聖書 — 口語訳 (1955)
ピリピ人への手紙 2
概要
ピリピ人への手紙2章で、パウロは教会に、争いや虚栄なしに、へりくだって互いに人を自分よりすぐれた者と思う一致を呼びかけます。模範はイエス・キリストです。神と等しい方が、自分を無にして仕える者の姿をとり、十字架の死にまでへりくだり、神はこの方を高く上げられました。信者は、神が内に働いておられるのだから、自分の救いを達成するように努め、すべてのことをつぶやかずに行い、世の光として輝くよう召されています。テモテとエパフロデトはその二つの模範です。
この章の5つの区分
1そこで、あなたがたに、キリストによる勧め、愛の励まし、御霊の交わり、熱愛とあわれみとが、いくらかでもあるなら、
2どうか同じ思いとなり、同じ愛の心を持ち、心を合わせ、一つ思いになって、わたしの喜びを満たしてほしい。
3何事も党派心や虚栄からするのでなく、へりくだった心をもって互に人を自分よりすぐれた者としなさい。
4おのおの、自分のことばかりでなく、他人のことも考えなさい。
5キリスト・イエスにあっていだいているのと同じ思いを、あなたがたの間でも互に生かしなさい。
6キリストは、神のかたちであられたが、神と等しくあることを固守すべき事とは思わず、
7かえって、おのれをむなしうして僕のかたちをとり、人間の姿になられた。その有様は人と異ならず、
8おのれを低くして、死に至るまで、しかも十字架の死に至るまで従順であられた。
9それゆえに、神は彼を高く引き上げ、すべての名にまさる名を彼に賜わった。
10それは、イエスの御名によって、天上のもの、地上のもの、地下のものなど、あらゆるものがひざをかがめ、
11また、あらゆる舌が、「イエス・キリストは主である」と告白して、栄光を父なる神に帰するためである。
12わたしの愛する者たちよ。そういうわけだから、あなたがたがいつも従順であったように、わたしが一緒にいる時だけでなく、いない今は、いっそう従順でいて、恐れおののいて自分の救の達成に努めなさい。
13あなたがたのうちに働きかけて、その願いを起させ、かつ実現に至らせるのは神であって、それは神のよしとされるところだからである。
14すべてのことを、つぶやかず疑わないでしなさい。
15それは、あなたがたが責められるところのない純真な者となり、曲った邪悪な時代のただ中にあって、傷のない神の子となるためである。あなたがたは、いのちの言葉を堅く持って、彼らの間で星のようにこの世に輝いている。
16このようにして、キリストの日に、わたしは自分の走ったことがむだでなく、労したこともむだではなかったと誇ることができる。
17そして、たとい、あなたがたの信仰の供え物をささげる祭壇に、わたしの血をそそぐことがあっても、わたしは喜ぼう。あなたがた一同と共に喜ぼう。
18同じように、あなたがたも喜びなさい。わたしと共に喜びなさい。
19さて、わたしは、まもなくテモテをあなたがたのところに送りたいと、主イエスにあって願っている。それは、あなたがたの様子を知って、わたしも力づけられたいからである。
20テモテのような心で、親身になってあなたがたのことを心配している者は、ほかにひとりもない。
21人はみな、自分のことを求めるだけで、キリスト・イエスのことは求めていない。
22しかし、テモテの錬達ぶりは、あなたがたの知っているとおりである。すなわち、子が父に対するようにして、わたしと一緒に福音に仕えてきたのである。
23そこで、この人を、わたしの成行きがわかりしだい、すぐにでも、そちらへ送りたいと願っている。
24わたし自身もまもなく行けるものと、主にあって確信している。
25しかし、さしあたり、わたしの同労者で戦友である兄弟、また、あなたがたの使者としてわたしの窮乏を補ってくれたエパフロデトを、あなたがたのもとに送り返すことが必要だと思っている。
26彼は、あなたがた一同にしきりに会いたがっているからである。その上、自分の病気のことがあなたがたに聞えたので、彼は心苦しく思っている。
27彼は実に、ひん死の病気にかかったが、神は彼をあわれんで下さった。彼ばかりではなく、わたしをもあわれんで下さったので、わたしは悲しみに悲しみを重ねないですんだのである。
28そこで、大急ぎで彼を送り返す。これで、あなたがたは彼と再び会って喜び、わたしもまた、心配を和らげることができよう。
29こういうわけだから、大いに喜んで、主にあって彼を迎えてほしい。また、こうした人々は尊重せねばならない。
30彼は、わたしに対してあなたがたが奉仕のできなかった分を補おうとして、キリストのわざのために命をかけ、死ぬばかりになったのである。
鍵となる聖句
何事も党派心や虚栄からするのでなく、へりくだった心をもって互に人を自分よりすぐれた者としなさい。 おのおの、自分のことばかりでなく、他人のことも考えなさい。
パウロは、何事も党派心や虚栄からせず、へりくだって互いに人を自分よりすぐれた者と思い、他の人の利益にも目を向けるよう求めます。これが、パウロの求める一致の具体的な土台です。
キリスト・イエスにあっていだいているのと同じ思いを、あなたがたの間でも互に生かしなさい。 キリストは、神のかたちであられたが、神と等しくあることを固守すべき事とは思わず、 かえって、おのれをむなしうして僕のかたちをとり、人間の姿になられた。その有様は人と異ならず、 おのれを低くして、死に至るまで、しかも十字架の死に至るまで従順であられた。
これらの節はキリストについての賛歌です。神のかたちであられた方が、自分を無にし、仕える者の姿をとり、十字架にまでへりくだられました。信者に求められる心の持ち方の模範です。
それゆえに、神は彼を高く引き上げ、すべての名にまさる名を彼に賜わった。 それは、イエスの御名によって、天上のもの、地上のもの、地下のものなど、あらゆるものがひざをかがめ、 また、あらゆる舌が、「イエス・キリストは主である」と告白して、栄光を父なる神に帰するためである。
へりくだりのあとに高挙が来ます。神はイエスにすべての名にまさる名を与え、すべての舌がイエスは主であると告白します。謙遜の道は栄光に至ります。
わたしの愛する者たちよ。そういうわけだから、あなたがたがいつも従順であったように、わたしが一緒にいる時だけでなく、いない今は、いっそう従順でいて、恐れおののいて自分の救の達成に努めなさい。 あなたがたのうちに働きかけて、その願いを起させ、かつ実現に至らせるのは神であって、それは神のよしとされるところだからである。
パウロは恐れおののいて自分の救いを達成するよう求め、その理由を語ります。神が内に働いておられるからです。努力と恵みは共にあります。
すべてのことを、つぶやかず疑わないでしなさい。 それは、あなたがたが責められるところのない純真な者となり、曲った邪悪な時代のただ中にあって、傷のない神の子となるためである。あなたがたは、いのちの言葉を堅く持って、彼らの間で星のようにこの世に輝いている。
つぶやきや疑いなしにすべてを行うとき、曲がった時代の中で星のように輝くことができます。証しは、単純で一貫した生き方を通して行われます。
この章に登場する人物
このテーマで祈る
説教が語っていること
ピリピ人への手紙2章についてよくある質問
ピリピ人への手紙2章5節から8節はどういう意味ですか。
これらの節は、神の身分でありながら自分を無にし、仕える者の姿をとり、人間と同じようになり、十字架の死にまでへりくだられたイエスを示します。パウロはこれを、信者が互いに対して持つべき心の模範として挙げています。
恐れおののいて自分の救いを達成するとは、どういう意味ですか。
パウロは救いを獲得せよと言っているのではありません。13節が、神が内に働いて志を立てさせ、事を行わせてくださると説明しているからです。救いを真剣に、神への畏敬をもって生きるよう呼びかけているのです。人の努力の役割の強調はキリスト教の伝統によって異なりますが、信じる者の内に神が働いておられることはすべて一致しています。
ピリピ人への手紙2章のメッセージは何ですか。
この章は、キリストの模範にならって謙遜と一致を求めます。キリストは愛のゆえにへりくだり、神によって高く上げられました。また、つぶやかずに生き、世の中で星のように輝くよう招いています。
ピリピ人への手紙 2を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。