聖書 — 口語訳 (1955)

ヨナ書 1

概要

ヨナ書1章で、神は預言者ヨナを大きな町ニネベに遣わされます。その悪は神の前に上ってきたからです。ヨナは従わず、ヨッパに下り、反対の方向、主の前を離れてタルシシ行きの船に乗ります。すると神は大風を起こされます。ヨナは船の奥で眠っており、くじが彼に当たり、ヨナは自分の信仰を告白して、海に投げ入れるよう求めます。暴風はやみ、人々は主を恐れ、神は大いなる魚を備えて、ヨナを三日三夜のあいだ腹の中に置かれます。

この章の5つの区分

  1. 1-3節ニネベへの召命とタルシシへの逃避
  2. 4-6節暴風と眠る預言者
  3. 7-12節くじ引きとヨナの告白
  4. 13-16節海に投げ入れられたヨナと、人々の恐れ
  5. 17節大いなる魚

1主の言葉がアミッタイの子ヨナに臨んで言った、

2「立って、あの大きな町ニネベに行き、これに向かって呼ばわれ。彼らの悪がわたしの前に上ってきたからである」。

3しかしヨナは主の前を離れてタルシシへのがれようと、立ってヨッパに下って行った。ところがちょうど、タルシシへ行く船があったので、船賃を払い、主の前を離れて、人々と共にタルシシへ行こうと船に乗った。

4時に、主は大風を海の上に起されたので、船が破れるほどの激しい暴風が海の上にあった。

5それで水夫たちは恐れて、めいめい自分の神を呼び求め、また船を軽くするため、その中の積み荷を海に投げ捨てた。しかし、ヨナは船の奥に下り、伏して熟睡していた。

6そこで船長は来て、彼に言った、「あなたはどうして眠っているのか。起きて、あなたの神に呼ばわりなさい。神があるいは、われわれを顧みて、助けてくださるだろう」。

7やがて人々は互に言った、「この災がわれわれに臨んだのは、だれのせいか知るために、さあ、くじを引いてみよう」。そして彼らが、くじを引いたところ、くじはヨナに当った。

8そこで人々はヨナに言った、「この災がだれのせいで、われわれに臨んだのか、われわれに告げなさい。あなたの職業は何か。あなたはどこから来たのか。あなたの国はどこか。あなたはどこの民か」。

9ヨナは彼らに言った、「わたしはヘブルびとです。わたしは海と陸とをお造りになった天の神、主を恐れる者です」。

10そこで人々ははなはだしく恐れて、彼に言った、「あなたはなんたる事をしてくれたのか」。人々は彼がさきに彼らに告げた事によって、彼が主の前を離れて、のがれようとしていた事を知っていたからである。

11人々は彼に言った、「われわれのために海が静まるには、あなたをどうしたらよかろうか」。それは海がますます荒れてきたからである。

12ヨナは彼らに言った、「わたしを取って海に投げ入れなさい。そうしたら海は、あなたがたのために静まるでしょう。わたしにはよくわかっています。この激しい暴風があなたがたに臨んだのは、わたしのせいです」。

13しかし人々は船を陸にこぎもどそうとつとめたが、成功しなかった。それは海が彼らに逆らって、いよいよ荒れたからである。

14そこで人々は主に呼ばわって言った、「主よ、どうぞ、この人の生命のために、われわれを滅ぼさないでください。また罪なき血を、われわれに帰しないでください。主よ、これはみ心に従って、なされた事だからです」。

15そして彼らはヨナを取って海に投げ入れた。すると海の荒れるのがやんだ。

16そこで人々は大いに主を恐れ、犠牲を主にささげて、誓願を立てた。

17主は大いなる魚を備えて、ヨナをのませられた。ヨナは三日三夜その魚の腹の中にいた。

鍵となる聖句

2-3節
「立って、あの大きな町ニネベに行き、これに向かって呼ばわれ。彼らの悪がわたしの前に上ってきたからである」。 しかしヨナは主の前を離れてタルシシへのがれようと、立ってヨッパに下って行った。ところがちょうど、タルシシへ行く船があったので、船賃を払い、主の前を離れて、人々と共にタルシシへ行こうと船に乗った。

神は「立って、あの大きな町ニネベに行き」と言われ、ヨナは立ちますが、それはタルシシへのがれるためでした。本文は、彼が「主の前を離れて」逃げたことを繰り返します。まるで神の御前から去れるかのようです。

5節
それで水夫たちは恐れて、めいめい自分の神を呼び求め、また船を軽くするため、その中の積み荷を海に投げ捨てた。しかし、ヨナは船の奥に下り、伏して熟睡していた。

水夫たちがそれぞれの神に呼ばわっているあいだ、「ヨナは船の奥に下り、伏して熟睡していた」。預言者の眠りは、自分の使命から切り離された人のまどろみを表しています。

9節
ヨナは彼らに言った、「わたしはヘブルびとです。わたしは海と陸とをお造りになった天の神、主を恐れる者です」。

ヨナは、「わたしは海と陸とをお造りになった天の神、主を恐れる者です」と告白します。しかし、彼の行いはこの告白と矛盾しています。その力を宣言しているかたから、逃げているからです。

16-17節
そこで人々は大いに主を恐れ、犠牲を主にささげて、誓願を立てた。 主は大いなる魚を備えて、ヨナをのませられた。ヨナは三日三夜その魚の腹の中にいた。

異教徒の水夫たちが主を恐れるようになり、神は預言者を救うために魚を備えられます。神はヨナを追い、思いがけない道を通して、諸国の民にご自身を現されます。

この章に登場する人物

このテーマで祈る

説教が語っていること

ヨナ書1章についてよくある質問

ヨナはなぜタルシシへ逃げたのですか。

本文は、ヨナが主の前を離れて逃げたと述べていますが、1章では理由を明かしていません。それは4章で分かります。ヨナは、神が民の敵であるニネベの人々をゆるされることを恐れていたのです。だから彼は反対の方向、タルシシを選びました。

神はなぜ暴風を送られたのですか。

神は激しい風を吹かせて、ヨナの逃避を止められます。暴風は預言者を滅ぼしません。ヨナを不従順に向き合わせ、水夫たちの前で彼の信仰をあらわし、ついには水夫たち自身を、主を恐れるところへ導きます。

ヨナのしるしとはどういう意味ですか。

イエスは、ヨナが三日三夜、魚の腹の中にいたように、人の子も三日三夜、地の中にいるであろうと言われて、これに言及されました。1章17節は、イエスの死と復活とのこの対応の出発点です。

ヨナ書 1を引用している記事

← すべての章

口語訳(1955年)— パブリックドメイン。