聖書 — 口語訳 (1955)

使徒行伝 1

概要

ルカは、福音書が終わったところから物語を続けます。四十日のあいだ、復活したイエスは使徒たちに現れ、エルサレムで父の約束、すなわち聖霊のバプテスマを待つよう命じます。そして、地の果てまでご自分の証人となる力を受けると告げ、天に上げられます。弟子たちは屋上の間に戻り、ともに祈り続け、ペンテコステの前に十二人の数がそろうよう、ユダに代わってマッテヤを選びます。

この章の4つの区分

  1. 1-5節四十日間と、父の約束
  2. 6-11節証人としての使命、昇天、そして再び来られるという約束
  3. 12-14節屋上の間で:一致と、忍耐強い祈り
  4. 15-26節ユダに代わるマッテヤの選び

1テオピロよ、わたしは先に第一巻を著わして、イエスが行い、また教えはじめてから、

2お選びになった使徒たちに、聖霊によって命じたのち、天に上げられた日までのことを、ことごとくしるした。

3イエスは苦難を受けたのち、自分の生きていることを数々の確かな証拠によって示し、四十日にわたってたびたび彼らに現れて、神の国のことを語られた。

4そして食事を共にしているとき、彼らにお命じになった、「エルサレムから離れないで、かねてわたしから聞いていた父の約束を待っているがよい。

5すなわち、ヨハネは水でバプテスマを授けたが、あなたがたは間もなく聖霊によって、バプテスマを授けられるであろう」。

6さて、弟子たちが一緒に集まったとき、イエスに問うて言った、「主よ、イスラエルのために国を復興なさるのは、この時なのですか」。

7彼らに言われた、「時期や場合は、父がご自分の権威によって定めておられるのであって、あなたがたの知る限りではない。

8ただ、聖霊があなたがたにくだる時、あなたがたは力を受けて、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、さらに地のはてまで、わたしの証人となるであろう」。

9こう言い終ると、イエスは彼らの見ている前で天に上げられ、雲に迎えられて、その姿が見えなくなった。

10イエスの上って行かれるとき、彼らが天を見つめていると、見よ、白い衣を着たふたりの人が、彼らのそばに立っていて

11言った、「ガリラヤの人たちよ、なぜ天を仰いで立っているのか。あなたがたを離れて天に上げられたこのイエスは、天に上って行かれるのをあなたがたが見たのと同じ有様で、またおいでになるであろう」。

12それから彼らは、オリブという山を下ってエルサレムに帰った。この山はエルサレムに近く、安息日に許されている距離のところにある。

13彼らは、市内に行って、その泊まっていた屋上の間にあがった。その人たちは、ペテロ、ヨハネ、ヤコブ、アンデレ、ピリポとトマス、バルトロマイとマタイ、アルパヨの子ヤコブと熱心党のシモンとヤコブの子ユダとであった。

14彼らはみな、婦人たち、特にイエスの母マリヤ、およびイエスの兄弟たちと共に、心を合わせて、ひたすら祈をしていた。

15そのころ、百二十名ばかりの人々が、一団となって集まっていたが、ペテロはこれらの兄弟たちの中に立って言った、

16「兄弟たちよ、イエスを捕えた者たちの手びきになったユダについては、聖霊がダビデの口をとおして預言したその言葉は、成就しなければならなかった。

17彼はわたしたちの仲間に加えられ、この務を授かっていた者であった。

18(彼は不義の報酬で、ある地所を手に入れたが、そこへまっさかさまに落ちて、腹がまん中から引き裂け、はらわたがみな流れ出てしまった。

19そして、この事はエルサレムの全住民に知れわたり、そこで、この地所が彼らの国語でアケルダマと呼ばれるようになった。「血の地所」との意である。)

20詩篇に、『その屋敷は荒れ果てよ、そこにはひとりも住む者がいなくなれ』 と書いてあり、また 『その職は、ほかの者に取らせよ』 とあるとおりである。

21そういうわけで、主イエスがわたしたちの間にゆききされた期間中、

22すなわち、ヨハネのバプテスマの時から始まって、わたしたちを離れて天に上げられた日に至るまで、始終わたしたちと行動を共にした人たちのうち、だれかひとりが、わたしたちに加わって主の復活の証人にならねばならない」。

23そこで一同は、バルサバと呼ばれ、またの名をユストというヨセフと、マッテヤとのふたりを立て、

24祈って言った、「すべての人の心をご存じである主よ。このふたりのうちのどちらを選んで、

25ユダがこの使徒の職務から落ちて、自分の行くべきところへ行ったそのあとを継がせなさいますか、お示し下さい」。

26それから、ふたりのためにくじを引いたところ、マッテヤに当ったので、この人が十一人の使徒たちに加えられることになった。

鍵となる聖句

1節
テオピロよ、わたしは先に第一巻を著わして、イエスが行い、また教えはじめてから、

ルカは、イエスが行い、教えはじめられたすべてのことについて語ります。それによって使徒行伝は、イエスのみわざが、今は聖霊によって、またその教会によって続いていくことを示唆しています。

4-5節
そして食事を共にしているとき、彼らにお命じになった、「エルサレムから離れないで、かねてわたしから聞いていた父の約束を待っているがよい。 すなわち、ヨハネは水でバプテスマを授けたが、あなたがたは間もなく聖霊によって、バプテスマを授けられるであろう」。

イエスは、エルサレムで父の約束を待つよう命じます。聖霊のバプテスマは、使命の前に受けるべき賜物として示されています。

8節
ただ、聖霊があなたがたにくだる時、あなたがたは力を受けて、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、さらに地のはてまで、わたしの証人となるであろう」。

この聖句は書物の見取り図を与えます。聖霊の力、そしてエルサレムから始まり、ユダヤ、サマリヤ、地の果てへと広がる証しです。証人とは、自分が見て、体験したことを語る人です。

11節
言った、「ガリラヤの人たちよ、なぜ天を仰いで立っているのか。あなたがたを離れて天に上げられたこのイエスは、天に上って行かれるのをあなたがたが見たのと同じ有様で、またおいでになるであろう」。

白い衣を着た二人の人は、弟子たちの目を天から離させ、イエスが再び来られると告げます。そのあいだ、務めは地上にあります。

14節
彼らはみな、婦人たち、特にイエスの母マリヤ、およびイエスの兄弟たちと共に、心を合わせて、ひたすら祈をしていた。

弟子たちは、女たちやイエスの母マリヤ、その兄弟たちとともに、心を合わせて祈り続けました。ペンテコステの前には、一致と祈りがありました。

この章に登場する人物

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説教が語っていること

使徒の働き1:8:あなたを証人に変える力マリー・アゴスティニは、傍観者の立場から出て、使徒行伝1章8節の聖霊の力を受けるよう招きます。証人とは、見て、聞いて、体験したことを語る人のことです。要約を読む →今こそその時、目を覚ましてキリストの証人となろうドニー・マクルーキンは、使徒行伝1章8節を、自分を誇るためではなく、証しをするために与えられた力として読みます。目を覚まし、教会に託された使命を取り戻すようにとの呼びかけを引き出します。要約を読む →あなたは何を見つめていますか:霊の目を開いてください説教者は、1章10節と11節から、天を見つめたままでいる人々に語りかけます。御使いたちは、イエスが再び来られるのを待つあいだ、弟子たちを地上での使命へと送り返しています。要約を読む →忍耐しなさい:イエス様と共に立ち続けるための4つの柱サミュエル・マボーは1章14節から語ります。昇天のあと、弟子たちはともに祈りはじめました。それを、教会の忍耐を支える四つの柱の第一としています。要約を読む →聖霊のわざを待ち望み、備えよペンテコステに向けて、ルッツ牧師は屋上の間の待望から始めます。聖霊が下る前に、およそ百二十人が祈り続けていたことを語ります。要約を読む →

使徒行伝1章についてよくある質問

使徒行伝1章8節はどういう意味ですか

イエスは弟子たちに、聖霊の力を約束し、エルサレム、ユダヤ、サマリヤ、そして地の果てまで、ご自分の証人となるという使命を託されます。この聖句は、使徒行伝全体の見取り図となっています。与えられる力は、個人的な利益のためではなく、証しと結びついていることを示しています。

なぜイエスはエルサレムで待つようにと言われたのですか

弟子たちが、父の約束である聖霊のバプテスマを受ける前に、宣教に出て行ってはならないとされたからです。待つことは、屋上の間が示すように、祈りと一致の時です。その後、2章のペンテコステに聖霊が来られ、宣教が始まります。

御使いたちが「天を見つめていると」と言ったのはどういう意味ですか

白い衣を着た二人の人は、弟子たちに、天を見つめたまま立ちつくさないよう促しています。イエスは同じ有様で再び来られると告げますが、宣教は今、ここで生きるものです。ですから、再臨を待つことは、受け身の態度ではありません。

なぜ使徒たちはユダに代わってマッテヤを選んだのですか

ペテロは、聖書がこの事態を告げていたと考え、十二人の群れには、ヨハネのバプテスマの時からイエスに従ってきた復活の証人が必要だと見ています。弟子たちは祈り、二人の候補者を立て、くじを引き、マッテヤに決まります。

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