聖書 — 口語訳 (1955)
出エジプト記 20
概要
出エジプト記20章は、エジプトを出てまもなく、神がシナイで民に語りかけ、十戒を授ける場面を語ります。神はまず、自分がイスラエルを解放した者であると思い起こさせます。続くのは神との関係についての言葉です。ただひとりの神、偶像を作らないこと、神の名、安息の日。次に、人との生活についての言葉が続きます。父母を敬うこと、殺さないこと、盗まないこと、むさぼらないこと。雷鳴に恐れた民は、モーセが代わりに語ることを望みます。章は祭壇についての指示で終わります。
この章の5つの区分
1神はこのすべての言葉を語って言われた。
2「わたしはあなたの神、主であって、あなたをエジプトの地、奴隷の家から導き出した者である。
3あなたはわたしのほかに、なにものをも神としてはならない。
4あなたは自分のために、刻んだ像を造ってはならない。上は天にあるもの、下は地にあるもの、また地の下の水のなかにあるものの、どんな形をも造ってはならない。
5それにひれ伏してはならない。それに仕えてはならない。あなたの神、主であるわたしは、ねたむ神であるから、わたしを憎むものは、父の罪を子に報いて、三、四代に及ぼし、
6わたしを愛し、わたしの戒めを守るものには、恵みを施して、千代に至るであろう。
7あなたは、あなたの神、主の名を、みだりに唱えてはならない。主は、み名をみだりに唱えるものを、罰しないでは置かないであろう。
8安息日を覚えて、これを聖とせよ。
9六日のあいだ働いてあなたのすべてのわざをせよ。
10七日目はあなたの神、主の安息であるから、なんのわざをもしてはならない。あなたもあなたのむすこ、娘、しもべ、はしため、家畜、またあなたの門のうちにいる他国の人もそうである。
11主は六日のうちに、天と地と海と、その中のすべてのものを造って、七日目に休まれたからである。それで主は安息日を祝福して聖とされた。
12あなたの父と母を敬え。これは、あなたの神、主が賜わる地で、あなたが長く生きるためである。
13あなたは殺してはならない。
14あなたは姦淫してはならない。
15あなたは盗んではならない。
16あなたは隣人について、偽証してはならない。
17あなたは隣人の家をむさぼってはならない。隣人の妻、しもべ、はしため、牛、ろば、またすべて隣人のものをむさぼってはならない」。
18民は皆、かみなりと、いなずまと、ラッパの音と、山の煙っているのとを見た。民は恐れおののき、遠く離れて立った。
19彼らはモーセに言った、「あなたがわたしたちに語ってください。わたしたちは聞き従います。神がわたしたちに語られぬようにしてください。それでなければ、わたしたちは死ぬでしょう」。
20モーセは民に言った、「恐れてはならない。神はあなたがたを試みるため、またその恐れをあなたがたの目の前において、あなたがたが罪を犯さないようにするために臨まれたのである」。
21そこで、民は遠く離れて立ったが、モーセは神のおられる濃い雲に近づいて行った。
22主はモーセに言われた、「あなたはイスラエルの人々にこう言いなさい、『あなたがたは、わたしが天からあなたがたと語るのを見た。
23あなたがたはわたしと並べて、何をも造ってはならない。銀の神々も、金の神々も、あなたがたのために、造ってはならない。
24あなたはわたしのために土の祭壇を築き、その上にあなたの燔祭、酬恩祭、羊、牛をささげなければならない。わたしの名を覚えさせるすべての所で、わたしはあなたに臨んで、あなたを祝福するであろう。
25あなたがもしわたしに石の祭壇を造るならば、切り石で築いてはならない。あなたがもし、のみをそれに当てるならば、それをけがすからである。
26あなたは階段によって、わたしの祭壇に登ってはならない。あなたの隠し所が、その上にあらわれることのないようにするためである』。
鍵となる聖句
「わたしはあなたの神、主であって、あなたをエジプトの地、奴隷の家から導き出した者である。
どんな命令よりも先に、神はご自分のなさったことを思い起こさせます。民をエジプトから導き出されたのです。戒めは、すでに解放された民に与えられたもので、自由を買うためではなく、それを生きるためにあります。
あなたはわたしのほかに、なにものをも神としてはならない。
最初の戒めはすべての中心を据えます。神のほかに、なにものをも神としてはならない。説教者たちは、偶像とは像だけではなく、心の中で第一の位置を占めるものすべてだと語ります。
安息日を覚えて、これを聖とせよ。 六日のあいだ働いてあなたのすべてのわざをせよ。 七日目はあなたの神、主の安息であるから、なんのわざをもしてはならない。あなたもあなたのむすこ、娘、しもべ、はしため、家畜、またあなたの門のうちにいる他国の人もそうである。
安息の日は、息子、娘、僕、さらには寄留の他国人まで、家のすべての人に与えられます。ある説教者は、そこに個人の権利だけでなく、もっとも弱い人々への配慮を見ています。
あなたの父と母を敬え。これは、あなたの神、主が賜わる地で、あなたが長く生きるためである。
父母を敬うことは、人に向けられた最初の戒めです。社会と家族の中での生活に関する、十の言葉の後半を開きます。
彼らはモーセに言った、「あなたがわたしたちに語ってください。わたしたちは聞き従います。神がわたしたちに語られぬようにしてください。それでなければ、わたしたちは死ぬでしょう」。 モーセは民に言った、「恐れてはならない。神はあなたがたを試みるため、またその恐れをあなたがたの目の前において、あなたがたが罪を犯さないようにするために臨まれたのである」。
恐れた民は、モーセに自分たちの代わりに語ってほしいと願います。モーセは、恐れることはないと答え、神が来られたのは、民が神を恐れて罪を犯さないようにするためだと言います。この箇所は、神の聖さの前で感じられる隔たりを示しています。
この章に登場する人物
このテーマで祈る
説教が語っていること
出エジプト記20章についてよくある質問
出エジプト記20章の十戒とは何ですか
神との関係から始まります。ほかの神々を持たないこと、刻んだ像を作らないこと、神の名をみだりに唱えないこと、安息の日を覚えること。続いて人との関係です。父母を敬うこと、殺さないこと、姦淫しないこと、盗まないこと、偽証しないこと、むさぼらないこと。キリスト教の伝統によって、番号の付け方は同じではありません。
なぜ神はエジプトを出たあとで十戒を与えたのですか
2節は、神がまずご自分を、民を解放した者として示しておられることを表しています。戒めは自由を得るためではなく、すでに解放された民が、神とそして他の人々との関係の中で生きる方法を示しています。
出エジプト記20章の安息日の戒めは何を意味しますか
神は、一日を休みにあて、自分も、自分に頼る人々も、寄留の他国人も働かないよう招かれます。今日どう適用するかについて、キリスト者の意見は一致していません。土曜日を守る人、日曜日を守る人、主に休みと神への信頼の原則と見る人がいます。
父の罪を子に報いるとはどういう意味ですか(出エジプト記20章5節)
この節は、神への反抗の結果が何世代にも及びうること、一方、神を愛する者には、その恵みが千代にまで及ぶことを語っています。キリスト者はこの箇所を異なって理解します。親の選択がもたらす具体的な影響を主に見る人もいれば、より霊的な広がりを見る人もいます。
出エジプト記 20を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。