聖書 — 口語訳 (1955)

ヨハネによる福音書 17

概要

ヨハネによる福音書17章は、福音書に記されたイエスの最も長い祈りで、逮捕の直前になされました。イエスはまずご自分のために祈られます。時が来たこと、父から与えられた働きを成し遂げたことです。次に弟子たちのために祈られます。悪から守られ、真理によって聖別され、世に遣わされるようにと。最後に、これから信じるすべての人のために、父と子が一つであるように彼らも一つとなり、世が信じるようにと祈られます。祈りは、彼らをご自分のそばに見たいという願いで結ばれます。

この章の4つの区分

  1. 1-5節イエスがご自分のために祈る:栄光の時と永遠のいのち
  2. 6-19節イエスが弟子たちのために祈る:守られ、聖別され、遣わされる
  3. 20-23節イエスがすべての信じる者のために祈る:彼らが一つとなるように
  4. 24-26節イエスの願い:ご自分の者たちとともにいて、父の愛を知らせること

1これらのことを語り終えると、イエスは天を見あげて言われた、「父よ、時がきました。あなたの子があなたの栄光をあらわすように、子の栄光をあらわして下さい。

2あなたは、子に賜わったすべての者に、永遠の命を授けさせるため、万民を支配する権威を子にお与えになったのですから。

3永遠の命とは、唯一の、まことの神でいますあなたと、また、あなたがつかわされたイエス・キリストとを知ることであります。

4わたしは、わたしにさせるためにお授けになったわざをなし遂げて、地上であなたの栄光をあらわしました。

5父よ、世が造られる前に、わたしがみそばで持っていた栄光で、今み前にわたしを輝かせて下さい。

6わたしは、あなたが世から選んでわたしに賜わった人々に、み名をあらわしました。彼らはあなたのものでありましたが、わたしに下さいました。そして、彼らはあなたの言葉を守りました。

7いま彼らは、わたしに賜わったものはすべて、あなたから出たものであることを知りました。

8なぜなら、わたしはあなたからいただいた言葉を彼らに与え、そして彼らはそれを受け、わたしがあなたから出たものであることをほんとうに知り、また、あなたがわたしをつかわされたことを信じるに至ったからです。

9わたしは彼らのためにお願いします。わたしがお願いするのは、この世のためにではなく、あなたがわたしに賜わった者たちのためです。彼らはあなたのものなのです。

10わたしのものは皆あなたのもの、あなたのものはわたしのものです。そして、わたしは彼らによって栄光を受けました。

11わたしはもうこの世にはいなくなりますが、彼らはこの世に残っており、わたしはみもとに参ります。聖なる父よ、わたしに賜わった御名によって彼らを守って下さい。それはわたしたちが一つであるように、彼らも一つになるためであります。

12わたしが彼らと一緒にいた間は、あなたからいただいた御名によって彼らを守り、また保護してまいりました。彼らのうち、だれも滅びず、ただ滅びの子だけが滅びました。それは聖書が成就するためでした。

13今わたしはみもとに参ります。そして世にいる間にこれらのことを語るのは、わたしの喜びが彼らのうちに満ちあふれるためであります。

14わたしは彼らに御言を与えましたが、世は彼らを憎みました。わたしが世のものでないように、彼らも世のものではないからです。

15わたしがお願いするのは、彼らを世から取り去ることではなく、彼らを悪しき者から守って下さることであります。

16わたしが世のものでないように、彼らも世のものではありません。

17真理によって彼らを聖別して下さい。あなたの御言は真理であります。

18あなたがわたしを世につかわされたように、わたしも彼らを世につかわしました。

19また彼らが真理によって聖別されるように、彼らのためわたし自身を聖別いたします。

20わたしは彼らのためばかりではなく、彼らの言葉を聞いてわたしを信じている人々のためにも、お願いいたします。

21父よ、それは、あなたがわたしのうちにおられ、わたしがあなたのうちにいるように、みんなの者が一つとなるためであります。すなわち、彼らをもわたしたちのうちにおらせるためであり、それによって、あなたがわたしをおつかわしになったことを、世が信じるようになるためであります。

22わたしは、あなたからいただいた栄光を彼らにも与えました。それは、わたしたちが一つであるように、彼らも一つになるためであります。

23わたしが彼らにおり、あなたがわたしにいますのは、彼らが完全に一つとなるためであり、また、あなたがわたしをつかわし、わたしを愛されたように、彼らをお愛しになったことを、世が知るためであります。

24父よ、あなたがわたしに賜わった人々が、わたしのいる所に一緒にいるようにして下さい。天地が造られる前からわたしを愛して下さって、わたしに賜わった栄光を、彼らに見させて下さい。

25正しい父よ、この世はあなたを知っていません。しかし、わたしはあなたを知り、また彼らも、あなたがわたしをおつかわしになったことを知っています。

26そしてわたしは彼らに御名を知らせました。またこれからも知らせましょう。それは、あなたがわたしを愛して下さったその愛が彼らのうちにあり、またわたしも彼らのうちにおるためであります」。

鍵となる聖句

3節
永遠の命とは、唯一の、まことの神でいますあなたと、また、あなたがつかわされたイエス・キリストとを知ることであります。

イエスは永遠のいのちを関係として定義されます。まことの神と、神が遣わされたイエス・キリストを知ることです。それは終わりのない時間だけではなく、神を知ることなのです。

15節
わたしがお願いするのは、彼らを世から取り去ることではなく、彼らを悪しき者から守って下さることであります。

イエスは、弟子たちを世から取り去ることではなく、悪から守ってくださるようにと願われます。彼らの居場所は世の中にあり、孤立ではなく守りがそこにあります。

17節
真理によって彼らを聖別して下さい。あなたの御言は真理であります。

イエスは父に、弟子たちを真理によって聖別してくださるようにと願い、神の言葉が真理であると述べられます。聖別は、この御言葉に忠実であることを通して進みます。

21節
父よ、それは、あなたがわたしのうちにおられ、わたしがあなたのうちにいるように、みんなの者が一つとなるためであります。すなわち、彼らをもわたしたちのうちにおらせるためであり、それによって、あなたがわたしをおつかわしになったことを、世が信じるようになるためであります。

祈りの中心で、信じる者たちの一致が、父と子の一致にたとえられます。イエスはこの一致に目的を結びつけます。世が、イエスが遣わされたことを信じるためです。

26節
そしてわたしは彼らに御名を知らせました。またこれからも知らせましょう。それは、あなたがわたしを愛して下さったその愛が彼らのうちにあり、またわたしも彼らのうちにおるためであります」。

祈りは愛で結ばれます。イエスは父の名を知らせ、父がイエスを愛された愛が、信じる者たちの中にあるようにされました。

説教が語っていること

ヨハネによる福音書17章についてよくある質問

ヨハネ17章は何を意味しますか

ヨハネ17章は、逮捕の前のイエスの祈りを伝えています。イエスはご自分のため、弟子たちのため、そしてこれから信じるすべての人のために祈られます。主なテーマは、父と子の栄光、聖別する真理、世の中での守り、信じる者たちの一致、そして父の愛です。

なぜヨハネ17章は大祭司の祈りと呼ばれるのですか

この呼び名は、イエスがご自分の者たちのために、神の前で祭司のようにとりなしておられることに由来します。この言葉は本文自体には出てこず、多くの注解者が用いてきた伝統的な呼び方です。

イエスが信じる者たちが一つになるようにと祈られたのは、どういう意味ですか

21節で、イエスは、わたしと父が一つであるように、すべての人が一つとなり、世が信じるようにと願われます。目指されている一致は、表面的な合意ではなく、神との関係に根ざした深いものです。教会によってこの一致の理解は異なりますが、すべてがイエスの祈りの中心にあることは認めています。

永遠のいのちとは、あなたを知ることだとは、どういう意味ですか

3節で、イエスは永遠のいのちを、まことの神とイエス・キリストを知ることと定義されます。死後のいのちと対立させているのではなく、このいのちの中心が神との関係であり、それが今から始まることを強調しておられます。

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