聖書 — 口語訳 (1955)

創世記 39

概要

創世記39章は、エジプトで奴隷となったヨセフを描きます。ポテパルの家で、主は彼と共におられ、彼がすることはみな栄えました。主人の妻が日ごとに迫ると、彼は神への忠実さのゆえにそれを拒み、逃げ出します。無実の罪を着せられた彼は、獄屋に入れられます。この章は、主がヨセフと共におられたという同じ言葉を繰り返します。成功のときも不当な扱いを受けるときも、違いを生むのは神の臨在であり、それはどこにいるかによって左右されません。

この章の4つの区分

  1. 1-6節ポテパルの家のヨセフ、主が共におられる
  2. 7-12節ヨセフはポテパルの妻を拒み、逃げる
  3. 13-20節偽りの訴えと獄屋
  4. 21-23節獄屋の中でも主はヨセフと共におられる

1さてヨセフは連れられてエジプトに下ったが、パロの役人で侍衛長であったエジプトびとポテパルは、彼をそこに連れ下ったイシマエルびとらの手から買い取った。

2主がヨセフと共におられたので、彼は幸運な者となり、その主人エジプトびとの家におった。

3その主人は主が彼とともにおられることと、主が彼の手のすることをすべて栄えさせられるのを見た。

4そこで、ヨセフは彼の前に恵みを得、そのそば近く仕えた。彼はヨセフに家をつかさどらせ、持ち物をみな彼の手にゆだねた。

5彼がヨセフに家とすべての持ち物をつかさどらせた時から、主はヨセフのゆえにそのエジプトびとの家を恵まれたので、主の恵みは彼の家と畑とにあるすべての持ち物に及んだ。

6そこで彼は持ち物をみなヨセフの手にゆだねて、自分が食べる物のほかは、何をも顧みなかった。さてヨセフは姿がよく、顔が美しかった。

7これらの事の後、主人の妻はヨセフに目をつけて言った、「わたしと寝なさい」。

8ヨセフは拒んで、主人の妻に言った、「御主人はわたしがいるので家の中の何をも顧みず、その持ち物をみなわたしの手にゆだねられました。

9この家にはわたしよりも大いなる者はありません。また御主人はあなたを除いては、何をもわたしに禁じられませんでした。あなたが御主人の妻であるからです。どうしてわたしはこの大きな悪をおこなって、神に罪を犯すことができましょう」。

10彼女は毎日ヨセフに言い寄ったけれども、ヨセフは聞きいれず、彼女と寝なかった。また共にいなかった。

11ある日ヨセフが務をするために家にはいった時、家の者がひとりもそこにいなかったので、

12彼女はヨセフの着物を捕えて、「わたしと寝なさい」と言った。ヨセフは着物を彼女の手に残して外にのがれ出た。

13彼女はヨセフが着物を自分の手に残して外にのがれたのを見て、

14その家の者どもを呼び、彼らに告げて言った、「主人がわたしたちの所に連れてきたヘブルびとは、わたしたちに戯れます。彼はわたしと寝ようとして、わたしの所にはいったので、わたしは大声で叫びました。

15彼はわたしが声をあげて叫ぶのを聞くと、着物をわたしの所に残して外にのがれ出ました」。

16彼女はその着物をかたわらに置いて、主人の帰って来るのを待った。

17そして彼女は次のように主人に告げた、「あなたがわたしたちに連れてこられたヘブルのしもべはわたしに戯れようとして、わたしの所にはいってきました。

18わたしが声をあげて叫んだので、彼は着物をわたしの所に残して外にのがれました」。

19主人はその妻が「あなたのしもべは、わたしにこんな事をした」と告げる言葉を聞いて、激しく怒った。

20そしてヨセフの主人は彼を捕えて、王の囚人をつなぐ獄屋に投げ入れた。こうしてヨセフは獄屋の中におったが、

21主はヨセフと共におられて彼にいつくしみを垂れ、獄屋番の恵みをうけさせられた。

22獄屋番は獄屋におるすべての囚人をヨセフの手にゆだねたので、彼はそこでするすべての事をおこなった。

23獄屋番は彼の手にゆだねた事はいっさい顧みなかった。主がヨセフと共におられたからである。主は彼のなす事を栄えさせられた。

鍵となる聖句

2節
主がヨセフと共におられたので、彼は幸運な者となり、その主人エジプトびとの家におった。

この章は、終わりにも戻ってくる一つの宣言から始まります。主がヨセフと共におられた、ということです。彼の成功は、まず才能の問題ではなく、神の臨在から来ています。

9節
この家にはわたしよりも大いなる者はありません。また御主人はあなたを除いては、何をもわたしに禁じられませんでした。あなたが御主人の妻であるからです。どうしてわたしはこの大きな悪をおこなって、神に罪を犯すことができましょう」。

断るとき、ヨセフは見つかる危険があるとは言いません。神に対して犯す悪について語ります。人の目が届かない場所でも、彼の行動を導いているのは神を恐れる心です。

12節
彼女はヨセフの着物を捕えて、「わたしと寝なさい」と言った。ヨセフは着物を彼女の手に残して外にのがれ出た。

ヨセフは議論せず、立ち向かおうともしません。着物を残して逃げ出します。ある種の誘惑に対しては、近くにとどまって抵抗するよりも、離れることが知恵です。

21節
主はヨセフと共におられて彼にいつくしみを垂れ、獄屋番の恵みをうけさせられた。

ヨセフは獄屋にいますが、聖書は、主が彼と共におられて、いつくしみを垂れられたと語ります。神は、不当な扱いの中でも彼を見捨てられませんでした。

この章に登場する人物

説教が語っていること

創世記39章についてよくある質問

ヨセフはなぜポテパルの妻から逃げたのですか。

ヨセフが拒んだのは、主人の信頼を裏切りたくなく、神に対して罪を犯したくなかったからです。彼女が着物をつかんだとき、ヨセフはもう議論せず、逃げ出します。この逃走は臆病ではありません。誘惑が強くなりすぎる状況を避けるための、冷静な選択です。

「主がヨセフと共におられた」とはどういう意味ですか。

この表現は、章の初めと終わりに繰り返されます。神は、ポテパルの家でも獄屋でも、ヨセフと共におられるということです。それは苦難のない人生を約束するものではなく、ヨセフは不当な扱いを受けます。神の臨在は、状況に左右されないことを告げています。

創世記39章の主なメッセージは何ですか。

神に忠実であり続けることは、権力のある立場でも、不当な扱いの中でもできます。ヨセフは誘惑を退け、偽りの訴えという代価を払いますが、それでも神は彼と共におられます。この章は、成功ではなく神の臨在に拠り頼み、正しさの中で堅く立つよう私たちを促しています。

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