聖書 — 口語訳 (1955)
出エジプト記 34
概要
出エジプト記34章は、金の子牛の罪に続く章です。神はモーセに、新しい石の板を二枚切り、シナイ山に登るよう命じられます。主は彼の前を過ぎて、ご自身の名を宣べられます。あわれみあり、恵みあり、怒ることおそく、いつくしみとまことの豊かな神。しかし、罰すべき者を決して赦さない方です。モーセはとりなし、神はイスラエルとの契約を新たにされ、戒めを与えられます。四十日を神のもとで過ごしたのち、モーセは顔の皮が光を放つまま山を下り、民の前ではおおいをかけます。
この章の4つの区分
1主はモーセに言われた、「あなたは前のような石の板二枚を、切って造りなさい。わたしはあなたが砕いた初めの板にあった言葉を、その板に書くであろう。
2あなたは朝までに備えをし、朝のうちにシナイ山に登って、山の頂でわたしの前に立ちなさい。
3だれもあなたと共に登ってはならない。また、だれも山の中にいてはならない。また山の前で羊や牛を飼っていてはならない」。
4そこでモーセは前のような石の板二枚を、切って造り、朝早く起きて、主が彼に命じられたようにシナイ山に登った。彼はその手に石の板二枚をとった。
5ときに主は雲の中にあって下り、彼と共にそこに立って主の名を宣べられた。
6主は彼の前を過ぎて宣べられた。「主、主、あわれみあり、恵みあり、怒ることおそく、いつくしみと、まこととの豊かなる神、
7いつくしみを千代までも施し、悪と、とがと、罪とをゆるす者、しかし、罰すべき者をば決してゆるさず、父の罪を子に報い、子の子に報いて、三、四代におよぼす者」。
8モーセは急ぎ地に伏して拝し、
9そして言った、「ああ主よ、わたしがもし、あなたの前に恵みを得ますならば、かたくなな民ですけれども、どうか主がわたしたちのうちにあって一緒に行ってください。そしてわたしたちの悪と罪とをゆるし、わたしたちをあなたのものとしてください」。
10主は言われた、「見よ、わたしは契約を結ぶ。わたしは地のいずこにも、いかなる民のうちにも、いまだ行われたことのない不思議を、あなたのすべての民の前に行うであろう。あなたが共に住む民はみな、主のわざを見るであろう。わたしがあなたのためになそうとすることは、恐るべきものだからである。
11わたしが、きょう、あなたに命じることを守りなさい。見よ、わたしはアモリびと、カナンびと、ヘテびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとを、あなたの前から追い払うであろう。
12あなたが行く国に住んでいる者と、契約を結ばないように、気をつけなければならない。おそらく彼らはあなたのうちにあって、わなとなるであろう。
13むしろあなたがたは、彼らの祭壇を倒し、石の柱を砕き、アシラ像を切り倒さなければならない。
14あなたは他の神を拝んではならない。主はその名を『ねたみ』と言って、ねたむ神だからである。
15おそらくあなたはその国に住む者と契約を結び、彼らの神々を慕って姦淫を行い、その神々に犠牲をささげ、招かれて彼らの犠牲を食べ、
16またその娘たちを、あなたのむすこたちにめとり、その娘たちが自分たちの神々を慕って姦淫を行い、また、あなたのむすこたちをして、彼らの神々を慕わせ、姦淫を行わせるに至るであろう。
17あなたは自分のために鋳物の神々を造ってはならない。
18あなたは種入れぬパンの祭を守らなければならない。すなわち、わたしがあなたに命じたように、アビブの月の定めの時に、七日のあいだ、種入れぬパンを食べなければならない。あなたがアビブの月にエジプトを出たからである。
19すべて初めに生れる者は、わたしのものである。すべてあなたの家畜のういごの雄は、牛も羊もそうである。
20ただし、ろばのういごは小羊であがなわなければならない。もしあがなわないならば、その首を折らなければならない。あなたのむすこのうちのういごは、みなあがなわなければならない。むなし手でわたしの前に出てはならない。
21あなたは六日のあいだ働き、七日目には休まなければならない。耕し時にも、刈入れ時にも休まなければならない。
22あなたは七週の祭、すなわち小麦刈りの初穂の祭を行わなければならない。また年の終りに取り入れの祭を行わなければならない。
23年に三度、男子はみな主なる神、イスラエルの神の前に出なければならない。
24わたしは国々の民をあなたの前から追い払って、あなたの境を広くするであろう。あなたが年に三度のぼって、あなたの神、主の前に出る時には、だれもあなたの国を侵すことはないであろう。
25あなたは犠牲の血を、種を入れたパンと共に供えてはならない。また過越の祭の犠牲を、翌朝まで残して置いてはならない。
26あなたの土地の初穂の最も良いものを、あなたの神、主の家に携えてこなければならない。あなたは子やぎをその母の乳で煮てはならない」。
27また主はモーセに言われた、「これらの言葉を書きしるしなさい。わたしはこれらの言葉に基いて、あなたおよびイスラエルと契約を結んだからである」。
28モーセは主と共に、四十日四十夜、そこにいたが、パンも食べず、水も飲まなかった。そして彼は契約の言葉、十誡を板の上に書いた。
29モーセはそのあかしの板二枚を手にして、シナイ山から下ったが、その山を下ったとき、モーセは、さきに主と語ったゆえに、顔の皮が光を放っているのを知らなかった。
30アロンとイスラエルの人々とがみな、モーセを見ると、彼の顔の皮が光を放っていたので、彼らは恐れてこれに近づかなかった。
31モーセは彼らを呼んだ。アロンと会衆のかしらたちとがみな、モーセのもとに帰ってきたので、モーセは彼らと語った。
32その後、イスラエルの人々がみな近よったので、モーセは主がシナイ山で彼に語られたことを、ことごとく彼らにさとした。
33モーセは彼らと語り終えた時、顔おおいを顔に当てた。
34しかしモーセは主の前に行って主と語る時は、出るまで顔おおいを取り除いていた。そして出て来ると、その命じられた事をイスラエルの人々に告げた。
35イスラエルの人々はモーセの顔を見ると、モーセの顔の皮が光を放っていた。モーセは行って主と語るまで、また顔おおいを顔に当てた。
鍵となる聖句
主は彼の前を過ぎて宣べられた。「主、主、あわれみあり、恵みあり、怒ることおそく、いつくしみと、まこととの豊かなる神、 いつくしみを千代までも施し、悪と、とがと、罪とをゆるす者、しかし、罰すべき者をば決してゆるさず、父の罪を子に報い、子の子に報いて、三、四代におよぼす者」。
神はご自身をこう説明されます。あわれみ深く、怒ることおそく、いつくしみとまことに豊かで、罪を赦す方。しかし、罪をそのままにはされません。この二つの節は、神がどなたであるかを語るために、聖書全体で引用されています。
そして言った、「ああ主よ、わたしがもし、あなたの前に恵みを得ますならば、かたくなな民ですけれども、どうか主がわたしたちのうちにあって一緒に行ってください。そしてわたしたちの悪と罪とをゆるし、わたしたちをあなたのものとしてください」。
モーセは、民がかたくななのに、神が彼らのうちにあって一緒に行ってくださるよう願います。彼は自分を民と同じ立場に置いて、赦しを求めて訴えます。
あなたは他の神を拝んではならない。主はその名を『ねたみ』と言って、ねたむ神だからである。
神は、ねたむ神という名を持っておられます。他の神々と民を分け合うことはなさいません。排他的な関係を望んでおられるからです。
モーセはそのあかしの板二枚を手にして、シナイ山から下ったが、その山を下ったとき、モーセは、さきに主と語ったゆえに、顔の皮が光を放っているのを知らなかった。 アロンとイスラエルの人々とがみな、モーセを見ると、彼の顔の皮が光を放っていたので、彼らは恐れてこれに近づかなかった。
モーセは、神と語ったために顔が光を放っていることを知りませんでした。民は恐れます。神の臨在は、目に見えるしるしを残します。
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説教が語っていること
出エジプト記34章についてよくある質問
出エジプト記34章6節と7節は何を意味しますか。
この二つの節は、神がモーセにご自身を示された自己紹介です。あわれみ深く、怒ることおそく、いつくしみとまことに豊かで、不義を赦す方。しかし、罰すべき者は決して赦されません。ここには神の恵みと義が一つに語られており、多くの聖書の著者がこれを繰り返し引いています。
モーセの顔はなぜ光を放つのですか。
モーセは四十日四十夜を神とともに過ごし、本人が知らないうちに顔の皮が光を放っていました。民は近づくのを恐れたので、彼はおおいをかけます。パウロはこの姿を、コリント人への第二の手紙3章で、新しい契約の栄光を語るために取り上げます。
神が新しい石の板を作られたのはなぜですか。
モーセは金の子牛を見て、最初の板を砕きました。神は新しい板を切るよう命じ、イスラエルとの契約を新たにされます。それは、民の罪にもかかわらず示される、神の忍耐と赦しを表しています。
出エジプト記 34を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。