聖書 — 口語訳 (1955)
ヨハネの黙示録 12
概要
ヨハネの黙示録12章は、天に現れた二つのしるしを描きます。子を産もうとしている女と、その子を食い尽くそうとする大きな赤い龍です。男の子は神のみもとに引き上げられ、女は荒野へ逃げます。そこで天に戦いが起こり、ミカエルとその御使たちが龍を投げ落とします。龍は悪魔、サタンと呼ばれる者で、大きな声が、神の救いと国が来たと宣言します。怒った龍は女を追い、さらに神の戒めを守る者たちに戦いをいどみます。クリスチャンはここに、霊的な戦いとキリストの勝利を読み取ります。
この章の3つの区分
1また、大いなるしるしが天に現れた。ひとりの女が太陽を着て、足の下に月を踏み、その頭に十二の星の冠をかぶっていた。
2この女は子を宿しており、産みの苦しみと悩みとのために、泣き叫んでいた。
3また、もう一つのしるしが天に現れた。見よ、大きな、赤い龍がいた。それに七つの頭と十の角とがあり、その頭に七つの冠をかぶっていた。
4その尾は天の星の三分の一を掃き寄せ、それらを地に投げ落した。龍は子を産もうとしている女の前に立ち、生れたなら、その子を食い尽そうとかまえていた。
5女は男の子を産んだが、彼は鉄のつえをもってすべての国民を治めるべき者である。この子は、神のみもとに、その御座のところに、引き上げられた。
6女は荒野へ逃げて行った。そこには、彼女が千二百六十日のあいだ養われるように、神の用意された場所があった。
7さて、天では戦いが起った。ミカエルとその御使たちとが、龍と戦ったのである。龍もその使たちも応戦したが、
8勝てなかった。そして、もはや天には彼らのおる所がなくなった。
9この巨大な龍、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれ、全世界を惑わす年を経たへびは、地に投げ落され、その使たちも、もろともに投げ落された。
10その時わたしは、大きな声が天でこう言うのを聞いた、「今や、われらの神の救と力と国と、神のキリストの権威とは、現れた。われらの兄弟らを訴える者、夜昼われらの神のみまえで彼らを訴える者は、投げ落された。
11兄弟たちは、小羊の血と彼らのあかしの言葉とによって、彼にうち勝ち、死に至るまでもそのいのちを惜しまなかった。
12それゆえに、天とその中に住む者たちよ、大いに喜べ。しかし、地と海よ、おまえたちはわざわいである。悪魔が、自分の時が短いのを知り、激しい怒りをもって、おまえたちのところに下ってきたからである」。
13龍は、自分が地上に投げ落されたと知ると、男子を産んだ女を追いかけた。
14しかし、女は自分の場所である荒野に飛んで行くために、大きなわしの二つの翼を与えられた。そしてそこでへびからのがれて、一年、二年、また、半年の間、養われることになっていた。
15へびは女の後に水を川のように、口から吐き出して、女をおし流そうとした。
16しかし、地は女を助けた。すなわち、地はその口を開いて、龍が口から吐き出した川を飲みほした。
17龍は、女に対して怒りを発し、女の残りの子ら、すなわち、神の戒めを守り、イエスのあかしを持っている者たちに対して、戦いをいどむために、出て行った。
18そして、海の砂の上に立った。
鍵となる聖句
この巨大な龍、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれ、全世界を惑わす年を経たへびは、地に投げ落され、その使たちも、もろともに投げ落された。
龍の名が明かされます。全世界を惑わす年を経たへび、悪魔、サタンです。この箇所は、場面をエデンの園の物語とつなげています。
その時わたしは、大きな声が天でこう言うのを聞いた、「今や、われらの神の救と力と国と、神のキリストの権威とは、現れた。われらの兄弟らを訴える者、夜昼われらの神のみまえで彼らを訴える者は、投げ落された。
大きな声が、神の救いと力と国が現れたと告げます。兄弟たちを訴える者が投げ落とされたからです。サタンは、夜昼神の前で訴える告発者として描かれています。
兄弟たちは、小羊の血と彼らのあかしの言葉とによって、彼にうち勝ち、死に至るまでもそのいのちを惜しまなかった。
信者たちは、小羊の血と彼らのあかしの言葉によって勝利し、死に至るまでもいのちを惜しみませんでした。勝利は人間の力ではなく、十字架から来ます。
それゆえに、天とその中に住む者たちよ、大いに喜べ。しかし、地と海よ、おまえたちはわざわいである。悪魔が、自分の時が短いのを知り、激しい怒りをもって、おまえたちのところに下ってきたからである」。
天には喜び、地にはわざわいがあります。悪魔は自分の時が短いのを知っているので怒っているのです。この聖句は、キリストの勝利の確かさを損なうことなく、目を覚ましているよう促します。
この章に登場する人物
説教が語っていること
ヨハネの黙示録12章についてよくある質問
ヨハネの黙示録12章の女とはだれですか
信者の理解は一致していません。イスラエルと見る人、教会と見る人、マリアや歴史を通じた神の民全体と見る人もいます。大まかな意味では一致しています。女は、龍がキリストである子を滅ぼそうとする間、神が守られる民を表しています。
ヨハネの黙示録12章の龍とはだれですか
9節がはっきり答えています。大きな龍、年を経たへび、悪魔またはサタンと呼ばれ、全世界を惑わす者です。10節では兄弟たちを訴える者とも呼ばれます。その敗北は告げられており、投げ落とされて天にはもう居場所がありません。
黙示録12章11節の「小羊の血によって勝つ」とはどういう意味ですか
小羊の血は、罪の宣告を取り去るイエスの十字架の死を指します。信者が訴える者に勝つのは、その赦しがこの御業に基づいているからであり、いのちを失う危険があってもあかしによって堅く立ちます。勝利はキリストのものであり、キリストに属する人々と分かち合われます。
千二百六十日と、「一年、二年、また、半年」とはどういう意味ですか
これらの期間は三年半を指します。ダニエル書や黙示録の他の箇所にも出てきます。これからくる七年の期間の後半と結びつける人もいれば、主の再臨の前に教会が試練を通る時代全体をあらわす象徴的な期間と見る人もいます。
ヨハネの黙示録 12を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。