聖書 — 口語訳 (1955)

テモテへの第二の手紙 4

概要

テモテへの第二の手紙4章は、使徒パウロの遺言です。死の少し前、獄中から書かれました。パウロはテモテに、人に喜ばれないときも御言を宣べ伝えるよう厳かに命じ、そのあとで自分の最期を平安のうちに見つめます。戦いをりっぱに戦い抜き、走るべき行程を走りつくし、信仰を守りぬいたのです。章の終わりはとても人間味にあふれています。パウロは多くの人に見捨てられ、書物と上着を持ってきてほしいと頼みます。それでも、主が自分を助け、救い出してくださると確信しています。

この章の5つの区分

  1. 1-5節厳かな命令:どんなときにも御言を宣べ伝えよ
  2. 6-8節よき戦い、走りつくした行程、義の冠
  3. 9-15節獄中でひとり:残る人々と、去って行く人々
  4. 16-18節人には見捨てられても、主が助けてくださった
  5. 19-22節最後のあいさつと祝福

1神のみまえと、生きている者と死んだ者とをさばくべきキリスト・イエスのみまえで、キリストの出現とその御国とを思い、おごそかに命じる。

2御言を宣べ伝えなさい。時が良くても悪くても、それを励み、あくまでも寛容な心でよく教えて、責め、戒め、勧めなさい。

3人々が健全な教に耐えられなくなり、耳ざわりのよい話をしてもらおうとして、自分勝手な好みにまかせて教師たちを寄せ集め、

4そして、真理からは耳をそむけて、作り話の方にそれていく時が来るであろう。

5しかし、あなたは、何事にも慎み、苦難を忍び、伝道者のわざをなし、自分の務を全うしなさい。

6わたしは、すでに自身を犠牲としてささげている。わたしが世を去るべき時はきた。

7わたしは戦いをりっぱに戦いぬき、走るべき行程を走りつくし、信仰を守りとおした。

8今や、義の冠がわたしを待っているばかりである。かの日には、公平な審判者である主が、それを授けて下さるであろう。わたしばかりではなく、主の出現を心から待ち望んでいたすべての人にも授けて下さるであろう。

9わたしの所に、急いで早くきてほしい。

10デマスはこの世を愛し、わたしを捨ててテサロニケに行ってしまい、クレスケンスはガラテヤに、テトスはダルマテヤに行った。

11ただルカだけが、わたしのもとにいる。マルコを連れて、一緒にきなさい。彼はわたしの務のために役に立つから。

12わたしはテキコをエペソにつかわした。

13あなたが来るときに、トロアスのカルポの所に残しておいた上着を持ってきてほしい。また書物も、特に、羊皮紙のを持ってきてもらいたい。

14銅細工人のアレキサンデルが、わたしを大いに苦しめた。主はそのしわざに対して、彼に報いなさるだろう。

15あなたも、彼を警戒しなさい。彼は、わたしたちの言うことに強く反対したのだから。

16わたしの第一回の弁明の際には、わたしに味方をする者はひとりもなく、みなわたしを捨てて行った。どうか、彼らが、そのために責められることがないように。

17しかし、わたしが御言を余すところなく宣べ伝えて、すべての異邦人に聞かせるように、主はわたしを助け、力づけて下さった。そして、わたしは、ししの口から救い出されたのである。

18主はわたしを、すべての悪のわざから助け出し、天にある御国に救い入れて下さるであろう。栄光が永遠から永遠にわたって主にあるように、アァメン。

19プリスカとアクラとに、またオネシポロの家に、よろしく伝えてほしい。

20エラストはコリントにとどまっており、トロピモは病気なので、ミレトに残してきた。

21冬になる前に、急いできてほしい。ユブロ、プデス、リノス、クラウデヤならびにすべての兄弟たちから、あなたによろしく。

22主が、あなたの霊と共にいますように。恵みが、あなたがたと共にあるように。

鍵となる聖句

2節
御言を宣べ伝えなさい。時が良くても悪くても、それを励み、あくまでも寛容な心でよく教えて、責め、戒め、勧めなさい。

パウロはテモテに、忍耐と柔和をもって、教えながら御言を宣べ伝えるよう求めます。時が良くても悪くても、熱心に続けることが求められています。

7-8節
わたしは戦いをりっぱに戦いぬき、走るべき行程を走りつくし、信仰を守りとおした。 今や、義の冠がわたしを待っているばかりである。かの日には、公平な審判者である主が、それを授けて下さるであろう。わたしばかりではなく、主の出現を心から待ち望んでいたすべての人にも授けて下さるであろう。

パウロは自分の生涯を、戦い、走る行程、守りぬいた信仰という三つの姿で言い表します。そして主が与えてくださる義の冠を待ち望みます。それはパウロだけでなく、主の現れを愛し慕う人すべてに与えられます。

10節
デマスはこの世を愛し、わたしを捨ててテサロニケに行ってしまい、クレスケンスはガラテヤに、テトスはダルマテヤに行った。

パウロは恨みもなく、デマスが今の世を愛して自分を捨てて去ったと記します。この一節は、信仰に立ち続けることが自動的ではないことを思い起こさせます。

17節
しかし、わたしが御言を余すところなく宣べ伝えて、すべての異邦人に聞かせるように、主はわたしを助け、力づけて下さった。そして、わたしは、ししの口から救い出されたのである。

だれもそばに立ってくれなかったとき、主が共にいて力づけてくださったと、パウロは断言します。受けた力によって、彼は最後まで使命を果たすことができました。

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説教が語っていること

テモテへの第二の手紙4章についてよくある質問

テモテへの第二の手紙4章7節の「戦いをりっぱに戦いぬき」とはどういう意味ですか

パウロは、道の終わりに立って自分の生涯を振り返っています。よき戦いとは、人に対する戦いではなく、試練の中でも福音に忠実であり続けることです。パウロは、走りつくした行程と、守りぬいた信仰についても語ります。それは誇りではありません。神の恵みによって最後まで耐えたという事実を述べているのです。そしてテモテにも、同じようにするよう励ましています。

「御言を宣べ伝えなさい。時が良くても悪くても、それを励み」とはどういう意味ですか

パウロはテモテに、聞く人の反応にかかわらず、聖書に忠実であり続けるよう求めます。方法も示されています。責め、戒め、勧めること、そして柔和に教えることです。やがて人々が、耳に心地よいことばかり聞きたがる時が来ると、パウロは告げます。ふつうのクリスチャンにとっては、説教壇の上だけでなく、周りの人への証しや教えの中で実践できることです。

パウロが語る義の冠とは何ですか

それは、義なる審判者である主が、再び来られる日に与えてくださる報いです。パウロは、それが自分だけのものではなく、主の現れを愛し慕う人すべてに与えられると述べます。クリスチャンはそれを、自分の忠実さが十分に認められることとして、稼いだ報酬ではなく恵みによって受けるものと理解しています。

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