聖書 — 口語訳 (1955)
ネヘミヤ記 4
概要
ネヘミヤ記4章は、エルサレムの城壁再建に反対する勢力が立ち上がる場面を語ります。サヌバラテとトビヤは、まず働く人々をあざけり、破れ口がふさがれていくのを見ると、町を攻める陰謀を企てます。ネヘミヤは祈りと見張りで応えます。見張りを立て、家族ごとに武器を持たせ、神は偉大で恐るべきお方であることを民に思い起こさせます。神のみわざには、ほとんどいつも抵抗が伴うこと、そして目を覚まし、祈り、心を一つにしてこそ持ちこたえられることを、この章は教えています。
この章の4つの区分
1サンバラテはわれわれが城壁を築くのを聞いて怒り、大いに憤ってユダヤ人をあざけった。
2彼はその兄弟たちおよびサマリヤの兵隊の前で語って言った、「この弱々しいユダヤ人は何をしているのか。自分で再興しようとするのか。犠牲をささげようとするのか。一日で事を終えようとするのか。塵塚の中の石はすでに焼けているのに、これを取りだして生かそうとするのか」。
3またアンモンびとトビヤは、彼のかたわらにいて言った、「そうだ、彼らの築いている城壁は、きつね一匹が上ってもくずれるであろう」と。
4「われわれの神よ、聞いてください。われわれは侮られています。彼らのはずかしめを彼らのこうべに返し、彼らを捕囚の地でぶんどり物にしてください。
5彼らのとがをおおわず、彼らの罪をみ前から消し去らないでください。彼らは築き建てる者の前であなたを怒らせたからです」。
6こうしてわれわれは城壁を築いたが、石がきはみな相連なって、その高さの半ばにまで達した。民が心をこめて働いたからである。
7ところがサンバラテ、トビヤ、アラビヤびと、アンモンびと、アシドドびとらは、エルサレムの城壁の修理が進展し、その破れ目もふさがり始めたと聞いて大いに怒り、
8皆共に相はかり、エルサレムを攻めて、その中に混乱を起そうとした。
9そこでわれわれは神に祈り、また日夜見張りを置いて彼らに備えた。
10その時、ユダびとは言った、「荷を負う者の力は衰え、そのうえ、灰土がおびただしいので、われわれは城壁を築くことができない」。
11またわれわれの敵は言った、「彼らの知らないうちに、また見ないうちに、彼らの中にはいりこんで彼らを殺し、その工事をやめさせよう」。
12また彼らの近くに住んでいるユダヤ人たちはきて、十度もわれわれに言った、「彼らはその住んでいるすべての所からわれわれに攻め上るでしょう」と。
13そこでわたしは民につるぎ、やりおよび弓を持たせ、城壁の後の低い所、すなわち空地にその家族にしたがって立たせた。
14わたしは見めぐり、立って尊い人々、つかさたち、およびその他の民らに言った、「あなたがたは彼らを恐れてはならない。大いなる恐るべき主を覚え、あなたがたの兄弟、むすこ、娘、妻および家のために戦いなさい」。
15われわれの敵は自分たちの事が、われわれに悟られたことを聞き、また神が彼らの計りごとを破られたことを聞いたので、われわれはみな城壁に帰り、おのおのその工事を続けた。
16その日から後は、わたしのしもべの半数は工事に働き、半数はやり、盾、弓、よろいをもって武装した。そしてつかさたちは城壁を築いているユダの全家の後に立った。
17荷を負い運ぶ者はおのおの片手で工事をなし、片手に武器を執った。
18築き建てる者はおのおのその腰につるぎを帯びて築き建て、ラッパを吹く者はわたしのかたわらにいた。
19わたしは尊い人々、つかさたち、およびその他の民に言った、「工事は大きくかつ広がっているので、われわれは城壁の上で互に遠く離れている。
20どこででもラッパの音を聞いたなら、そこにいるわれわれの所に集まってほしい。われわれの神はわれわれのために戦われます」。
21このようにして、われわれは工事を進めたが、半数の者は夜明けから星の出る時まで、やりを執っていた。
22その時わたしはまた民に告げて、「おのおのそのしもべと共にエルサレムの内に宿り、夜はわれわれの護衛者となり、昼は工事をするように」と言った。
23そして、わたしも、わたしの兄弟たちも、わたしのしもべたちも、わたしを護衛する人々も、われわれのうちひとりも、その衣を脱がず、おのおの手に武器を執っていた。
鍵となる聖句
こうしてわれわれは城壁を築いたが、石がきはみな相連なって、その高さの半ばにまで達した。民が心をこめて働いたからである。
あざけられても、城壁は半分の高さまで上がりました。聖書はその理由を、民が心を込めて働いたからだと記します。ひとりの勢いよりも、全員が続ける忍耐のほうが大切なのです。
そこでわれわれは神に祈り、また日夜見張りを置いて彼らに備えた。
ネヘミヤは信仰か用心かを選びません。民は祈り、そのうえで見張りも立てました。祈りは備えのなさの言いわけにならず、警戒は祈りの代わりにもなりません。
わたしは見めぐり、立って尊い人々、つかさたち、およびその他の民らに言った、「あなたがたは彼らを恐れてはならない。大いなる恐るべき主を覚え、あなたがたの兄弟、むすこ、娘、妻および家のために戦いなさい」。
恐れに直面しても、ネヘミヤは危険を小さく見せようとはしません。人々の目を、偉大で恐るべき主に向けさせ、守る価値のあるもの、つまり家族と家々に向けさせます。
荷を負い運ぶ者はおのおの片手で工事をなし、片手に武器を執った。 築き建てる者はおのおのその腰につるぎを帯びて築き建て、ラッパを吹く者はわたしのかたわらにいた。
有名な光景です。片手に道具、片手に武器。働きが完成するまでは、建てることと身を守ることは並んで進みます。
どこででもラッパの音を聞いたなら、そこにいるわれわれの所に集まってほしい。われわれの神はわれわれのために戦われます」。
民は城壁の上に散らばっていますが、角笛が彼らを集めます。ネヘミヤは、神が私たちのために戦ってくださるとも告げます。働く者同士の連帯と神への信頼は、切り離せません。
この章に登場する人物
このテーマで祈る
説教が語っていること
ネヘミヤ記4章についてよくある質問
ネヘミヤ記4章の中心的なメッセージは何ですか
神に仕えると反対を受けること、はじめはあざけりで、次には脅しで来ることを、この章は示しています。ネヘミヤは祈り、見張りを立て、主の偉大さを民に思い起こさせ、皆が心を一つにするようにして応えました。私たちも、無邪気さも恐れも持たずに働きを続けることができます。
片手で働き、片手で武器を持つとは、どういう意味ですか
17節では、敵がいつ攻めてくるかわからないので、働く人々は手の届くところに武器を置いて城壁を建てました。これはしばしば、クリスチャン生活の姿として読まれます。祈りと兄弟姉妹の交わりに支えられ、警戒を保ちながら使命を進めるということです。
ネヘミヤ記4章に出てくるサヌバラテとトビヤは誰ですか
サヌバラテはサマリヤの有力者、トビヤはアンモン人です。エルサレムの再建がユダヤ人の共同体を強めるため、二人は反対しました。はじめは働く人々をあざけり、やがて周辺の民と手を結んで、町を攻める準備をします。
ネヘミヤ記 4を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。