聖書 — 口語訳 (1955)
創世記 21
概要
創世記21章は、アブラハムに与えられた約束の成就を語ります。年老いたサラがイサクを産み、驚きの笑いは喜びの笑いに変わります。しかし喜びのかたわらで、ハガルと息子イシマエルが送り出されるという痛みを伴う別れもありました。ベエルシバの荒野で水が尽きたとき、神は子どもの泣き声を聞き、ハガルの目を開いて井戸を見せてくださいます。章の終わりには、アブラハムとアビメレクの契約、そして永遠の神である主を呼ぶために植えられた一本の木が記されています。
この章の4つの区分
1主は、さきに言われたようにサラを顧み、告げられたようにサラに行われた。
2サラはみごもり、神がアブラハムに告げられた時になって、年老いたアブラハムに男の子を産んだ。
3アブラハムは生れた子、サラが産んだ男の子の名をイサクと名づけた。
4アブラハムは神が命じられたように八日目にその子イサクに割礼を施した。
5アブラハムはその子イサクが生れた時百歳であった。
6そしてサラは言った、「神はわたしを笑わせてくださった。聞く者は皆わたしのことで笑うでしょう」。
7また言った、「サラが子に乳を飲ませるだろうと、だれがアブラハムに言い得たであろう。それなのに、わたしは彼が年とってから、子を産んだ」。
8さて、おさなごは育って乳離れした。イサクが乳離れした日にアブラハムは盛んなふるまいを設けた。
9サラはエジプトの女ハガルのアブラハムに産んだ子が、自分の子イサクと遊ぶのを見て、
10アブラハムに言った、「このはしためとその子を追い出してください。このはしための子はわたしの子イサクと共に、世継となるべき者ではありません」。
11この事で、アブラハムはその子のために非常に心配した。
12神はアブラハムに言われた、「あのわらべのため、またあなたのはしためのために心配することはない。サラがあなたに言うことはすべて聞きいれなさい。イサクに生れる者が、あなたの子孫と唱えられるからです。
13しかし、はしための子もあなたの子ですから、これをも、一つの国民とします」。
14そこでアブラハムは明くる朝はやく起きて、パンと水の皮袋とを取り、ハガルに与えて、肩に負わせ、その子を連れて去らせた。ハガルは去ってベエルシバの荒野にさまよった。
15やがて皮袋の水が尽きたので、彼女はその子を木の下におき、
16「わたしはこの子の死ぬのを見るに忍びない」と言って、矢の届くほど離れて行き、子供の方に向いてすわった。彼女が子供の方に向いてすわったとき、子供は声をあげて泣いた。
17神はわらべの声を聞かれ、神の使は天からハガルを呼んで言った、「ハガルよ、どうしたのか。恐れてはいけない。神はあそこにいるわらべの声を聞かれた。
18立って行き、わらべを取り上げてあなたの手に抱きなさい。わたしは彼を大いなる国民とするであろう」。
19神がハガルの目を開かれたので、彼女は水の井戸のあるのを見た。彼女は行って皮袋に水を満たし、わらべに飲ませた。
20神はわらべと共にいまし、わらべは成長した。彼は荒野に住んで弓を射る者となった。
21彼はパランの荒野に住んだ。母は彼のためにエジプトの国から妻を迎えた。
22そのころアビメレクとその軍勢の長ピコルはアブラハムに言った、「あなたが何事をなさっても、神はあなたと共におられる。
23それゆえ、今ここでわたしをも、わたしの子をも、孫をも欺かないと、神をさしてわたしに誓ってください。わたしがあなたに親切にしたように、あなたもわたしと、このあなたの寄留の地とに、しなければなりません」。
24アブラハムは言った、「わたしは誓います」。
25アブラハムはアビメレクの家来たちが、水の井戸を奪い取ったことについてアビメルクを責めた。
26しかしアビメレクは言った、「だれがこの事をしたかわたしは知りません。あなたもわたしに告げたことはなく、わたしもきょうまで聞きませんでした」。
27そこでアブラハムは羊と牛とを取ってアビメレクに与え、ふたりは契約を結んだ。
28アブラハムが雌の小羊七頭を分けて置いたところ、
29アビメレクはアブラハムに言った、「あなたがこれらの雌の小羊七頭を分けて置いたのは、なんのためですか」。
30アブラハムは言った、「あなたはわたしの手からこれらの雌の小羊七頭を受け取って、わたしがこの井戸を掘ったことの証拠としてください」。
31これによってその所をベエルシバと名づけた。彼らがふたりそこで誓いをしたからである。
32このように彼らはベエルシバで契約を結び、アビメレクとその軍勢の長ピコルは立ってペリシテの地に帰った。
33アブラハムはベエルシバに一本のぎょりゅうの木を植え、その所で永遠の神、主の名を呼んだ。
34こうしてアブラハムは長い間ペリシテびとの地にとどまった。
鍵となる聖句
主は、さきに言われたようにサラを顧み、告げられたようにサラに行われた。 サラはみごもり、神がアブラハムに告げられた時になって、年老いたアブラハムに男の子を産んだ。
神は語られたことを覚えていて、定められた時に行動されます。約束は何年ものあいだ不可能に思えましたが、神は何一つ忘れておられませんでした。
神はアブラハムに言われた、「あのわらべのため、またあなたのはしためのために心配することはない。サラがあなたに言うことはすべて聞きいれなさい。イサクに生れる者が、あなたの子孫と唱えられるからです。 しかし、はしための子もあなたの子ですから、これをも、一つの国民とします」。
長男の追放に心を引き裂かれるアブラハムに、神は語りかけます。約束はイサクを通して実現しますが、イシマエルも見捨てられず、やがて一つの国民となります。
神はわらべの声を聞かれ、神の使は天からハガルを呼んで言った、「ハガルよ、どうしたのか。恐れてはいけない。神はあそこにいるわらべの声を聞かれた。
荒野で、神は子どもの声を聞き、ハガルに名前で呼びかけられます。神は誰にも見えない状況を見ておられ、忘れられたように見える人の叫びにも答えてくださいます。
神がハガルの目を開かれたので、彼女は水の井戸のあるのを見た。彼女は行って皮袋に水を満たし、わらべに飲ませた。
井戸はもうそこにありました。神がハガルの目を開くと、彼女はそれを見たのです。答えは天から降ってくるのではなく、見ることをやめていた人に示されることがあります。
アブラハムはベエルシバに一本のぎょりゅうの木を植え、その所で永遠の神、主の名を呼んだ。
アブラハムはベエルシバにぎょりゅうの木を植え、永遠の神である主の名を呼びます。平和を取り戻したあと、彼は自分の祝福よりも長く続くお方に人生を向けました。
この章に登場する人物
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説教が語っていること
創世記21章についてよくある質問
なぜアブラハムはハガルとイシマエルを送り出したのですか
サラは、ハガルの子がイサクと遊ぶのを見ていられず、相続から外したいと願いました。アブラハムは深く心を痛めましたが、神はサラの言うことを聞くよう告げ、約束はイサクを通して続くとされました。神はさらに、イシマエルも一つの国民とすると約束し、荒野でも彼を見守られました。
創世記21章のサラの笑いは何を意味しますか
18章では、サラは男の子が生まれると聞いて、信じられずに笑いました。ここでは、神が自分を笑わせてくださったと語ります。それは喜びと驚きの笑いです。イサクという名前は「彼は笑う」という意味で、不可能に思えたことを神が成し遂げられたことを思い起こさせます。
創世記21章のメッセージは何ですか
神は、待つ年月が長くても約束に真実であり、歴史の片隅で苦しむ人も忘れられません。イサクの誕生は神の真実を、荒野の場面はハガルとイシマエルへの神のあわれみを示し、ベエルシバは永遠の神に人生を向けるよう招いています。
創世記 21を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。