに、エリムのオアシスが待っています。
この章の5つの区分
1そこでモーセとイスラエルの人々は、この歌を主にむかって歌った。彼らは歌って言った、「主にむかってわたしは歌おう、彼は輝かしくも勝ちを得られた、彼は馬と乗り手を海に投げ込まれた。
2主はわたしの力また歌、わたしの救となられた、彼こそわたしの神、わたしは彼をたたえる、彼はわたしの父の神、わたしは彼をあがめる。
3主はいくさびと、その名は主。
4彼はパロの戦車とその軍勢とを海に投げ込まれた、そのすぐれた指揮者たちは紅海に沈んだ。
5大水は彼らをおおい、彼らは石のように淵に下った。
6主よ、あなたの右の手は力をもって栄光にかがやく、主よ、あなたの右の手は敵を打ち砕く。
7あなたは大いなる威光をもって、あなたに立ちむかう者を打ち破られた。あなたが怒りを発せられると、彼らは、わらのように焼きつくされた。
8あなたの鼻の息によって水は積みかさなり、流れは堤となって立ち、大水は海のもなかに凝り固まった。
9敵は言った、『わたしは追い行き、追い着いて、分捕物を分かち取ろう、わたしの欲望を彼らによって満たそう、つるぎを抜こう、わたしの手は彼らを滅ぼそう』。
10あなたが息を吹かれると、海は彼らをおおい、彼らは鉛のように、大水の中に沈んだ。
11主よ、神々のうち、だれがあなたに比べられようか、だれがあなたのように、聖にして栄えあるもの、ほむべくして恐るべきもの、くすしきわざを行うものであろうか。
12あなたが右の手を伸べられると、地は彼らをのんだ。
13あなたは、あがなわれた民を恵みをもって導き、み力をもって、あなたの聖なるすまいに伴われた。
14もろもろの民は聞いて震え、ペリシテの住民は苦しみに襲われた。
15エドムの族長らは、おどろき、モアブの首長らは、わななき、カナンの住民は、みな溶け去った。
16恐れと、おののきとは彼らに臨み、み腕の大いなるゆえに、彼らは石のように黙した、主よ、あなたの民の通りすぎるまで、あなたが買いとられた民の通りすぎるまで。
17あなたは彼らを導いて、あなたの嗣業の山に植えられる。主よ、これこそあなたのすまいとして、みずから造られた所、主よ、み手によって建てられた聖所。
18主は永遠に統べ治められる」。
19パロの馬が、その戦車および騎兵と共に海にはいると、主は海の水を彼らの上に流れ返らされたが、イスラエルの人々は海の中のかわいた地を行った。
20そのとき、アロンの姉、女預言者ミリアムはタンバリンを手に取り、女たちも皆タンバリンを取って、踊りながら、そのあとに従って出てきた。
21そこでミリアムは彼らに和して歌った、「主にむかって歌え、彼は輝かしくも勝ちを得られた、彼は馬と乗り手を海に投げ込まれた」。
22さて、モーセはイスラエルを紅海から旅立たせた。彼らはシュルの荒野に入り、三日のあいだ荒野を歩いたが、水を得なかった。
23彼らはメラに着いたが、メラの水は苦くて飲むことができなかった。それで、その所の名はメラと呼ばれた。
24ときに、民はモーセにつぶやいて言った、「わたしたちは何を飲むのですか」。
25モーセは主に叫んだ。主は彼に一本の木を示されたので、それを水に投げ入れると、水は甘くなった。その所で主は民のために定めと、おきてを立てられ、彼らを試みて、
26言われた、「あなたが、もしあなたの神、主の声に良く聞き従い、その目に正しいと見られることを行い、その戒めに耳を傾け、すべての定めを守るならば、わたしは、かつてエジプトびとに下した病を一つもあなたに下さないであろう。わたしは主であって、あなたをいやすものである」。
27こうして彼らはエリムに着いた。そこには水の泉十二と、なつめやしの木七十本があった。その所で彼らは水のほとりに宿営した。
鍵となる聖句
主はわたしの力また歌、わたしの救となられた、彼こそわたしの神、わたしは彼をたたえる、彼はわたしの父の神、わたしは彼をあがめる。
民は、主が自分の力、歌、そして救いであると告白します。賛美は、自分の感じ方によるのではなく、まず神がなさったことから生まれます。
主よ、神々のうち、だれがあなたに比べられようか、だれがあなたのように、聖にして栄えあるもの、ほむべくして恐るべきもの、くすしきわざを行うものであろうか。
「神々のうち、だれがあなたに比べられようか」という問いは、聖にして栄えあるもの、くすしきわざを行うものである主に並ぶ神はいないと宣言しています。この歌の中心です。
モーセは主に叫んだ。主は彼に一本の木を示されたので、それを水に投げ入れると、水は甘くなった。その所で主は民のために定めと、おきてを立てられ、彼らを試みて、
マラで、モーセが主に叫ぶと、主は一本の木を示され、それを水に投げ入れると水は甘くなります。聖書は、神がその場所で民を試みられたことも記しています。
言われた、「あなたが、もしあなたの神、主の声に良く聞き従い、その目に正しいと見られることを行い、その戒めに耳を傾け、すべての定めを守るならば、わたしは、かつてエジプトびとに下した病を一つもあなたに下さないであろう。わたしは主であって、あなたをいやすものである」。
神はご自分を「あなたをいやすもの」として示され、それを主の声に聞き従い、戒めを守ることと結びつけられます。この節は、契約の文脈の中で、イスラエルに語られています。
この章に登場する人物
説教が語っていること
出エジプト記15章についてよくある質問
出エジプト記15章のモーセの歌とは何ですか。
紅海を渡り、パロの軍勢が敗れた直後に、モーセとイスラエルの人々が歌った歌です。主の力、聖さ、真実をたたえ、周りの民が震えることを告げ、主が永遠に統べ治められるという宣言で終わります。そのあとミリアムが、女たちとともに踊りながら、この歌に和しました。
出エジプト記15章のマラでは何が起きましたか。
水のない三日の旅のあと、イスラエルはマラに着きますが、水が苦くて飲めません。民はモーセにつぶやき、モーセは主に叫びます。神が一本の木を示され、それを水に投げ入れると、水は甘くなりました。神がその場所で定めとおきてを与え、民を試みられたのも、このときです。
出エジプト記15章26節のいやしの約束は何を意味していますか。
神はイスラエルに、主の声に聞き従い、戒めを守るなら、エジプトに下した病を下さないと約束され、ご自分を、いやすものとして示されます。クリスチャンはここに神の良さの現れを見ますが、あらゆる状況でのいやしの保証とは考えません。
出エジプト記 15を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。