聖書 — 口語訳 (1955)
創世記 15
概要
創世記15章は、アブラハムの物語の中心となる章です。神は、子のないアブラムを安心させ、星のように多くの子孫を約束されます。アブラムは信じ、神はそれを義と認められました。パウロは後にこの節を、信仰による救いを説明するために引用します。アブラムはさらに、この地を所有することを何によって知ることができるかと尋ね、神は不思議な場面で契約を結ばれます。裂かれた動物、深い夜、煙の立つかまどとたいまつが裂かれたものの間を通り過ぎます。神は、これから来る奴隷の年月と、その後の出発をも告げられます。
この章の4つの区分
1これらの事の後、主の言葉が幻のうちにアブラムに臨んだ、「アブラムよ恐れてはならない、わたしはあなたの盾である。あなたの受ける報いは、はなはだ大きいであろう」。
2アブラムは言った、「主なる神よ、わたしには子がなく、わたしの家を継ぐ者はダマスコのエリエゼルであるのに、あなたはわたしに何をくださろうとするのですか」。
3アブラムはまた言った、「あなたはわたしに子を賜わらないので、わたしの家に生れたしもべが、あとつぎとなるでしょう」。
4この時、主の言葉が彼に臨んだ、「この者はあなたのあとつぎとなるべきではありません。あなたの身から出る者があとつぎとなるべきです」。
5そして主は彼を外に連れ出して言われた、「天を仰いで、星を数えることができるなら、数えてみなさい」。また彼に言われた、「あなたの子孫はあのようになるでしょう」。
6アブラムは主を信じた。主はこれを彼の義と認められた。
7また主は彼に言われた、「わたしはこの地をあなたに与えて、これを継がせようと、あなたをカルデヤのウルから導き出した主です」。
8彼は言った、「主なる神よ、わたしがこれを継ぐのをどうして知ることができますか」。
9主は彼に言われた、「三歳の雌牛と、三歳の雌やぎと、三歳の雄羊と、山ばとと、家ばとのひなとをわたしの所に連れてきなさい」。
10彼はこれらをみな連れてきて、二つに裂き、裂いたものを互に向かい合わせて置いた。ただし、鳥は裂かなかった。
11荒い鳥が死体の上に降りるとき、アブラムはこれを追い払った。
12日の入るころ、アブラムが深い眠りにおそわれた時、大きな恐ろしい暗やみが彼に臨んだ。
13時に主はアブラムに言われた、「あなたはよく心にとめておきなさい。あなたの子孫は他の国に旅びととなって、その人々に仕え、その人々は彼らを四百年の間、悩ますでしょう。
14しかし、わたしは彼らが仕えたその国民をさばきます。その後かれらは多くの財産を携えて出て来るでしょう。
15あなたは安らかに先祖のもとに行きます。そして高齢に達して葬られるでしょう。
16四代目になって彼らはここに帰って来るでしょう。アモリびとの悪がまだ満ちないからです」。
17やがて日は入り、暗やみになった時、煙の立つかまど、炎の出るたいまつが、裂いたものの間を通り過ぎた。
18その日、主はアブラムと契約を結んで言われた、「わたしはこの地をあなたの子孫に与える。エジプトの川から、かの大川ユフラテまで。
19すなわちケニびと、ケニジびと、カドモニびと、
20ヘテびと、ペリジびと、レパイムびと、
21アモリびと、カナンびと、ギルガシびと、エブスびとの地を与える」。
鍵となる聖句
これらの事の後、主の言葉が幻のうちにアブラムに臨んだ、「アブラムよ恐れてはならない、わたしはあなたの盾である。あなたの受ける報いは、はなはだ大きいであろう」。
神はアブラムが嘆く前に語りかけます。「アブラムよ恐れてはならない、わたしはあなたの盾である」。約束された報いは、まず何かの財産ではなく、守ってくださる神ご自身です。
そして主は彼を外に連れ出して言われた、「天を仰いで、星を数えることができるなら、数えてみなさい」。また彼に言われた、「あなたの子孫はあのようになるでしょう」。
神はアブラムを外に連れ出し、星を数えるようにと言われます。この絵は約束を目に見えるものにします。子のない人に、神は数えきれない子孫を示されるのです。
アブラムは主を信じた。主はこれを彼の義と認められた。
アブラムは主を信じ、主はこれを彼の義と認められました。パウロはこの節を、ローマ人への手紙4章とガラテヤ人への手紙3章で引用し、神は、どんなわざよりも先に、ご自分に信頼する人を受け入れてくださると述べています。
時に主はアブラムに言われた、「あなたはよく心にとめておきなさい。あなたの子孫は他の国に旅びととなって、その人々に仕え、その人々は彼らを四百年の間、悩ますでしょう。 しかし、わたしは彼らが仕えたその国民をさばきます。その後かれらは多くの財産を携えて出て来るでしょう。
神は未来をやわらげません。アブラムの子孫は他国で旅びととなり、苦しめられたのち、多くの財産を携えて出て来ます。約束は試練を免れるのではなく、試練を通り抜けることが示されています。
やがて日は入り、暗やみになった時、煙の立つかまど、炎の出るたいまつが、裂いたものの間を通り過ぎた。 その日、主はアブラムと契約を結んで言われた、「わたしはこの地をあなたの子孫に与える。エジプトの川から、かの大川ユフラテまで。
アブラムが眠っているあいだ、裂かれた動物の間を通るのは火だけです。契約は、ご自分のことばの保証をご自分で負われる神の約束の上に立っています。
この章に登場する人物
説教が語っていること
創世記15章についてよくある質問
「アブラムは主を信じた。主はこれを彼の義と認められた」とはどういう意味ですか
この節は、神がアブラムの信頼を義と数え、ご自分の前に正しい者として受け入れられたことを述べています。新約聖書は、救いが、わざによって得られるのではなく、信仰によって受けるものだと示すためにここに戻ります。クリスチャンの伝統によってニュアンスは異なりますが、神への信頼が中心であることでは一致しています。
なぜ神は動物を二つに裂くようにと求められたのですか
古代では、裂かれた動物の間を通って契約を結びました。契約を破る者が同じ運命に遭うことを示すかのようにです。創世記15章では、アブラムは眠り、神の火だけが裂かれたものの間を通ります。神がその約束をご自分で負われるのです。多くの説教者は、これをイエスにある新しい契約に結びつけています。
11節の猛禽は何を表していますか
本文は、アブラムがそれらを追い払ったと述べるだけです。読む人は、神が結ぼうとしておられるものを脅かす妨げの絵と見ることが多く、祈りと忍耐によって目を覚ましているようにとの呼びかけと見ます。これは象徴的な読み方で、本文自体は展開していません。
創世記15章の中心的なメッセージは何ですか
神は約束を守られ、契約の保証をご自分で負われます。アブラムは疑い、問い、待ちますが、神は彼を安心させ、星を見せ、火の中を通られます。何も動かないときでも、神のみ言葉は確かだと信じるよう、この章は招いています。
創世記 15を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。