聖書 — 口語訳 (1955)
ピリピ人への手紙 4
概要
ピリピ人への手紙4章は、喜びの手紙の結びです。パウロはピリピの人々に堅く立つよう勧め、二人の女性に心を合わせるよう求め、続いて主にあっていつも喜ぶよう呼びかけます。思い煩いへの処方箋も示します。すべてを感謝をもって祈りの中で神に知らせれば、神の平安が心と思いを守ります。また、真実なこと、尊いこと、正しいこと、清いことに思いを向けるよう勧めます。さらに、あらゆる状況で満足することを学んだと語り、教会に感謝し、神があなたがたの必要をすべて満たしてくださると約束します。
この章の6つの区分
1だから、わたしの愛し慕っている兄弟たちよ。わたしの喜びであり冠である愛する者たちよ。このように、主にあって堅く立ちなさい。
2わたしはユウオデヤに勧め、またスントケに勧める。どうか、主にあって一つ思いになってほしい。
3ついては、真実な協力者よ。あなたにお願いする。このふたりの女を助けてあげなさい。彼らは、「いのちの書」に名を書きとめられているクレメンスや、その他の同労者たちと協力して、福音のためにわたしと共に戦ってくれた女たちである。
4あなたがたは、主にあっていつも喜びなさい。繰り返して言うが、喜びなさい。
5あなたがたの寛容を、みんなの人に示しなさい。主は近い。
6何事も思い煩ってはならない。ただ、事ごとに、感謝をもって祈と願いとをささげ、あなたがたの求めるところを神に申し上げるがよい。
7そうすれば、人知ではとうてい測り知ることのできない神の平安が、あなたがたの心と思いとを、キリスト・イエスにあって守るであろう。
8最後に、兄弟たちよ。すべて真実なこと、すべて尊ぶべきこと、すべて正しいこと、すべて純真なこと、すべて愛すべきこと、すべてほまれあること、また徳といわれるもの、称賛に値するものがあれば、それらのものを心にとめなさい。
9あなたがたが、わたしから学んだこと、受けたこと、聞いたこと、見たことは、これを実行しなさい。そうすれば、平和の神が、あなたがたと共にいますであろう。
10さて、わたしが主にあって大いに喜んでいるのは、わたしを思う心が、あなたがたに今またついに芽ばえてきたことである。実は、あなたがたは、わたしのことを心にかけてくれてはいたが、よい機会がなかったのである。
11わたしは乏しいから、こう言うのではない。わたしは、どんな境遇にあっても、足ることを学んだ。
12わたしは貧に処する道を知っており、富におる道も知っている。わたしは、飽くことにも飢えることにも、富むことにも乏しいことにも、ありとあらゆる境遇に処する秘けつを心得ている。
13わたしを強くして下さるかたによって、何事でもすることができる。
14しかし、あなたがたは、よくもわたしと患難を共にしてくれた。
15ピリピの人たちよ。あなたがたも知っているとおり、わたしが福音を宣伝し始めたころ、マケドニヤから出かけて行った時、物のやりとりをしてわたしの働きに参加した教会は、あなたがたのほかには全く無かった。
16またテサロニケでも、一再ならず、物を送ってわたしの欠乏を補ってくれた。
17わたしは、贈り物を求めているのではない。わたしの求めているのは、あなたがたの勘定をふやしていく果実なのである。
18わたしは、すべての物を受けてあり余るほどである。エパフロデトから、あなたがたの贈り物をいただいて、飽き足りている。それは、かんばしいかおりであり、神の喜んで受けて下さる供え物である。
19わたしの神は、ご自身の栄光の富の中から、あなたがたのいっさいの必要を、キリスト・イエスにあって満たして下さるであろう。
20わたしたちの父なる神に、栄光が世々限りなくあるように、アァメン。
21キリスト・イエスにある聖徒のひとりびとりに、よろしく。わたしと一緒にいる兄弟たちから、あなたがたによろしく。
22すべての聖徒たちから、特にカイザルの家の者たちから、よろしく。
23主イエス・キリストの恵みが、あなたがたの霊と共にあるように。
鍵となる聖句
あなたがたは、主にあっていつも喜びなさい。繰り返して言うが、喜びなさい。
パウロは、主にあっていつも喜ぶよう、二度繰り返して命じます。この手紙は獄中で書かれました。ですから、ここで語られる喜びは状況に左右されません。
何事も思い煩ってはならない。ただ、事ごとに、感謝をもって祈と願いとをささげ、あなたがたの求めるところを神に申し上げるがよい。 そうすれば、人知ではとうてい測り知ることのできない神の平安が、あなたがたの心と思いとを、キリスト・イエスにあって守るであろう。
思い煩う代わりに、パウロは祈りと感謝をもって願いを神に知らせるよう勧めます。その応えとして、あらゆる知恵にまさる神の平安が、心と思いを守ります。
最後に、兄弟たちよ。すべて真実なこと、すべて尊ぶべきこと、すべて正しいこと、すべて純真なこと、すべて愛すべきこと、すべてほまれあること、また徳といわれるもの、称賛に値するものがあれば、それらのものを心にとめなさい。
パウロは、思いを向けるべきものを挙げます。真実なこと、尊いこと、正しいこと、清いこと、愛すべきことです。思いは育てるものであり、そこに何を置くかが生き方に影響します。
わたしは貧に処する道を知っており、富におる道も知っている。わたしは、飽くことにも飢えることにも、富むことにも乏しいことにも、ありとあらゆる境遇に処する秘けつを心得ている。 わたしを強くして下さるかたによって、何事でもすることができる。
満足は学ぶものであり、豊かなときにも乏しいときにも当てはまります。13節はこの文脈で読むべきです。キリストから受ける力は、成功するためだけでなく、あらゆる状況で耐えるためのものです。
わたしの神は、ご自身の栄光の富の中から、あなたがたのいっさいの必要を、キリスト・イエスにあって満たして下さるであろう。
パウロは、神が、キリスト・イエスにある栄光の富によって、あなたがたの必要をすべて満たしてくださると約束します。この約束は、自らも寛大だった人々に向けられています。
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ピリピ人への手紙4章についてよくある質問
ピリピ4章13節の、私を強くしてくださる方によって、何でもできるとはどういう意味ですか
文脈の中で、パウロは満足について語っています。豊かなときにも乏しいときにも生きる術を学んだのです。ですからこの聖句は、何をしても成功することを約束するのではなく、あらゆる状況で耐え、忠実であり続けるためのキリストの力を約束しています。この読み方は、この聖句を成果を求めるスローガンにしてしまうことを避けます。
ピリピ4章6節と7節によれば、どうすれば思い煩わずにいられますか
パウロは、心配を否定せよとは言いません。祈りと感謝をもって、それを神に知らせるよう勧めます。すると、心と思いを守る神の平安が与えられると約束します。祈りは、自分でどうにもできないことを置く場所になります。
ピリピ4章8節は、思いについて何を語っていますか
この聖句は、真実なこと、尊いこと、正しいこと、清いこと、愛すべきこと、称賛に値することに思いを向けるよう勧めます。パウロは、思いが心と選択に影響することを認めています。現実を無視せよと言うのではなく、意識的に、建て上げるものへと注意を向けるよう求めています。
2節のエボディアとシンティケはだれですか
ピリピの教会の二人の女性で、福音のためにパウロとともに働いた人々です。パウロは、主にあって同じ思いになるよう勧めており、二人の間に意見の不一致があったことがうかがえます。パウロは忠実な同労者に、二人が和解できるよう助けてほしいと頼んでいます。
ピリピ人への手紙 4を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。