聖書 — 口語訳 (1955)

出エジプト記 12

概要

出エジプト記12章は、イスラエルの歴史の転換点となった過越の夜を語ります。神は、それぞれの家族に傷のない小羊を取らせ、屠り、その血を戸口に塗るよう命じられます。その夜、神はエジプトの初子を撃たれ、血の塗られた家は過ぎ越されます。ファラオは民を去らせ、民は四百三十年の滞在ののち、急いでエジプトを出ます。神はまた、種を入れないパンとともに記念の祭りを定め、それを子どもたちに伝えるよう命じられます。

この章の6つの区分

  1. 1-14節過越の小羊と、戸口の血
  2. 15-20節種を入れないパンの祭り
  3. 21-28節モーセが命令とその意味を伝える
  4. 29-36節十番目の災いと、急な出発
  5. 37-42節四百三十年ののち、エジプトを出る
  6. 43-51節過越に加わることができる人

1主はエジプトの国で、モーセとアロンに告げて言われた、

2「この月をあなたがたの初めの月とし、これを年の正月としなさい。

3あなたがたはイスラエルの全会衆に言いなさい、『この月の十日におのおの、その父の家ごとに小羊を取らなければならない。すなわち、一家族に小羊一頭を取らなければならない。

4もし家族が少なくて一頭の小羊を食べきれないときは、家のすぐ隣の人と共に、人数に従って一頭を取り、おのおの食べるところに応じて、小羊を見計らわなければならない。

5小羊は傷のないもので、一歳の雄でなければならない。羊またはやぎのうちから、これを取らなければならない。

6そしてこの月の十四日まで、これを守って置き、イスラエルの会衆はみな、夕暮にこれをほふり、

7その血を取り、小羊を食する家の入口の二つの柱と、かもいにそれを塗らなければならない。

8そしてその夜、その肉を火に焼いて食べ、種入れぬパンと苦菜を添えて食べなければならない。

9生でも、水で煮ても、食べてはならない。火に焼いて、その頭を足と内臓と共に食べなければならない。

10朝までそれを残しておいてはならない。朝まで残るものは火で焼きつくさなければならない。

11あなたがたは、こうして、それを食べなければならない。すなわち腰を引きからげ、足にくつをはき、手につえを取って、急いでそれを食べなければならない。これは主の過越である。

12その夜わたしはエジプトの国を巡って、エジプトの国におる人と獣との、すべてのういごを打ち、またエジプトのすべての神々に審判を行うであろう。わたしは主である。

13その血はあなたがたのおる家々で、あなたがたのために、しるしとなり、わたしはその血を見て、あなたがたの所を過ぎ越すであろう。わたしがエジプトの国を撃つ時、災が臨んで、あなたがたを滅ぼすことはないであろう。

14この日はあなたがたに記念となり、あなたがたは主の祭としてこれを守り、代々、永久の定めとしてこれを守らなければならない。

15七日の間あなたがたは種入れぬパンを食べなければならない。その初めの日に家からパン種を取り除かなければならない。第一日から第七日までに、種を入れたパンを食べる人はみなイスラエルから断たれるであろう。

16かつ、あなたがたは第一日に聖会を、また第七日に聖会を開かなければならない。これらの日には、なんの仕事もしてはならない。ただ、おのおのの食べものだけは作ることができる。

17あなたがたは、種入れぬパンの祭を守らなければならない。ちょうど、この日、わたしがあなたがたの軍勢をエジプトの国から導き出したからである。それゆえ、あなたがたは代々、永久の定めとして、その日を守らなければならない。

18正月に、その月の十四日の夕方に、あなたがたは種入れぬパンを食べ、その月の二十一日の夕方まで続けなければならない。

19七日の間、家にパン種を置いてはならない。種を入れたものを食べる者は、寄留の他国人であれ、国に生れた者であれ、すべて、イスラエルの会衆から断たれるであろう。

20あなたがたは種を入れたものは何も食べてはならない。すべてあなたがたのすまいにおいて種入れぬパンを食べなければならない』」。

21そこでモーセはイスラエルの長老をみな呼び寄せて言った「あなたがたは急いで家族ごとに一つの小羊を取り、その過越の獣をほふらなければならない。

22また一束のヒソプを取って鉢の血に浸し、鉢の血を、かもいと入口の二つの柱につけなければならない。朝まであなたがたは、ひとりも家の戸の外に出てはならない。

23主が行き巡ってエジプトびとを撃たれるとき、かもいと入口の二つの柱にある血を見て、主はその入口を過ぎ越し、滅ぼす者が、あなたがたの家にはいって、撃つのを許されないであろう。

24あなたがたはこの事を、あなたと子孫のための定めとして、永久に守らなければならない。

25あなたがたは、主が約束されたように、あなたがたに賜る地に至るとき、この儀式を守らなければならない。

26もし、あなたがたの子供たちが『この儀式はどんな意味ですか』と問うならば、

27あなたがたは言いなさい、『これは主の過越の犠牲である。エジプトびとを撃たれたとき、エジプトにいたイスラエルの人々の家を過ぎ越して、われわれの家を救われたのである』」。民はこのとき、伏して礼拝した。

28イスラエルの人々は行ってそのようにした。すなわち主がモーセとアロンに命じられたようにした。

29夜中になって主はエジプトの国の、すべてのういご、すなわち位に座するパロのういごから、地下のひとやにおる捕虜のういごにいたるまで、また、すべての家畜のういごを撃たれた。

30それでパロとその家来およびエジプトびとはみな夜のうちに起きあがり、エジプトに大いなる叫びがあった。死人のない家がなかったからである。

31そこでパロは夜のうちにモーセとアロンを呼び寄せて言った、「あなたがたとイスラエルの人々は立って、わたしの民の中から出て行くがよい。そしてあなたがたの言うように、行って主に仕えなさい。

32あなたがたの言うように羊と牛とを取って行きなさい。また、わたしを祝福しなさい」。

33こうしてエジプトびとは民をせき立てて、すみやかに国を去らせようとした。彼らは「われわれはみな死ぬ」と思ったからである。

34民はまだパン種を入れない練り粉を、こねばちのまま着物に包んで肩に負った。

35そしてイスラエルの人々はモーセの言葉のようにして、エジプトびとから銀の飾り、金の飾り、また衣服を請い求めた。

36主は民にエジプトびとの情を得させ、彼らの請い求めたものを与えさせられた。こうして彼らはエジプトびとのものを奪い取った。

37さて、イスラエルの人々はラメセスを出立してスコテに向かった。女と子供を除いて徒歩の男子は約六十万人であった。

38また多くの入り混じった群衆および羊、牛など非常に多くの家畜も彼らと共に上った。

39そして彼らはエジプトから携えて出た練り粉をもって、種入れぬパンの菓子を焼いた。まだパン種を入れていなかったからである。それは彼らがエジプトから追い出されて滞ることができず、また、何の食料をも整えていなかったからである。

40イスラエルの人々がエジプトに住んでいた間は、四百三十年であった。

41四百三十年の終りとなって、ちょうどその日に、主の全軍はエジプトの国を出た。

42これは彼らをエジプトの国から導き出すために主が寝ずの番をされた夜であった。ゆえにこの夜、すべてのイスラエルの人々は代々、主のために寝ずの番をしなければならない。

43主はモーセとアロンとに言われた、「過越の祭の定めは次のとおりである。すなわち、異邦人はだれもこれを食べてはならない。

44しかし、おのおのが金で買ったしもべは、これに割礼を行ってのち、これを食べさせることができる。

45仮ずまいの者と、雇人とは、これを食べてはならない。

46ひとつの家でこれを食べなければならない。その肉を少しも家の外に持ち出してはならない。また、その骨を折ってはならない。

47イスラエルの全会衆はこれを守らなければならない。

48寄留の外国人があなたのもとにとどまっていて、主に過越の祭を守ろうとするときは、その男子はみな割礼を受けてのち、近づいてこれを守ることができる。そうすれば彼は国に生れた者のようになるであろう。しかし、無割礼の者はだれもこれを食べてはならない。

49この律法は国に生れたものにも、あなたがたのうちに寄留している外国人にも同一である」。

50イスラエルの人々は、みなこのようにし、主がモーセとアロンに命じられたようにした。

51ちょうどその日に、主はイスラエルの人々を、その軍団に従ってエジプトの国から導き出された。

鍵となる聖句

3節
あなたがたはイスラエルの全会衆に言いなさい、『この月の十日におのおの、その父の家ごとに小羊を取らなければならない。すなわち、一家族に小羊一頭を取らなければならない。

各家族は、一家族に小羊一頭を取らなければなりません。神は一つの民のために働かれますが、救いは家ごとに、一人ひとりの行いをともなって経験されます。

7節
その血を取り、小羊を食する家の入口の二つの柱と、かもいにそれを塗らなければならない。

小羊の血は、戸口の二つの柱とかもいに塗られます。しるしは目に見えるもので、神が備えられた守りのもとに身を置く家を示します。

13節
その血はあなたがたのおる家々で、あなたがたのために、しるしとなり、わたしはその血を見て、あなたがたの所を過ぎ越すであろう。わたしがエジプトの国を撃つ時、災が臨んで、あなたがたを滅ぼすことはないであろう。

神は、血を見たなら、その家々を過ぎ越すと約束されます。「過越」という言葉は、この過ぎ越しと結びついています。さばきはエジプトに下りますが、血のしるしのもとにいる人々には及びません。

14節
この日はあなたがたに記念となり、あなたがたは主の祭としてこれを守り、代々、永久の定めとしてこれを守らなければならない。

神は、この日を永久の定めとして、祭りによって記念するよう命じられます。記憶は救いの一部です。解放された民は、神がなさったことを語り継がなければなりません。

26-27節
もし、あなたがたの子供たちが『この儀式はどんな意味ですか』と問うならば、 あなたがたは言いなさい、『これは主の過越の犠牲である。エジプトびとを撃たれたとき、エジプトにいたイスラエルの人々の家を過ぎ越して、われわれの家を救われたのである』」。民はこのとき、伏して礼拝した。

子どもたちがこの儀式の意味を尋ねるとき、親は、神が自分たちの家を過ぎ越して救われたと答えます。信仰は、物語を語ることによって受け継がれていきます。

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説教が語っていること

出エジプト記12章:過越の夜、初子へのさばきが語ることサン・ラザール教会の説教は、民が大切な日付を記憶する必要から出発します。出エジプト記12章29節から13章16節を、神の民が語り継ぐべき、創立の日として読みます。要約を読む →過越の準備:出エジプト記12章と過越の子羊サミュエル・マブーは、出エジプト記12章で、民が丸一週間かけて出発の準備をしなければならなかったことに注目します。そして、この準備を、十字架の前のイエスの最後の過越と結びつけます。要約を読む →「死よ、おまえの力はどこにあるのか」過越祭があなたの鎖を解くこのメッセージは出エジプト記12章12節から13節から始まり、キリストの血があなたの人生の上にあるかと問いかけます。過越は、今も続く守りとして示され、家から取り除くべきパン種についても語られます。要約を読む →オーバーフロー・ワーシップ:過越祭、あなたの栄光の季節の出発点ICCモントリオールでの過越の賛美の夕べで、サーラは、屠られた小羊をたたえるよう勧め、過越に新しい季節への転換点を見ます。要約を読む →家族の神 : 一人の人が家全体を導き入れるときルナト・ヤオ牧師は、神は家族の神であり、ひとりに目を留められるときも、その人だけで終わらず、家全体に届くと語ります。要約を読む →

出エジプト記12章についてよくある質問

出エジプト記12章の過越とは何を意味していますか

過越は、神がエジプトの初子を撃たれたとき、小羊の血が塗られたイスラエル人の家々を過ぎ越されたあの夜を思い起こさせます。それは民の解放の始まりでもあります。クリスチャンは、そこに神の小羊であるイエスの犠牲の型を見ます。これは新約聖書で詳しく述べられています。

なぜ戸口に小羊の血を塗るのですか

神は、血を見て過ぎ越すと告げておられました。血は、守られる家と撃たれる家を分けるしるしでした。これは魔術ではなく、神が求められたことへの従順であり、それによって家族は神の守りのもとに身を置いたのです。

なぜ種を入れないパンなのですか

聖書は、民があまりに急いでエジプトを出たので、パン種で生地をふくらませる時間がなかったと説明します(33節から39節)。種を入れないパンの祭りは、この急な出発の記憶を保ちます。七日のあいだ、家からパン種を取り除きます。新約聖書は、この姿を、生き方のきよさを語るために用いています。

イスラエルはエジプトにどれくらいいましたか

出エジプト記12章40節から41節は、イスラエルの人々がエジプトに住んでいた期間は四百三十年で、ちょうどその日に主の全軍がエジプトを出たと語ります。聖書は、子どもを除いて、歩いて出た男がおよそ六十万人で、あらゆる種類の人々の群れも一緒に出て行ったと数えています。

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