聖書 — 口語訳 (1955)
ヨハネの第一の手紙 2
概要
ヨハネの第一の手紙2章は、神は光であるという宣言を受け継ぎます。ヨハネは、読者が罪を犯さないために書き、もしだれかが罪を犯しても、義なるイエス・キリストが、父のみもとでの助け主であると語ります。神を知っていることは、従順と兄弟への愛で確かめられます。ヨハネは三つの層の読者に語りかけ、過ぎ去る欲望に満ちた世を愛さないよう呼びかけ、イエスがキリストであることを否定する人々に警告します。そして最後に、受けた油注ぎに支えられて、キリストにとどまるよう勧めます。
この章の6つの区分
1わたしの子たちよ。これらのことを書きおくるのは、あなたがたが罪を犯さないようになるためである。もし、罪を犯す者があれば、父のみもとには、わたしたちのために助け主、すなわち、義なるイエス・キリストがおられる。
2彼は、わたしたちの罪のための、あがないの供え物である。ただ、わたしたちの罪のためばかりではなく、全世界の罪のためである。
3もし、わたしたちが彼の戒めを守るならば、それによって彼を知っていることを悟るのである。
4「彼を知っている」と言いながら、その戒めを守らない者は、偽り者であって、真理はその人のうちにない。
5しかし、彼の御言を守る者があれば、その人のうちに、神の愛が真に全うされるのである。それによって、わたしたちが彼にあることを知るのである。
6「彼におる」と言う者は、彼が歩かれたように、その人自身も歩くべきである。
7愛する者たちよ。わたしがあなたがたに書きおくるのは、新しい戒めではなく、あなたがたが初めから受けていた古い戒めである。その古い戒めとは、あなたがたがすでに聞いた御言である。
8しかも、新しい戒めを、あなたがたに書きおくるのである。そして、それは、彼にとってもあなたがたにとっても、真理なのである。なぜなら、やみは過ぎ去り、まことの光がすでに輝いているからである。
9「光の中にいる」と言いながら、その兄弟を憎む者は、今なお、やみの中にいるのである。
10兄弟を愛する者は、光におるのであって、つまずくことはない。
11兄弟を憎む者は、やみの中におり、やみの中を歩くのであって、自分ではどこへ行くのかわからない。やみが彼の目を見えなくしたからである。
12子たちよ。あなたがたにこれを書きおくるのは、御名のゆえに、あなたがたの多くの罪がゆるされたからである。
13父たちよ。あなたがたに書きおくるのは、あなたがたが、初めからいますかたを知ったからである。若者たちよ。あなたがたに書きおくるのは、あなたがたが、悪しき者にうち勝ったからである。
14子供たちよ。あなたがたに書きおくったのは、あなたがたが父を知ったからである。父たちよ。あなたがたに書きおくったのは、あなたがたが、初めからいますかたを知ったからである。若者たちよ。あなたがたに書きおくったのは、あなたがたが強い者であり、神の言があなたがたに宿り、そして、あなたがたが悪しき者にうち勝ったからである。
15世と世にあるものとを、愛してはいけない。もし、世を愛する者があれば、父の愛は彼のうちにない。
16すべて世にあるもの、すなわち、肉の欲、目の欲、持ち物の誇は、父から出たものではなく、世から出たものである。
17世と世の欲とは過ぎ去る。しかし、神の御旨を行う者は、永遠にながらえる。
18子供たちよ。今は終りの時である。あなたがたがかねて反キリストが来ると聞いていたように、今や多くの反キリストが現れてきた。それによって今が終りの時であることを知る。
19彼らはわたしたちから出て行った。しかし、彼らはわたしたちに属する者ではなかったのである。もし属する者であったなら、わたしたちと一緒にとどまっていたであろう。しかし、出て行ったのは、元来、彼らがみなわたしたちに属さない者であることが、明らかにされるためである。
20しかし、あなたがたは聖なる者に油を注がれているので、あなたがたすべてが、そのことを知っている。
21わたしが書きおくったのは、あなたがたが真理を知らないからではなく、それを知っているからであり、また、すべての偽りは真理から出るものでないことを、知っているからである。
22偽り者とは、だれであるか。イエスのキリストであることを否定する者ではないか。父と御子とを否定する者は、反キリストである。
23御子を否定する者は父を持たず、御子を告白する者は、また父をも持つのである。
24初めから聞いたことが、あなたがたのうちに、とどまるようにしなさい。初めから聞いたことが、あなたがたのうちにとどまっておれば、あなたがたも御子と父とのうちに、とどまることになる。
25これが、彼自らわたしたちに約束された約束であって、すなわち、永遠のいのちである。
26わたしは、あなたがたを惑わす者たちについて、これらのことを書きおくった。
27あなたがたのうちには、キリストからいただいた油がとどまっているので、だれにも教えてもらう必要はない。この油が、すべてのことをあなたがたに教える。それはまことであって、偽りではないから、その油が教えたように、あなたがたは彼のうちにとどまっていなさい。
28そこで、子たちよ。キリストのうちにとどまっていなさい。それは、彼が現れる時に、確信を持ち、その来臨に際して、みまえに恥じいることがないためである。
29彼の義なるかたであることがわかれば、義を行う者はみな彼から生れたものであることを、知るであろう。
鍵となる聖句
わたしの子たちよ。これらのことを書きおくるのは、あなたがたが罪を犯さないようになるためである。もし、罪を犯す者があれば、父のみもとには、わたしたちのために助け主、すなわち、義なるイエス・キリストがおられる。 彼は、わたしたちの罪のための、あがないの供え物である。ただ、わたしたちの罪のためばかりではなく、全世界の罪のためである。
ヨハネは、読者が罪を避けることを望みますが、同時に確信も与えます。イエスは、倒れた人のために弁護され、ご自身が私たちの罪のための宥めのささげ物です。本文は罪を見過ごすのではなく、赦しを告げています。
世と世にあるものとを、愛してはいけない。もし、世を愛する者があれば、父の愛は彼のうちにない。 すべて世にあるもの、すなわち、肉の欲、目の欲、持ち物の誇は、父から出たものではなく、世から出たものである。 世と世の欲とは過ぎ去る。しかし、神の御旨を行う者は、永遠にながらえる。
世を愛するなという呼びかけが指しているのは、肉の欲、目の欲、持ち物の誇りであり、被造物や人々ではありません。世は過ぎ去りますが、神のみこころを行う者は、永遠にながらえます。
しかし、あなたがたは聖なる者に油を注がれているので、あなたがたすべてが、そのことを知っている。
信じる者は、聖なる方から油注ぎを受けています。説教は、そこに聖霊の臨在を見ます。聖霊は、内側から教え、導いてくださいます。
そこで、子たちよ。キリストのうちにとどまっていなさい。それは、彼が現れる時に、確信を持ち、その来臨に際して、みまえに恥じいることがないためである。
ヨハネは、キリストが現れるとき確信をもつために、キリストにとどまるよう呼びかけて結びます。再臨を待つことが、恐れではなく、忠実であることの動機となります。
説教が語っていること
ヨハネの第一の手紙2章についてよくある質問
ヨハネの第一の手紙2章1節のわたしたちには、父のみもとにいる助け主があるとはどういう意味ですか
ヨハネは、読者が罪を犯さないように書いていますが、彼らが倒れることがあるのも知っています。そのとき、義なるイエス・キリストが父のみもとで彼らのために弁護されます。イエスご自身が、罪のための宥めのささげ物だからです。罪を軽く見ることなく、赦しが差し出されています。
ヨハネの第一の手紙2章15節の世を愛してはいけないとはどういう意味ですか
本文が退けているのは、被造物や人々ではなく、父に逆らうもの、すなわち肉の欲、目の欲、持ち物の誇りです。世とその欲は過ぎ去りますが、神のみこころを行う者は永遠にながらえます。
ヨハネの第一の手紙2章20節の油注ぎとは何ですか
ヨハネは、信じる者は聖なる方から油注ぎを受けていると語ります。多くのクリスチャンは、そこに、内に宿って教えてくださる聖霊を見ます。その語り方は伝統によって違いますが、すべての信者に与えられた賜物だとする点は共通しています。
ヨハネの第一の手紙2章に出てくる反キリストとはだれですか
ヨハネは、イエスがキリストであることを否定し、父と御子を否定し、共同体から離れていった人々について語ります。彼にとって、反キリストはすでに多く現れています。この箇所は、とりわけ、初めから聞いたことにとどまり続けるよう促しています。
ヨハネの第一の手紙 2を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。