聖書の人物 十字架のそばの百卒長

生涯、名前の意味、人生の教訓

要約

十字架のそばの百卒長は、イエスが十字架につけられたとき、兵士たちと共にエルサレムの刑場でイエスを見張っていたローマの将校です。マタイ、マルコ、ルカの三つの福音書が、イエスの死に際しての彼の反応を伝えています。イエスが息を引きとられたのを見て、彼は「まことに、この人は神の子であった」と言い、ルカはさらに、彼が神をあがめたと記します。聖書は彼の名を記していません。十字架を目撃した異邦人が、イエスが誰であるかを認めたのです。

十字架のそばの百卒長という名前の意味

聖書はこの将校の名を記しておらず、のちの伝承が与えた名前には聖書的な根拠がありません。「百卒長」とは、約百人の兵士を指揮したローマ軍の将校を指す言葉です(マルコの福音書15章39節)。

十字架のそばの百卒長の生涯

  1. ゴルゴタの見張り

    マタイの福音書27章35-44節

    イエスを十字架につけた兵士たちは、くじを引いてその衣を分け、そこにすわってイエスの番をしました。マタイは、百卒長がイエスの番をしていた人々と一緒にいたと伝えます。この将校は、通行人の嘲り、宗教指導者たちの侮辱、十字架の上での長い苦しみのすべてを目の前で見ていたことになります。

  2. 暗闇と叫び

    マルコの福音書15章33-38節

    昼の十二時から三時まで、全地は暗くなりました。三時に、イエスは大声で叫ばれ、居合わせた人々の中にはエリヤを呼んでいると思った者もいました。イエスは声高く叫んで息をひきとられ、そのとき神殿の幕が上から下まで真二つに裂けました。

  3. イエスにむかって立つ

    マルコの福音書15章39節

    マルコは、百卒長がイエスにむかって立っていたと記します。このようにして息をひきとられたのを見て、彼は「まことに、この人は神の子であった」と言いました。祭司長たちが十字架から降りてみよとあざけった直後に、イエスを見張っていた将校がイエスを神の子と告白したのです。

  4. 非常に恐れた

    マタイの福音書27章51-54節

    マタイによれば、地震が起こり、岩が裂け、墓が開きました。百卒長と一緒にイエスの番をしていた人々は、地震やいろいろのできごとを見て非常に恐れ、「まことに、この人は神の子であった」と言いました。

  5. 神をあがめた

    ルカの福音書23章46-47節

    ルカは、イエスの最後の言葉「父よ、わたしの霊をみ手にゆだねます」を伝えます。百卒長はこの有様を見て神をあがめ、「ほんとうに、この人は正しい人であった」と言いました。二人の犯罪人の間で十字架につけられたかたが、そばに立つ将校自身によって、無実であると宣言されたのです。

  6. ピラトの前の証人

    マルコの福音書15章42-45節

    夕方、アリマタヤのヨセフがイエスのからだの引取りを願い出ます。ピラトは、イエスがもう死んだのかと不審に思い、百卒長を呼んで尋ねました。百卒長から確かめた上で、死体をヨセフに渡しました。この将校の証言が、埋葬と復活の前に、イエスの死が確かな事実であったことを裏づけています。

十字架のそばの百卒長から学ぶこと

  • 十字架は、神から最も遠いと思われた人々にも、イエスが誰であるかを現す。
  • イエスの死を見つめることは、イエスを神の子と告白することへ導く。
  • 神は、処刑を担当した兵士たちの中にさえ、思いがけない真理の証人を起こされる。
  • イエスの死は現実であり、証人たちによって確かめられ、私たちの救いはそこに立っている。

鍵となる聖句

マルコの福音書15章39節

イエスの死と神殿の幕が裂けた直後に置かれた百卒長の告白です。異邦人が、十字架につけられたかたを神の子と宣言しています。

ルカの福音書23章47節

ルカは、百卒長が神をあがめ、イエスを正しい人と宣言したことを強調します。十字架へ導いた訴えに対して、イエスが無実だったという意味です。

ヨハネの福音書20章31節

福音書は、イエスが神の子キリストであると信じ、その名によって命を得るために書かれました。百卒長は、その信仰告白をした証人の一人です。

十字架のそばの百卒長についての説教

よくある質問

十字架のそばの百卒長とは誰ですか。

ゴルゴタで、イエスを見張っていた兵士たちと共にいたローマの将校です。マタイ、マルコ、ルカの福音書は、イエスの死に際して彼が、イエスを神の子であり正しい人であると認めたことを伝えています。聖書は彼の名も、この出来事の前後の生涯も記していません。

「百卒長」という言葉はどんな意味ですか。

百卒長は、約百人の兵士を指揮したローマ軍の将校です。新約聖書には、カペナウムの百卒長やカイザリヤのコルネリオなど、何人かの百卒長が出てきます。十字架のそばにいた百卒長はそれとは別の人で、聖書は彼の名を記していません。

十字架の百卒長の物語は聖書のどこにありますか。

彼の反応は三つの福音書に記されています。マタイの福音書27章54節、マルコの福音書15章39節、ルカの福音書23章47節です。マルコ15章44-45節には、ピラトがイエスの死を確かめるために彼に尋ねたことも出てきます。十字架のくわしい記述を読むと、彼が何を見て語ったかが分かります。

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