聖書 — 口語訳 (1955)
民数記 14
概要
民数記14章は、十二人の偵察隊が戻ってきたあとの出来事を追います。十人は、征服できない地だと報告し、民は泣き、つぶやき、エジプトに帰ろうとします。ヨシュアとカレブは抗議します。あの地は非常に良い地だ、主がわれわれとともにおられる、と。民は二人を石で打ち殺そうと言い出します。神はイスラエルを打つと言われ、モーセは主の善いお方であることを思い起こしてとりなし、神は赦されます。しかし、この世代は荒れ野で死ぬと定められます。ヨシュアとカレブだけが、その地に入ります。
この章の4つの区分
1そこで、会衆はみな声をあげて叫び、民はその夜、泣き明かした。
2またイスラエルの人々はみなモーセとアロンにむかってつぶやき、全会衆は彼らに言った、「ああ、わたしたちはエジプトの国で死んでいたらよかったのに。この荒野で死んでいたらよかったのに。
3なにゆえ、主はわたしたちをこの地に連れてきて、つるぎに倒れさせ、またわたしたちの妻子をえじきとされるのであろうか。エジプトに帰る方が、むしろ良いではないか」。
4彼らは互に言った、「わたしたちはひとりのかしらを立てて、エジプトに帰ろう」。
5そこで、モーセとアロンはイスラエルの人々の全会衆の前でひれふした。
6このとき、その地を探った者のうちのヌンの子ヨシュアとエフンネの子カレブは、その衣服を裂き、
7イスラエルの人々の全会衆に言った、「わたしたちが行き巡って探った地は非常に良い地です。
8もし、主が良しとされるならば、わたしたちをその地に導いて行って、それをわたしたちにくださるでしょう。それは乳と蜜の流れている地です。
9ただ、主にそむいてはなりません。またその地の民を恐れてはなりません。彼らはわたしたちの食い物にすぎません。彼らを守る者は取り除かれます。主がわたしたちと共におられますから、彼らを恐れてはなりません」。
10ところが会衆はみな石で彼らを撃ち殺そうとした。そのとき、主の栄光が、会見の幕屋からイスラエルのすべての人に現れた。
11主はモーセに言われた、「この民はいつまでわたしを侮るのか。わたしがもろもろのしるしを彼らのうちに行ったのに、彼らはいつまでわたしを信じないのか。
12わたしは疫病をもって彼らを撃ち滅ぼし、あなたを彼らよりも大いなる強い国民としよう」。
13モーセは主に言った、「エジプトびとは、あなたが力をもって、この民を彼らのうちから導き出されたことを聞いて、
14この地の住民に告げるでしょう。彼らは、主なるあなたが、この民のうちにおられ、主なるあなたが、まのあたり現れ、あなたの雲が、彼らの上にとどまり、昼は雲の柱のうちに、夜は火の柱のうちにあって、彼らの前に行かれるのを聞いたのです。
15いま、もし、あなたがこの民をひとり残らず殺されるならば、あなたのことを聞いた国民は語って、
16『主は与えると誓った地に、この民を導き入れることができなかったため、彼らを荒野で殺したのだ』と言うでしょう。
17どうぞ、あなたが約束されたように、いま主の大いなる力を現してください。
18あなたはかつて、『主は怒ることおそく、いつくしみに富み、罪ととがをゆるす者、しかし、罰すべき者は、決してゆるさず、父の罪を子に報いて、三、四代に及ぼす者である』と言われました。
19どうぞ、あなたの大いなるいつくしみによって、エジプトからこのかた、今にいたるまで、この民をゆるされたように、この民の罪をおゆるしください」。
20主は言われた、「わたしはあなたの言葉のとおりにゆるそう。
21しかし、わたしは生きている。また主の栄光が、全世界に満ちている。
22わたしの栄光と、わたしがエジプトと荒野で行ったしるしを見ながら、このように十度もわたしを試みて、わたしの声に聞きしたがわなかった人々はひとりも、
23わたしがかつて彼らの先祖たちに与えると誓った地を見ないであろう。またわたしを侮った人々も、それを見ないであろう。
24ただし、わたしのしもべカレブは違った心をもっていて、わたしに完全に従ったので、わたしは彼が行ってきた地に彼を導き入れるであろう。彼の子孫はそれを所有するにいたるであろう。
25谷にはアマレクびととカナンびとが住んでいるから、あなたがたは、あす、身をめぐらして紅海の道を荒野へ進みなさい」。
26主はモーセとアロンに言われた、
27「わたしにむかってつぶやくこの悪い会衆をいつまで忍ぶことができようか。わたしはイスラエルの人々が、わたしにむかってつぶやくのを聞いた。
28あなたは彼らに言いなさい、『主は言われる、「わたしは生きている。あなたがたが、わたしの耳に語ったように、わたしはあなたがたにするであろう。
29あなたがたは死体となって、この荒野に倒れるであろう。あなたがたのうち、わたしにむかってつぶやいた者、すなわち、すべて数えられた二十歳以上の者はみな倒れるであろう。
30エフンネの子カレブと、ヌンの子ヨシュアのほかは、わたしがかつて、あなたがたを住まわせようと、手をあげて誓った地に、はいることができないであろう。
31しかし、あなたがたが、えじきになるであろうと言ったあなたがたの子供は、わたしが導いて、はいるであろう。彼らはあなたがたが、いやしめた地を知るようになるであろう。
32しかしあなたがたは死体となってこの荒野に倒れるであろう。
33あなたがたの子たちは、あなたがたの死体が荒野に朽ち果てるまで四十年のあいだ、荒野で羊飼となり、あなたがたの不信の罪を負うであろう。
34あなたがたは、かの地を探った四十日の日数にしたがい、その一日を一年として、四十年のあいだ、自分の罪を負い、わたしがあなたがたを遠ざかったことを知るであろう」。
35主なるわたしがこれを言う。わたしは必ずわたしに逆らって集まったこの悪い会衆に、これをことごとく行うであろう。彼らはこの荒野に朽ち、ここで死ぬであろう』」。
36こうして、モーセにつかわされ、かの地を探りに行き、帰ってきて、その地を悪く言い、全会衆を、モーセにむかって、つぶやかせた人々、
37すなわち、その地を悪く言いふらした人々は、疫病にかかって主の前に死んだが、
38その地を探りに行った人々のうち、ヌンの子ヨシュアと、エフンネの子カレブとは生き残った。
39モーセが、これらのことを、イスラエルのすべての人々に告げたとき、民は非常に悲しみ、
40朝早く起きて山の頂きに登って言った、「わたしたちはここにいる。さあ、主が約束された所へ上って行こう。わたしたちは罪を犯したのだから」。
41モーセは言った、「あなたがたは、それをなし遂げることもできないのに、どうして、そのように主の命にそむくのか。
42あなたがたは上って行ってはならない。主があなたがたのうちにおられないから、あなたがたは敵の前に、撃ち破られるであろう。
43そこには、アマレクびとと、カナンびとがあなたがたの前にいるから、あなたがたは、つるぎに倒れるであろう。あなたがたがそむいて、主に従わなかったゆえ、主はあなたがたと共におられないからである」。
44しかし、彼らは、ほしいままに山の頂に登った。ただし、主の契約の箱と、モーセとは、宿営の中から出なかった。
45そこで、その山に住んでいたアマレクびとと、カナンびとが下ってきて、彼らを撃ち破り、ホルマまで追ってきた。
鍵となる聖句
ただ、主にそむいてはなりません。またその地の民を恐れてはなりません。彼らはわたしたちの食い物にすぎません。彼らを守る者は取り除かれます。主がわたしたちと共におられますから、彼らを恐れてはなりません」。
ヨシュアとカレブは、恐れてはならないと呼びかけます。理由は住民の弱さではなく、主がともにおられることです。信仰は同じ障害を見ますが、神を数に入れています。
あなたはかつて、『主は怒ることおそく、いつくしみに富み、罪ととがをゆるす者、しかし、罰すべき者は、決してゆるさず、父の罪を子に報いて、三、四代に及ぼす者である』と言われました。 どうぞ、あなたの大いなるいつくしみによって、エジプトからこのかた、今にいたるまで、この民をゆるされたように、この民の罪をおゆるしください」。
モーセは、神の性質を挙げて訴えます。怒るのに遅く、恵みに富み、赦される。民の功績ではなく、神のあわれみに頼ったのです。
ただし、わたしのしもべカレブは違った心をもっていて、わたしに完全に従ったので、わたしは彼が行ってきた地に彼を導き入れるであろう。彼の子孫はそれを所有するにいたるであろう。
神は、カレブが別の霊を持ち、心から従い通したと言われます。ほかの人々との違いは、目の前にあったものより、見方と従い方にありました。
あなたは彼らに言いなさい、『主は言われる、「わたしは生きている。あなたがたが、わたしの耳に語ったように、わたしはあなたがたにするであろう。
神は、彼らが耳にしたとおりに彼らに行うと言われます。この節は、不平や恐れのことばが、私たちの見方を形づくることの重みについて考えさせてきました。
あなたがたは、かの地を探った四十日の日数にしたがい、その一日を一年として、四十年のあいだ、自分の罪を負い、わたしがあなたがたを遠ざかったことを知るであろう」。
四十日の偵察が、一日を一年として、四十年の荒れ野になります。結果は、信頼を拒んだ程度に見合ったものですが、次の世代は入ることができます。
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民数記14章についてよくある質問
民数記14章で、イスラエルはなぜ荒れ野を四十年さまようのですか
民は、十人の偵察隊の報告のあとで、その地に入ることを拒み、エジプトに帰ろうとしました。神は、この世代がその地を見ないと定められます。四十日の偵察は、一日が一年の四十年になり、次の世代がヨシュアとカレブとともに入ります。
民数記14章24節のカレブの別の霊とは何ですか
神は、カレブが別の霊を持ち、神の声に従い通したと言われます。彼はほかの人々と同じ巨人を見ましたが、神への信頼をもって見ました。多くの人は、反対のただ中でも持ちこたえる信仰の模範を、そこに見ています。
民数記14章で、モーセは民の赦しを得ますか
はい、一部は。モーセは、神が怒るのに遅く、恵みに富むお方であることを思い起こしてとりなし、神は赦すと答えられます。しかし、赦しはすべての結果を消しません。この世代は約束の地を見ないのです。赦しと結果は、両立しうるのです。
民数記 14を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。