聖書 — 口語訳 (1955)
使徒行伝 11
概要
使徒行伝11章は、福音がユダヤ人と異邦人の境を越えていく様子を語ります。ペテロはエルサレムで、コルネリオの家を訪ねたことを説明し、幻と御霊の働きを語ります。批判していた人々は静まり、神をほめたたえます。やがて迫害で散らされた信者たちがアンテオケでギリシヤ人にイエスを伝え、大勢の人が集まる教会が生まれます。そこへバルナバが遣わされ、サウロを捜しに行きます。この町で、弟子たちは初めてクリスチャンと呼ばれました。
この章の4つの区分
1さて、異邦人たちも神の言を受けいれたということが、使徒たちやユダヤにいる兄弟たちに聞えてきた。
2そこでペテロがエルサレムに上ったとき、割礼を重んじる者たちが彼をとがめて言った、
3「あなたは、割礼のない人たちのところに行って、食事を共にしたということだが」。
4そこでペテロは口を開いて、順序正しく説明して言った、
5「わたしがヨッパの町で祈っていると、夢心地になって幻を見た。大きな布のような入れ物が、四すみをつるされて、天から降りてきて、わたしのところにとどいた。
6注意して見つめていると、地上の四つ足、野の獣、這うもの、空の鳥などが、はいっていた。
7それから声がして、『ペテロよ、立って、それらをほふって食べなさい』と、わたしに言うのが聞えた。
8わたしは言った、『主よ、それはできません。わたしは今までに、清くないものや汚れたものを口に入れたことが一度もございません』。
9すると、二度目に天から声がかかってきた、『神がきよめたものを、清くないなどと言ってはならない』。
10こんなことが三度もあってから、全部のものがまた天に引き上げられてしまった。
11ちょうどその時、カイザリヤからつかわされてきた三人の人が、わたしたちの泊まっていた家に着いた。
12御霊がわたしに、ためらわずに彼らと共に行けと言ったので、ここにいる六人の兄弟たちも、わたしと一緒に出かけて行き、一同がその人の家にはいった。
13すると彼はわたしたちに、御使が彼の家に現れて、『ヨッパに人をやって、ペテロと呼ばれるシモンを招きなさい。
14この人は、あなたとあなたの全家族とが救われる言葉を語って下さるであろう』と告げた次第を、話してくれた。
15そこでわたしが語り出したところ、聖霊が、ちょうど最初わたしたちの上にくだったと同じように、彼らの上にくだった。
16その時わたしは、主が『ヨハネは水でバプテスマを授けたが、あなたがたは聖霊によってバプテスマを受けるであろう』と仰せになった言葉を思い出した。
17このように、わたしたちが主イエス・キリストを信じた時に下さったのと同じ賜物を、神が彼らにもお与えになったとすれば、わたしのような者が、どうして神を妨げることができようか」。
18人々はこれを聞いて黙ってしまった。それから神をさんびして、「それでは神は、異邦人にも命にいたる悔改めをお与えになったのだ」と言った。
19さて、ステパノのことで起った迫害のために散らされた人々は、ピニケ、クプロ、アンテオケまでも進んで行ったが、ユダヤ人以外の者には、だれにも御言を語っていなかった。
20ところが、その中に数人のクプロ人とクレネ人がいて、アンテオケに行ってからギリシヤ人にも呼びかけ、主イエスを宣べ伝えていた。
21そして、主のみ手が彼らと共にあったため、信じて主に帰依するものの数が多かった。
22このうわさがエルサレムにある教会に伝わってきたので、教会はバルナバをアンテオケにつかわした。
23彼は、そこに着いて、神のめぐみを見てよろこび、主に対する信仰を揺るがない心で持ちつづけるようにと、みんなの者を励ました。
24彼は聖霊と信仰とに満ちた立派な人であったからである。こうして主に加わる人々が、大ぜいになった。
25そこでバルナバはサウロを捜しにタルソへ出かけて行き、
26彼を見つけたうえ、アンテオケに連れて帰った。ふたりは、まる一年、ともどもに教会で集まりをし、大ぜいの人々を教えた。このアンテオケで初めて、弟子たちがクリスチャンと呼ばれるようになった。
27そのころ、預言者たちがエルサレムからアンテオケにくだってきた。
28その中のひとりであるアガボという者が立って、世界中に大ききんが起るだろうと、御霊によって預言したところ、果してそれがクラウデオ帝の時に起った。
29そこで弟子たちは、それぞれの力に応じて、ユダヤに住んでいる兄弟たちに援助を送ることに決めた。
30そして、それをバルナバとサウロとの手に託して、長老たちに送りとどけた。
鍵となる聖句
このように、わたしたちが主イエス・キリストを信じた時に下さったのと同じ賜物を、神が彼らにもお与えになったとすれば、わたしのような者が、どうして神を妨げることができようか」。
ペテロは、論争を断ち切る問いで報告を結びます。自分に神を妨げることができたでしょうか。神が異邦人に御霊を与えられたことは、宗教的な習慣をはるかに超えています。
人々はこれを聞いて黙ってしまった。それから神をさんびして、「それでは神は、異邦人にも命にいたる悔改めをお与えになったのだ」と言った。
エルサレムの信者たちは、批判から賛美へと変わります。いのちに至る悔い改めは神の賜物であり、ユダヤ人以外の人々にも与えられると認めたのです。
彼は、そこに着いて、神のめぐみを見てよろこび、主に対する信仰を揺るがない心で持ちつづけるようにと、みんなの者を励ました。
バルナバは神の恵みの働きを見て喜び、そして信者たちが心を固くして主にとどまるよう勧めます。彼は戒める前に励ましました。
彼を見つけたうえ、アンテオケに連れて帰った。ふたりは、まる一年、ともどもに教会で集まりをし、大ぜいの人々を教えた。このアンテオケで初めて、弟子たちがクリスチャンと呼ばれるようになった。
アンテオケで、弟子たちは初めてクリスチャンと呼ばれました。本文は、教会がまる一年のあいだバルナバとサウロから教えを受けたことも伝えています。
この章に登場する人物
説教が語っていること
使徒行伝11章についてよくある質問
使徒行伝11章26節はどういう意味ですか
この節は、弟子たちがアンテオケで初めてクリスチャンと呼ばれたと伝えます。この名前は、キリストに属する者という意味です。バルナバとサウロから一年間教えを受けた、ユダヤ人とギリシヤ人の混じった教会で生まれました。誰がこの名をつけたのか本文は述べていませんが、イエスに結ばれていることで知られる人々の姿を描いています。
使徒行伝11章の中心的なメッセージは何ですか
福音はすべての人のためのものです。ペテロは、神が異邦人に御霊を与えられたことを語り、エルサレムの教会はそれを認めます。そしてアンテオケでは、さまざまな民族からなる共同体が生まれ、成長します。この章は、励まし、教え、困っている兄弟たちへの寛大さの大切さも示しています。
使徒行伝11章のバルナバとはどんな人ですか
バルナバは、エルサレムの教会からアンテオケに遣わされます。本文は彼を、聖霊と信仰に満ちた立派な人と述べています。彼は目にした恵みを喜び、信者たちを励まし、さらにタルソへサウロを捜しに行って、ともに教えました。新約聖書で彼の名は、励ましと結びつけられています。
使徒行伝 11を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。