聖書 — 口語訳 (1955)
サムエル記下 7
概要
ダビデは自分の宮殿に落ち着き、神のために家を建てたいと願います。しかし預言者ナタンを通して、神は、自分は神殿を求めたことはなく、ダビデのために家、つまり王朝を建てるのは神ご自身だと答えます。子孫の一人が神殿を建て、その王座は永遠に堅くされます。ダビデ契約と呼ばれるこの約束は、ダビデの子であるメシアへの希望を開きます。章は、王のへりくだりと感謝の祈りで終わります。
この章の5つの区分
1さて、王が自分の家に住み、また主が周囲の敵をことごとく打ち退けて彼に安息を賜わった時、
2王は預言者ナタンに言った、「見よ、今わたしは、香柏の家に住んでいるが、神の箱はなお幕屋のうちにある」。
3ナタンは王に言った、「主があなたと共におられますから、行って、すべてあなたの心にあるところを行いなさい」。
4その夜、主の言葉がナタンに臨んで言った、
5「行って、わたしのしもべダビデに言いなさい、『主はこう仰せられる。あなたはわたしの住む家を建てようとするのか。
6わたしはイスラエルの人々をエジプトから導き出した日から今日まで、家に住まわず、天幕をすまいとして歩んできた。
7わたしがイスラエルのすべての人々と共に歩んだすべての所で、わたしがわたしの民イスラエルを牧することを命じたイスラエルのさばきづかさのひとりに、ひと言でも「どうしてあなたがたはわたしのために香柏の家を建てないのか」と、言ったことがあるであろうか』。
8それゆえ、今あなたは、わたしのしもべダビデにこう言いなさい、『万軍の主はこう仰せられる。わたしはあなたを牧場から、羊に従っている所から取って、わたしの民イスラエルの君とし、
9あなたがどこへ行くにも、あなたと共におり、あなたのすべての敵をあなたの前から断ち去った。わたしはまた地上の大いなる者の名のような大いなる名をあなたに得させよう。
10そしてわたしの民イスラエルのために一つの所を定めて、彼らを植えつけ、彼らを自分の所に住ませ、重ねて動くことのないようにするであろう。
11また前のように、わたしがわたしの民イスラエルの上にさばきづかさを立てた日からこのかたのように、悪人が重ねてこれを悩ますことはない。わたしはあなたのもろもろの敵を打ち退けて、あなたに安息を与えるであろう。主はまた「あなたのために家を造る」と仰せられる。
12あなたが日が満ちて、先祖たちと共に眠る時、わたしはあなたの身から出る子を、あなたのあとに立てて、その王国を堅くするであろう。
13彼はわたしの名のために家を建てる。わたしは長くその国の位を堅くしよう。
14わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となるであろう。もし彼が罪を犯すならば、わたしは人のつえと人の子のむちをもって彼を懲らす。
15しかしわたしはわたしのいつくしみを、わたしがあなたの前から除いたサウルから取り去ったように、彼からは取り去らない。
16あなたの家と王国はわたしの前に長く保つであろう。あなたの位は長く堅うせられる』」。
17ナタンはすべてこれらの言葉のように、またすべてこの幻のようにダビデに語った。
18その時ダビデ王は、はいって主の前に座して言った、「主なる神よ、わたしがだれ、わたしの家が何であるので、あなたはこれまでわたしを導かれたのですか。
19主なる神よ、これはなおあなたの目には小さい事です。主なる神よ、あなたはまたしもべの家の、はるか後の事を語って、きたるべき代々のことを示されました。
20ダビデはこの上なにをあなたに申しあげることができましょう。主なる神よ、あなたはしもべを知っておられるのです。
21あなたの約束のゆえに、またあなたの心に従って、あなたはこのもろもろの大いなる事を行い、しもべにそれを知らせられました。
22主なる神よ、あなたは偉大です。それは、われわれがすべて耳に聞いたところによれば、あなたのような者はなく、またあなたのほかに神はないからです。
23地のどの国民が、あなたの民イスラエルのようでありましょうか。これは神が行って、自分のためにあがなって民とし、自らの名をあげられたもの、また彼らのために大いなる恐るべきことをなし、その民の前から国びととその神々とを追い出されたものです。
24そしてあなたの民イスラエルを永遠にあなたの民として、自分のために、定められました。主よ、あなたは彼らの神となられたのです。
25主なる神よ、今あなたが、しもべとしもべの家とについて語られた言葉を長く堅うして、あなたの言われたとおりにしてください。
26そうすれば、あなたの名はとこしえにあがめられて、『万軍の主はイスラエルの神である』と言われ、あなたのしもべダビデの家は、あなたの前に堅く立つことができましょう。
27万軍の主、イスラエルの神よ、あなたはしもべに示して、『おまえのために家を建てよう』と言われました。それゆえ、しもべはこの祈をあなたにささげる勇気を得たのです。
28主なる神よ、あなたは神にましまし、あなたの言葉は真実です。あなたはこの良き事をしもべに約束されました。
29どうぞ今、しもべの家を祝福し、あなたの前に長くつづかせてくださるように。主なる神よ、あなたがそれを言われたのです。どうぞあなたの祝福によって、しもべの家がながく祝福されますように」。
鍵となる聖句
「行って、わたしのしもべダビデに言いなさい、『主はこう仰せられる。あなたはわたしの住む家を建てようとするのか。
神は、ダビデの計画をひっくり返す問いを投げかけます。あなたがわたしの住む家を建てようとするのか、と。その思いを退けるのではなく、主導権は神にあると思い起こさせます。
また前のように、わたしがわたしの民イスラエルの上にさばきづかさを立てた日からこのかたのように、悪人が重ねてこれを悩ますことはない。わたしはあなたのもろもろの敵を打ち退けて、あなたに安息を与えるであろう。主はまた「あなたのために家を造る」と仰せられる。
ここでの「家」は子孫を指します。神は、ダビデのために王朝を造ると告げます。王は神に建物を捧げようとしましたが、神はダビデに未来を与えます。「あなたのために家を造る」と。
彼はわたしの名のために家を建てる。わたしは長くその国の位を堅くしよう。
ダビデの子孫の一人が神殿を建て、その王座は永遠に堅くされます。この節はまずソロモンにおいて実現し、新約聖書はイエスにおいて完全に成就したと認めます。
わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となるであろう。もし彼が罪を犯すならば、わたしは人のつえと人の子のむちをもって彼を懲らす。 しかしわたしはわたしのいつくしみを、わたしがあなたの前から除いたサウルから取り去ったように、彼からは取り去らない。
神は、ダビデの子の父となります。彼が道を踏み外しても、サウルからのように、いつくしみが取り去られることはありません。約束は、神の真実さにかかっています。
その時ダビデ王は、はいって主の前に座して言った、「主なる神よ、わたしがだれ、わたしの家が何であるので、あなたはこれまでわたしを導かれたのですか。
これほどの約束を前に、ダビデは主の前に座し、受ける恵みに驚きます。その祈りは、功績を計算することのない、へりくだりと礼拝の応答です。
この章に登場する人物
このテーマで祈る
説教が語っていること
サムエル記下7章についてよくある質問
サムエル記下7章の中心的なメッセージは何ですか。
この章には、しばしばダビデ契約と呼ばれる、ダビデへの神の約束があります。ダビデは神殿を建てたいと願いましたが、神は、その王座が永遠に堅くされる王朝をダビデのために建てると告げます。主導権も恵みも神から来ます。これはメシアへの希望の源であり、新約聖書はそれがイエスにおいて実現したと見ています。
なぜ神は、ダビデが神殿を建てることを許されなかったのですか。
本文は、ダビデの思いを退けたとは語らず、それを向け直しています。神は、香柏の家を求めたことは一度もなく、いつも天幕の中で民とともに歩んでこられたと思い起こさせます。そして、ダビデの子孫の一人が神殿を建てること、しかしまず神ご自身がダビデのために家を建てると告げます。
「あなたのために家を造る」(サムエル記下7章11節)とはどういう意味ですか。
「家」を意味するヘブル語は、建物、家族、王朝を指すことができます。この節では、神は王家の子孫について語っています。ダビデに、絶えることのない家系と、永遠に堅くされる王座を約束します。クリスチャンはそこに、ダビデの子イエスの永遠の統治を見ます。
サムエル記下7章は、どのようにイエス・キリストを告げていますか。
永遠の王座を持つダビデの子孫という約束は、預言者たちにも、またダビデの子イエスの系図で始まる新約聖書にも受け継がれています。クリスチャンはそこに約束の完全な成就を見ており、ソロモンはその最初の継承者にすぎませんでした。ユダヤ人は、この箇所をダビデ王朝への約束として、別の仕方で読みます。
サムエル記下 7を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。