聖書 — 口語訳 (1955)

出エジプト記 2

概要

出エジプト記2章は、パロがヘブルびとの子どもたちを脅かす中での、レビの家のモーセの誕生を語ります。母は彼を隠し、やがて川に置き、パロの娘が彼を引き取ります。成人したモーセは、一人のヘブルびとをかばってエジプトびとを打ち殺し、ミデヤンへ逃げて、チッポラを妻とします。章の終わりは対照的です。解放者が亡命している間に、イスラエルの叫びは神に届き、神は契約を覚え、ご自分の民を顧みられます。

この章の4つの区分

  1. 1-10節水から救われ、パロの宮廷で育てられたモーセ
  2. 11-15節モーセの行いと、パロの前からの逃亡
  3. 16-22節ミデヤンにて:井戸、リウエル、そしてチッポラ
  4. 23-25節神はイスラエルの叫びを聞き、契約を覚えられる

1さて、レビの家のひとりの人が行ってレビの娘をめとった。

2女はみごもって、男の子を産んだが、その麗しいのを見て、三月のあいだ隠していた。

3しかし、もう隠しきれなくなったので、パピルスで編んだかごを取り、それにアスファルトと樹脂とを塗って、子をその中に入れ、これをナイル川の岸の葦の中においた。

4その姉は、彼がどうされるかを知ろうと、遠く離れて立っていた。

5ときにパロの娘が身を洗おうと、川に降りてきた。侍女たちは川べを歩いていたが、彼女は、葦の中にかごのあるのを見て、つかえめをやり、それを取ってこさせ、

6あけて見ると子供がいた。見よ、幼な子は泣いていた。彼女はかわいそうに思って言った、「これはヘブルびとの子供です」。

7そのとき幼な子の姉はパロの娘に言った、「わたしが行ってヘブルの女のうちから、あなたのために、この子に乳を飲ませるうばを呼んでまいりましょうか」。

8パロの娘が「行ってきてください」と言うと、少女は行ってその子の母を呼んできた。

9パロの娘は彼女に言った、「この子を連れて行って、わたしに代り、乳を飲ませてください。わたしはその報酬をさしあげます」。女はその子を引き取って、これに乳を与えた。

10その子が成長したので、彼女はこれをパロの娘のところに連れて行った。そして彼はその子となった。彼女はその名をモーセと名づけて言った、「水の中からわたしが引き出したからです」。

11モーセが成長して後、ある日のこと、同胞の所に出て行って、そのはげしい労役を見た。彼はひとりのエジプトびとが、同胞のひとりであるヘブルびとを打つのを見たので、

12左右を見まわし、人のいないのを見て、そのエジプトびとを打ち殺し、これを砂の中に隠した。

13次の日また出て行って、ふたりのヘブルびとが互に争っているのを見、悪い方の男に言った、「あなたはなぜ、あなたの友を打つのですか」。

14彼は言った、「だれがあなたを立てて、われわれのつかさ、また裁判人としたのですか。エジプトびとを殺したように、あなたはわたしを殺そうと思うのですか」。モーセは恐れた。そしてあの事がきっと知れたのだと思った。

15パロはこの事を聞いて、モーセを殺そうとした。しかしモーセはパロの前をのがれて、ミデヤンの地に行き、井戸のかたわらに座していた。

16さて、ミデヤンの祭司に七人の娘があった。彼女たちはきて水をくみ、水槽にみたして父の羊の群れに飲ませようとしたが、

17羊飼たちがきて彼女らを追い払ったので、モーセは立ち上がって彼女たちを助け、その羊の群れに水を飲ませた。

18彼女たちが父リウエルのところに帰った時、父は言った、「きょうは、どうして、こんなに早く帰ってきたのか」。

19彼女たちは言った、「ひとりのエジプトびとが、わたしたちを羊飼たちの手から助け出し、そのうえ、水をたくさんくんで、羊の群れに飲ませてくれたのです」。

20彼は娘たちに言った、「そのかたはどこにおられるか。なぜ、そのかたをおいてきたのか。呼んできて、食事をさしあげなさい」。

21モーセがこの人と共におることを好んだので、彼は娘のチッポラを妻としてモーセに与えた。

22彼女が男の子を産んだので、モーセはその名をゲルショムと名づけた。「わたしは外国に寄留者となっている」と言ったからである。

23多くの日を経て、エジプトの王は死んだ。イスラエルの人々は、その苦役の務のゆえにうめき、また叫んだが、その苦役のゆえの叫びは神に届いた。

24神は彼らのうめきを聞き、神はアブラハム、イサク、ヤコブとの契約を覚え、

25神はイスラエルの人々を顧み、神は彼らをしろしめされた。

鍵となる聖句

3節
しかし、もう隠しきれなくなったので、パピルスで編んだかごを取り、それにアスファルトと樹脂とを塗って、子をその中に入れ、これをナイル川の岸の葦の中においた。

もう子どもを隠しきれなくなった母は、パピルスで編んだかごに入れて川の岸に置きます。信仰と手放しのこの行いが、思いがけない救いを備えます。

10節
その子が成長したので、彼女はこれをパロの娘のところに連れて行った。そして彼はその子となった。彼女はその名をモーセと名づけて言った、「水の中からわたしが引き出したからです」。

パロの娘は、水の中から引き出したという意味で、その子にモーセと名づけます。未来の解放者は、抑圧者の家の中で育ちます。

14節
彼は言った、「だれがあなたを立てて、われわれのつかさ、また裁判人としたのですか。エジプトびとを殺したように、あなたはわたしを殺そうと思うのですか」。モーセは恐れた。そしてあの事がきっと知れたのだと思った。

「だれがあなたを立てて、われわれのつかさ、また裁判人としたのですか」という問いは、モーセが同胞から拒まれたことを示しています。彼の自分の判断での行動は失敗し、逃げなければなりませんでした。

24節
神は彼らのうめきを聞き、神はアブラハム、イサク、ヤコブとの契約を覚え、

神はうめきを聞かれ、アブラハム、イサク、ヤコブとの契約を覚えられます。聖書は、解放が、モーセからではなく神から来ることを告げています。

この章に登場する人物

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説教が語っていること

出エジプト記2章についてよくある質問

モーセの母はなぜ、モーセをナイル川のかごに入れたのですか。

パロは、ヘブルびとの男の子を滅ぼすよう命じていました。三か月隠したあと、母はもう安全に守りきれず、パピルスで編んだかごに入れて葦の中に置きました。姉は遠くから見守っていました。パロの娘が彼を見つけ、その子の実の母が乳を飲ませることができました。

モーセはなぜミデヤンへ逃げたのですか。

モーセは、エジプトびとがヘブルびとを打つのを見て、そのエジプトびとを打ち殺しました。翌日、一人のヘブルびとから、だれがあなたを立てたのかと問われ、そのことが知られたとモーセは悟りました。パロはモーセを殺そうとしていました。そこでミデヤンに逃げ、リウエルと出会い、チッポラを妻としました。

出エジプト記2章24節で、神が契約を覚えられたとはどういう意味ですか。

長い奴隷の年月ののち、イスラエルの叫びは神に届きます。神が覚えられたというのは、忘れておられたという意味ではなく、アブラハム、イサク、ヤコブにされた約束に忠実に行動されることを示します。この節は、出エジプトの続き、つまり解放の始まりを開きます。

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