はじめに
朝目覚めたとき、すべてが崩れ落ちていくように感じる日があります。閉ざされたドア、受けた不当な扱い、家族の中の沈黙、ため息すら押しつぶすような苦しみ。ヨブもそうした朝を知っていました。彼は子どもたちを失い、健康を失い、妻の支えも失い、灰の中に座り込んで、彼の苦しみをほとんど理解していない三人の友人と語り合うことになりました。
それでも、この重々しい書物の中で、ヨブは時代を超えて響く叫びを上げます。「ああ、神の御座に至ることができたら」(ヨブ記23:3)。彼が求めていたのは哲学的な説明ではありません。彼が求めていたのは場所でした。自分の言い分を訴え、聞いてもらい、耳を傾けてくださる神の前に自分の思いを差し出せる場所です。
その御座は実在します。そして御言葉は、その御座の五つの側面を私たちに示してくれます。それを一つひとつ見ていくとき、あなたの祈り方も、嵐の中で立ち続ける姿勢も変わっていきます。JMボトロン牧師によるこのメッセージは、その五つを順に見ていくよう私たちを招いています。土台が揺らぐとき、あなたもどこに向かえばよいかを知るためです。
記事の構成
1. 天にある御座:塵の上に目を上げる
最初に立ち止まるのは詩篇11篇です。ダビデは指揮者に向かってこう叫びます。「私は主に身を避ける」。彼の周りでは、悪しき者たちが弓に矢をつがえ、闇の中から狙いを定めています。土台は打ち壊されています。正しい者に何ができるでしょうか。ダビデは4節でこう答えます。「主はその聖なる宮にいます。主の御座は天にある」。
神の御座は実在します。あなたの肉眼には見えなくても、それは矢の上に確かに存在しています。ダビデは、最初あれほど自分を愛してくれたサウル王に拒絶され、実の息子に裏切られ、エルサレムから逃げなければなりませんでした。彼は自分の土台が崩れていくのを見ました。それでも彼は知っていました。自分の岩、自分の避け所は山ではなく、御座に座っておられる神ご自身であることを。
あなたにもダビデと共通の敵がいます。その名はサタンです。彼は今日も燃える矢をクリスチャンに向けて放っています。落胆、意気消沈、うつ、悪い思い。そうした矢が降り注ぐとき、答えは山へ逃げることではありません。答えは、天にある御座へと目を上げることです。
問題は、私たちがしばしばカタツムリの視点しか持たないことです。地を這い、塵を見つめ、目の前の問題しか見えません。しかしエペソ人への手紙2:6にはこうあります。「神はキリスト・イエスにあって、私たちをよみがえらせ、共に天上のところに座らせてくださった」。キリストと共に座るとき、あなたは鷲のような視点を持つことができます。上から物事を見る視点です。飛行機から山々を見下ろすと、あれほど大きかった山が急に小さく見えるように。
この天の御座を見出すためには、信仰の目が必要です。地に貼りついたままの視点ではなく、たとえ不当な扱いを受けていても、こう言える超自然的な視点です。「神はその御座にいます。神は見ておられます。記録を残しておられます。悪を野放しにはなさいません」。
2. 永遠の御座:終わりのないものさしで人生を測る
詩篇93篇は別の窓を開いてくれます。「主は王となり、威光をまとわれる…あなたの御座は昔から堅く立ち、あなたはとこしえから存在しておられる」。
この御座には始まりも終わりもありません。神は、この世が知らない栄光の中で、永遠から支配しておられます。そして支配しながら、すべての被造物を支えておられます。ヨブ記34:14-15はこう明確に述べています。「もし神がご自分にだけ心を留め、その霊と息を御自分のもとに集められるなら、すべての肉なる者は共に息絶え、人は塵に帰るであろう」。
あなたの周りを見てください。地球は太陽の周りを、近すぎず遠すぎず回っています。宇宙空間であと少し離れれば、気温はマイナス270度まで下がり、生命は存在できなくなります。それは偶然ではありません。神は、あなたが今朝呼吸できるようにする物理法則を保っておられます。
永遠の御座と聞くと、80年か90年しか生きないかもしれないあなたにとって、めまいがするような話に思えるかもしれません。聖書はあなたの人生を息にたとえ、朝に花咲き夕には枯れる草にたとえます。永遠を前にすれば、百年など蒸気にすら及びません。
それでも、あなたには時代を超えて存在し続ける御座への道があります。アブラハムが求め、モーセが出会い、ダビデが見出し、パウロが嘆願した、まさにその同じ御座です。あなたも私もいなくなったあとも、その御座はそこにあり続けます。今ある天と地さえも過ぎ去り、神は新しい天と新しい地を創造されます。だからこそ、あなたの短い人生を、残るもののために用いてください。神に仕えること、御心を求めること、御言葉を実践すること、証しをすることです。あなたが証しをするとき、誰かの心に永遠のいのちの希望の種をまいているのです。イエスがマタイの福音書16:26で言われたとおりです。「たとい人が全世界を手に入れても、自分のいのちを失ったら、何の得がありましょう」。
3. 正義の御座:誰も見ていないものを神は見ておられる
詩篇89:15はこう宣言します。「義と公正はあなたの御座の基。恵みとまことはあなたの御前にある」。
不当に非難され、脇に追いやられ、軽んじられ、忘れ去られたと感じているなら、この点はあなたにとって非常に大切です。あなたの周りには不正義があります。強い者が弱い者を踏みにじり、腕のいい弁護士のおかげで罪人が赦免されるのを目にします。ヨハネの手紙第一5:19はこの状況をこうまとめています。「私たちは神から出た者であり、世全体は悪い者の支配下にあります」。
しかし、この世を悪が支配しているように見えても、正義の御座は確かに存在します。神は人のようにはさばかれません。人は外見でさばきますが、神は心をご覧になります。人は力や権力に目を奪われますが、神は隠された思いを探られます。
神が遅れているように見えるとき、あなたと神とは同じ時間軸にいないことを思い出してください。あなたには時計があり、一日は24時間で、予定表があります。しかし神には神ご自身の時があります。ラザロが死んだとき、マルタもマリアも、イエスを同じ言葉で迎えました。「もし、あなたがここにいてくださったなら、私の兄弟は死ななかったでしょうに」。彼女たちは人間の時間の中にいました。しかしイエスは神の時の中におられ、癒やしのためではなく、よみがえりのために来られたのです。
神が犯してもいない遅れをさばかないでください。自分の時を神の時に合わせてください。そして覚えておいてください。悪がそのまま残るように見えても、神はそれを益に変えることがおできになります。兄弟たちに売られ、ポティファルの家で奴隷となり、偽りの罪を着せられ、牢に投げ込まれたヨセフに神がなさったように。ヨセフは、人々の悪意を、ひとつの民全体の救いの計画へと神が織り上げてくださったことを認めました。
4. 恵みの御座:確信をもって近づく
おそらく、あなたが一番立ち止まるべき点はここです。ヘブル人への手紙4:16。「ですから、私たちは、あわれみを受け、また、恵みをいただいて、おりにかなった助けを得るために、大胆に恵みの御座に近づこうではありませんか」。
この御座は天にあり、永遠であり、正しくもありますが、同時に恵みの御座でもあります。それは十字架のゆえです。イエスが死なれたとき、あなたの罪の代価を払ってくださいました。あなたの状況がどうであれ、過去がどうであれ、恵みはあなたのためのものです。パウロはローマ人への手紙5:8でこう言います。「私たちがまだ罪人であったとき、キリストが私たちのために死んでくださったことにより、神は私たちに対するご自身の愛を明らかにしておられます」。
キリストの愛には、測ることのできない広さ、高さ、深さ、長さがあります。それは無限の愛です。そしてこの御座は週7日、24時間、自由に近づける場所です。誰もあなたを無理やりそこへ連れて行きはしません。神は良い方であるがゆえに、その恵みを拒む自由さえもあなたに残しておられます。しかし、もし恵みを拒むなら、あなたが出会うのは、さばきの御座だけになってしまいます。
恵みの御座に近づくとき、あなたは何を見出すでしょうか。あわれみ、神の無償の愛、心の平安、この世の何ものも与えることのできない魂への支え、内なる傷の癒やしです。そしてヨハネの手紙第一5:14-15はこう確信を言い表しています。「もし私たちが神のみこころにかなうことを何か願うなら、神は聞いてくださるということが、私たちの神に対して抱く確信です。そして、私たちの願うことは何でも神が聞いてくださることがわかるなら、私たちは、神に願ったことがすでにかなえられていることもわかるのです」。
5. さばきの御座:聖書が隠さないこと
御言葉はこの点を脇に置いてはいません。ですから、私たちも誠実にこれを避けて通ることはできません。ヨハネの黙示録20:11-12。「また私は、大きな白い御座と、それに座っておられる方を見た。天も地もその御顔の前から逃げ去って、あとかたも見えなくなった。また、私は死者たちが、大きい者も小さい者も、みな御座の前に立っているのを見た。そしていくつかの巻物が開かれた。もう一つの巻物、すなわち、いのちの書も開かれた。死者たちは、その巻物に書かれていることがらに基づき、彼らの行いに応じてさばかれた」。
この大きな白い御座は、すでに恵みの御座を通り、信者の行いが評価されるキリストの裁きの座を経た人々のためのものではありません。これはイエスを拒んだ人々のための御座です。この地上のことのためだけに生き、クリスチャンをあざけり、福音など聞きたくもないと思っていた人々です。この御座の前では、誰も自分を弁護できません。巻物が開かれ、赦されなかった罪が明らかにされます。
聖書は、肉体の死である第一の死と、神からの永遠の分離である第二の死について語っています。恵みを拒んだまま長く生きることもできるでしょう。しかしヘブル人への手紙9:27はこう告げています。「一度死ぬことと、そのあとにさばきを受けることが、人間には定まっています」。
大きな白い御座を免れる道はただ一つ。今日、恵みの御座に来て、イエスを受け入れ、赦していただくことです。信じる者には永遠のいのちがあり、最後のさばきを経ることなく、神に直接近づく道が開かれています。永遠の死は避けられない運命ではありません。それは、キリストに近づくことによって拒むことのできる選択なのです。
覚えておきたいポイント
- 神の御座は天にあります。肉眼では見えません。敵の矢の上に目を上げるためには、信仰の目、鷲のような視点が必要です。
- 神の御座は永遠です。あなたの人生は一つの息にすぎませんが、あなたには時代を超えて存在する御座への道があります。その短い人生を、残るもののために使ってください。
- 神の御座は正義の御座です。神はあなたが受けた仕打ちを見ておられ、記録を残しておられ、外見でさばかれることはありません。自分の時を神の時に合わせましょう。
- 神の御座は恵みの御座です。十字架のゆえに、いつでも確信をもって近づき、あわれみを受け、必要な助けを得ることができます。
- さばきの御座もあります。恵みを拒むことは、大きな白い御座を自分のために選び取ることです。神との間で今日解決できることを、明日に先延ばししないでください。
あなた自身への問いかけ
- 今あなたが受けている敵の「矢」は何でしょうか。落胆、意気消沈、悪い思いでしょうか。それを一人で抱え込むのではなく、今日、天の御座の前に置くことができますか。
- あなたが今、あれほど夢中になっていることの中で、十年後には何の価値も持たなくなり、まして永遠には何の意味も持たないものは何でしょうか。今週、具体的に見直すべき選択がありますか。
- あなたが抱えている不正義の中で、神が「あなたの都合の良い時」に動いてくださるのを待っているものはありませんか。今日、どのようにしてその件を信頼して神に委ねますか。
- 最後に恵みの御座に近づいたのはいつですか。何かをお願いするためではなく、ただあわれみと赦しを受け取るためだけに。今、十分間の時間を取ってそれをしてみてください。
- あなたの周りに、遅くなる前に恵みの御座について語るよう神があなたに求めている人はいませんか。
引用聖句
- ヨブ記 23:1-5・「ああ、神の御座に至ることができたら」
- 詩篇 11篇・「主の御座は天にある」
- 詩篇 93篇・「あなたの御座は昔から堅く立つ」
- 詩篇 89:15・「義と公正はあなたの御座の基」
- ヨブ記 34:14-15・「もし神がその霊と息を御自分のもとに集められるなら…」
- エペソ人への手紙 2:6・「私たちを天上のところに共に座らせてくださった」
- マタイの福音書 16:26・「たとい人が全世界を手に入れても…」
- ヨハネの手紙第一 5:14-19・「私たちが神に対して抱く確信は…」
- ヘブル人への手紙 4:16・「大胆に恵みの御座に近づこうではありませんか」
- ローマ人への手紙 5:8・「キリストが私たちのために死んでくださった」
- ヘブル人への手紙 9:27・「一度死ぬことが人間には定まっている…」
- ヨハネの黙示録 20:11-15・「大きな白い御座を見た…」
よくある質問
神の御座は実在する場所ですか、それとも比喩ですか。
聖書は御座を天にある実在の場所として語っています(詩篇11:4、イザヤ書66:1、ヨハネの黙示録4章)。これは単なる詩的な象徴ではなく、あらゆるものに対する神の実際の支配を表しています。肉眼では見えませんが、イエスによって、信仰によって霊的に近づくことができます。
恵みの御座に具体的にどう近づけばよいですか。
ヘブル人への手紙4:16は「大胆に」近づくよう招いています。つまり、御言葉の約束とキリストが十字架で成し遂げてくださった御業に支えられた祈りの中で、です。いつでも、一人で部屋の中で、罪を告白し、必要を差し出し、約束されたあわれみを信仰によって受け取ることができます。
大きな白い御座とは何であり、誰がそこに立つのですか。
ヨハネの黙示録20:11-15の大きな白い御座は、イエスに信仰を置かなかった人々に関わる最後のさばきです。信者はそこで断罪されるためにさばきの座に立つことはありません。キリストがすでに十字架で彼らのさばきを負ってくださったからです。信者は別に、その行いについてキリストの裁きの座で評価されます。大きな白い御座を免れる唯一の道は、今日、恵みの御座に来て受け入れることです。
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